JS「みんなでお揃いしよ!持ってこないやつハブな!」

どうでもいいのだけど、“女子の連帯感”とやらが個人的に良い方に向かった体験がある。
小6だったかな、だんだん皆発育が良くなってきて保健の先生が学年の子何人かたちに「そろそろスポブラを始めた方がいいよ」と言ったらしく、
体育後の女子更衣室でその話になった。

ブラジャーというものが当時我々には“大人のもの…!“という憧れがあるがなんか気恥ずかしい、手の届かない存在だったんだよ。自分で下着含め服を買う、なんて子いなかったし。
ちらほら着けてる子はいたんだけど、乳首が浮いてきたままの子もまだ多くいた。
そんなある日、元気めのグループの子が言い出した。

「よし、じゃあ次回の体育みんなスポブラ始めようぜ!」
「おぉそうしよ!つけてこなかったらハブな!」
「みんな絶対買ってもらってこいよー」


多分、実際はつけなくてもハブられることはなかったんじゃないかと思う。私の学校では大半が本来の意味のサバサバ系だったし、(サバサバ系という言葉がクラスで出現したばかりの時期…!)
今考えると男勝りな子ばかりだった気がする。女子も男子も均質な空間。女性性や男ウケとかいう概念は少し気恥ずかしいものだった。
だからか、この「ブラをつけねばハブ」という言い訳がとても嬉しかったの…!私も、母親にスカートを買ってくれというのすら恥ずかしい子供だったのだ…!

多分私だけじゃなかった様子。帰りのHRが終わって、友達と下校するときに「スポブラの話…どうする?」「買ってもらわなきゃだね…ママに言わなきゃ」などとお互いに「いや私はどうしても欲しいとか憧れとかないんだけど〜〜ああいう話になったし〜〜ね〜?」というオーラを出しあい謎の高度心理戦の上、帰宅。


家に帰ってしばらくそわそわして言った。

「ママ、ブラジャーつけた方がいいって先生に言われたの!」
先述の通りスカートを穿くことや、親戚に愛想を振りまくことすら嫌で、女性性を自分で選ぶのが嫌なタイプだった子供なので言い出すのに時間がかかった。
からかわれたらどうしよう恥ずかしい…!って思ってひやひやしてたけど

母親は新聞から目を離さず「んーまだいいんじゃない?」と返してきて、
私はここで、

(言ったろ!)


「でも今度つけてかないとハブるって友達が…!」


この言い訳がねーすっごい心の支えというか自分的に助かったのよね。


後日の体育の時間、みんなスポブラを買ってもらった。なぜかみんな着けてきたのを見せ合った。なんか嬉し恥ずかし、みんなで大人になったな…!という階段を登った。



あれから約20年、今は超絶セクシーな自分になれる下着を通販で買っています。


という話でした。




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