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人間は何のために生きているの?

今回は「人間は何のために生きているのか?」と何とも哲学的なお悩みをお持ちの30歳女性からのご相談。
信用金庫職員という安定した職に就き、友達も多く家族仲も良く彼氏さんもいる。
それなのに時折言いようのない虚無感に襲われると仰います。

こういう時に寅さんなら、「生まれてきて良かったなって思うことが何べんかあるじゃない。そのために人間生きてんじゃねえのか」(第39作「寅次郎物語」より)とサラッと答えると思うのですが、そこまで人生を達観できていない私からは別の答えを差し上げます。
まずはご相談文から。

フェル先生。
30歳女性です。大学を卒業して地元の信金で働いております。
両親と公務員の弟がいる4人家族です。30歳ですが親と同居しています。
毎日普通に暮らしていて、仕事を辞めたいとか、友人が少ないというわけではありません。
家族も仲が良い方だと思います。彼氏もおります。
でもときどき夜になると、強い虚無感に襲われます。
このまま生きていて何になるんだろう。
結局死んでしまうのに、生きている意味があるのだろうか
必死に働いているのに報われない。
結局人は信用できない。
彼氏も最後は裏切るかもしれない。何のために一緒にいるいのか分からない。
友達は結婚して子供もできてるのに、私だけがずっと一人で生きていくのかもしれない。
こんなことを考えてしまいます。
なぜこんなに虚無感に苛まれるのでしょうか。
私の人生には大きな目標もありません。
人間は何のために生きているのですか。
30歳 女性 信金職員 亮子

人間は何のために生きているのでしょう。
実に難しい問題です。本当に我々は何のために生きているのでしょう。
人にはそれぞれに「天命」というものがあります。
天から与えられた、一生をかけてやり遂げなければならない重い重い命令です。
政治家になって国を動かすことが天命の人もいれば、美味しい料理を作って人を喜ばせることが天命の人もいる。人それぞれです。優劣はありません。
ですがこの天命とやらを見つけるのが非常に難しい。
多くの人は、自身の天命が分からぬままに死んでしまいます。
そもそも天命などというヤヤコシイことなど考えもしない人が大半です。
亮子さんも「五十而知天命(五十にして天命を知る)という言葉を聞いたことがあるでしょう。論語に出てくる言葉なのですが、孔子のような偉い思想家の大先生でも、五十歳になって漸く自分の天命を悟ったのです。凡人の我々が、難しい天命などそう簡単に悟れるはずなどありません。

ではどうすれば良いか。
亮子さんが苛まれている虚無感の中にヒントがありそうです。

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