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ムービング

あらすじ
チョンウォン高校に通うボンソクは、やや太めでおっとりしており成績も良くないが心優しい男の子だ

そんなボンソクのクラスにヒスという名前の転校生がやってくる、活発で意志の強いヒスと真逆のボンソクだったが、ボンソクは彼女に少しずつ惹かれていき、ヒスもまた優しいボンソクに惹かれていくのだった

2人が穏やかな学校生活を送る中、ボンソクの母でトンカツ屋を営むミヒョンと、チキン唐揚げの店を営むヒスの父ジュウォンは、最近次々と起こる謎の殺人事件に注視していた…

ある日ヒスはボンソクが気持ちが高ぶると宙に浮いてしまう事、そしてそれを周囲に悟られない為に大量の重しを身につけている事を知ってしまう
母ミヒョンに絶対人に知られないようにと、幼い頃から繰り返し言われきた秘密をヒスに知られてしまい、落ち込むボンソク
しかしそんなボンソクにヒスは驚くべき秘密を打ち明ける
ヒスは怪我や骨折をしても、瞬時に再生回復が出来る特殊な体質の持ち主だった…

ボンソクとヒスは少しずつ国家権力の企みの中へと巻き込まれて行く…ボンソクの両親とヒスの父ジュウォンの過去とは そして異能力とは
国の対立に利用される特殊工作員達の運命は
多くの人の運命はボンソクとヒスの通うチョンウォン高校へと集約されて行くのだった…


(物語の重要な箇所と結末に触れています)

このドラマの大きな見所のひとつに、異能力者達の激しいアクションシーンがありますが、そこには死闘、という言葉以外見当たりません
その死闘は己達の守るべきものの為であり、彼らはその守るべきものへの愛の為に、どんな危険も顧みません そう、このドラマの根底には愛という大きな河が流れており、僕はこのドラマを観ながら何度も何度も涙しました 

このドラマは巨額の制作費をかけて驚くべき映像を目の前に繰り広げて行きますが、このドラマの大半を占めるのは主要な登場人物たちの日常の風景です 一見それは単調にも思えるのですが、そこにこのドラマの最大のテーマがあると僕は思います

異能力者たちはその人並外れた能力のせいで、常に他人との間に疎外感を感じ、生き地獄のような孤独の中で人生を送っています
そしてその忌まわしい能力によって、国の秘密組織に認められて暗躍しても決して孤独は終わる事はなく、自分たち異能力者の事を国も化け物、怪物と恐れ蔑んでいるのを彼らはちゃんとわかっているからです

彼らは世間で生きる多くの人が、当たり前のように享受している普通の暮らしの中の平凡な幸せに憧れ、自分達もそこに必死に順応しようとします だけど残酷にもあれほど夢見て憧れた、普通の暮らしの中の普通の暮らしの人々に彼らは恐れられ、拒絶されてしまう…
それは悲劇としか言いようがないのですが、彼らはそれでも決して自分と自分の愛するものの幸せの為に諦めません

このドラマは異能力者たちが、自分の信じる幸せに向かって懸命に生きる姿を描いています 
少々漫画的な秘密組織の人間のヴィジュアルに、最初は抵抗があるかも知れませんが、このドラマは人生経験を重ねていくにつれ、自分にとって何が大切なのかを内省するようになる年代に最も刺さるドラマではないかと思います

それにしても空を飛ぶ能力を持つボンソクの父、ドゥシクの飛行シーンのカッコ良さと言ったら…覚醒し、父のように空を飛ぶボンソクの姿も含めて近年の映画やドラマの中でもこれほどの飛行シーンはなかったのではないかと思うほどでした この場面だけ観たとしてもこのムービングを観るのをやめられなくなってしまうと思います

回収してない伏線を、続編を匂わせながら提示して終わるところもなかなか…本当に凄いドラマです
自分が愛すると心から思える人と観るのがこのドラマの一番ベストな観かたかも知れません 僕もいつかきっと(笑)

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