2020年 【渋谷幕張中(一次)】国語記述問題 採点基準例
※採点の方法の詳細については、★採点方法の詳細★以降をご覧ください。
【全ての問題で共通のルール】
●文末ミスは1点減点。
●誤字脱字はその都度1点減点。
※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。
●句点なしは1点減点。
一 問四 7点満点 文末は「点」
【解答例】先ほどまで卑屈にしていた上に、聡子からおどろくべき我儘な申出を受けたにもかかわらず、堂々としている点。
【採点基準】
1(飯沼の態度)
堂々としている/威圧感を取り戻している/抗らえなさそうな雰囲気を出している …③点
2(1の補足)
A 先ほどまで卑屈にしていた …②点
B 聡子からおどろくべき我儘な申出を受けた/今から迎えに来てほしいと聡子が言っているというのは信じられない話である …②点
一 問六 10点満点
【解答例】相手に有無を言わせる間もなく要求を通そうとする聡子の素速いやり方に、一種新鮮な快さを感じながら、自分が聡子の意のままになろうとしている状況を受け止めている。
【採点基準】
1(心情A)
新鮮な快さ/感じたことのない爽快な気持ち …④点
※「新鮮な/感じたことのない」にあたる内容がない場合、1の要素から2点減点。
2(1の理由にあたる、-部③「こんな我儘」の説明)
有無を言わせる間もない/気づかぬ間に意志を無視される/自らの要求を通そうとする聡子の素速いやり方 …④点
※「間もない/気づかぬ間に/素速い」にあたる、聡子のやり方のスピード感についての表現がない場合、2の要素から2点減点。
3(心情B)
自分が聡子の意のままになろうとしている状況を受け止めている/聡子に振り回される自分の立場を冷静にとらえている …②点
二 問三 7点満点 文末は「点」
【解答例】われわれを拘束している、教育も議論もデータも歯が立たない非常に強力なものである上に、科学的にも解明が難しい点。
【採点基準】
1(「大きな絶対権」についての説明)
A われわれを拘束している/その場の意思決定を支配する/人をあらがえなくさせる …②点
B 教育も議論もデータも歯が立たない/あらゆる議論や主張を超えている/議論の結果に関係なく …②点
2(「妖怪」の解釈)
科学的にも解明が難しい/正体不明/何やらよく分からない …③点
※「一種の超能力かも知れない」のみの場合、2の要素としては無得点。
二 問五 10点満点 文末は「こと」
【解答例】絶対の神を持たないことから、臨在感的に把握したものが絶対化されるのに加えて、物事を相対的に把握しないので、意思決定を拘束されること。
【採点基準】
1(「『空気』の支配」の言いかえ)
意思決定を拘束される/その場の雰囲気にあらがえなくなる …②点
2(1の理由として、空気支配の原則)
A 臨在感的に把握する/臨在感的把握から生まれる/さまざまなものにプラスアルファの力を感じることでできる …③点
B 物事を相対的に把握しない/対立概念で対象を把握することが排除される/相対的な見方を排除する/二重性の中で物事を見ない/物事を対立概念で見ない …③点
3(「支配」される側の特徴)
絶対の神を持たない/一神教を信じていない …②点
★採点方法の詳細★
すべての採点基準の記事の先頭に次の【全ての問題で共通のルール】を載せています。
【全ての問題で共通のルール】
●文末ミスは1点減点。
●誤字脱字はその都度1点減点。
※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。
●句点なしは1点減点。
1つ目の●は、文末ミスについてです。例えば、「気持ちを答えなさい。」と問われているのに記述の最終部分を「から。」や「こと。」にしてしまっている場合には、1点減点してください。
2つ目の●は、誤字脱字についてです。漢字の誤り、送りがなの誤り、かなづかいの誤りのほか、単純に一文字抜けてしまっている等のミスについて、その都度1点減点してください。ただし、※にあるように同じ漢字や送り仮名等のミスは1回のみの減点で構いません。
3つ目の●は、句点の不備についてです。記述の最終部分に句点がない場合には、1点減点してください。
次に、例を挙げながら説明していきます。
【問題例】「のび太くんが目に涙を浮かべてバンザイをしている」とありますが、なぜですか。説明しなさい。(10点満点)
ここでは、解答例を次のようにします。
【解答例】好意を寄せるしずかちゃんに、バレンタインのチョコをもらえたうえに、自分の優しさを認めてもらえてうれしかったから。
採点基準は、以下の通りとします。
【採点基準】
1(きっかけ)
A しずかちゃんにバレンタインのチョコをもらえた/しずかちゃんが自分を気に入ってくれていることが分かった …②点
B しずかちゃんに自分の優しさを認めてもらえた/自分の優しいところが好きだとしずかちゃんに言ってもらえた …②点
2(しずかちゃんについての説明) 好意を寄せている/好き …③点
3(気持ち) うれしい/喜ぶ/幸せ …③点
※全体を通して「しずかちゃん」がないと、1点減点。
大きな解答要素は1・2・3の3つで、そのうち1はA・Bから成るので、実際には1A・1B・2・3の4つを解答要素として採点していくこととします。
すべての要素に / で区切った複数の文言を載せていますが、言い回しが異なるだけで内容は同じであることを示しています。採点する際には他の言い回しでもOKなのだということの参考にしてください。
では、子どもの答案を想定して、採点の練習をしてみましょう!
【答案例1】
しずかちゃんからの好意が伝わってきてうれしかったから。
【答案例2】
大好きなチョコを食べられて最高だったこと。
【答案例3】
好きな人からバレンタインのチョコをもらえるなんて夢のようだったから。
順番に見ていきましょう。
【答案例1】は、「しずかちゃんからの好意が伝わってきた」の1A②点+「うれしかった」の3③点=5点です。
【答案例2】は、「チョコを食べられる」ことと「チョコをもらえた」ことは意味が違うので1A無得点+「最高だった」は気持ちではないので3も無得点=0点です。最後が「こと」になっていて文末ミスもありますが、0点から減点することはできないので0点のままです。
【答案例3】は、「好きな人からバレンタインのチョコをもらえる」の1A②点+2③点-「しずかちゃん」がないことによる1点減点=4点です。「夢のようだった」は気持ちとしてカウントできないので、3の得点は与えられません。
以上のような感じで採点してみてください!
子どもたちも一生懸命書いています。目くじらを立てる必要はありませんから、おおよその方向性が合っていれば加点してあげてくださいね。
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