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多彩すぎて実像が掴めないブリットレイブミクスチャー 「Everyone You Know」 【ANTENA #11】

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※投稿時点

 ロンドン出身のRhysとHarveyによる兄弟ユニットで、HIP-HOP、パンク、レイブ、エレクトロなどに影響を受けたミックスは、現代風なミニマルセットの中で90年代のミクスチャやプロディジーを彷彿とさせる激しさを持ちながら、ブリットポップのメロディをかますという非なるジャンルを混ぜ込むという、まるでDJが色々なジャンルをミックスしているかのような多彩な音楽性を感じさせる。

2018年頃から活動を行い、アルバムは未発表だが2枚のEPと多くのシングルとリミックスをリリースしている。

散りばめられたSg.曲を再生させていると、次の曲へ行く毎に
「アーティスト、変わった?」と思ってしまうほど実像が掴めないぐらいの多彩さを魅せる。

 彼らのサウンドで一番最初に気になったのはドラムンベースと、ラウドなラップが組み合わさったら間違い無いでしょと感じるエイジアン・ダブ・ファウンデイションよろしくな「The Drive」。
それ以外にも聴き進めてみると「She Don’t Dance」についてはダンスポップのような艶やかさを見せてくれたり、
さらにはブリットポップを彷彿とさせる伝統的なメロディの「Our Generation」のようなサウンドも作ることもできてしまうわけだ。
あー、怖い笑

 ちなみにラウドといっても、当時のヘヴィロックのような重さではなくレイヴや、ダブなどのグルーブを基調にしているから一番親しいのはプロディジーなのかもしれない。
ちなみに一部の曲のラップを聴いていると、リンプ・ビスキットのフレッドダーストやマイク・スキナーをどうしても思い起こしてしまいます。

それでいて、ロックなナンバーを聴いているとカサビアンのようにも出来てしまうところがこのアーティストの底知れぬとこだろう。

彼らのインタビューでは、90年代のHIP-HOPシーンからの影響と、プロディジー、アークティックモンキーズ、ザ・ストリーツなどが挙げられており、近しいとはいえ90年代ミクスチャーのように聴こえてしまう時があるのは、世代が一巡したことで不思議なつながりを得てしまうという、音楽の面白いところなのかもしれない。

 しかしここ最近の発表曲は、少しガラージやポップに寄った曲が多くなり、まるでFMで流れるおしゃれ音楽のようで個人的に引っかかった“ブリット・レイブ・ミクスチャー“感を出していたロックさはひっそりと抜けてしまった。
それにしてもSpotifyを見てると、とにかく発表曲やRemixが多くかなり精力的に活動しているようだ。

 2019年にはレディング&リーズフェスに出演したり、リーボックのブランドアンバサダーと大きく活躍の場を拡張している。
アーティスト写真にもある通り、きっちりユナイテッドとQPRのファンとのことらしく、写真までユニフォームで写らんでもいいじゃ無いかと思うが、サッカーも好きな自分にとっては、そこも含め興味深いアーティストだなと思うわけです。

多彩すぎてこれと言うのが掴みづらいのですが、90年代を通過してきた人にはぜひ聴いてもらいたいアーティストですね。

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