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時計作家からフェルト作家へ そして織にはまる

前回の続き。


テキスタイルが何なのかもよくわからずにとりあえず専門学校に入学。
ここで私は意外にも織物にはまってしまう。
織が面白くてスポンジのように技術を吸収していった。
ところが、卒業制作に取り掛かろうかというときに壁にぶちあたる。

何を作ればいいんだろう?

今思えばデザインに振ってもいいしアートに振っても良かった。
それがまた悩む。

デザインとアートの違いって何??

テクニックは学んだのに一番最初の所が分からない。
作りたいものってなんだろう???

卒制は何とか無理やりひねり出し、インスタレーション的な作品を作った。
私の心はもう織に向かっていた。

もっと織りたい。
身に着けるものではなく立体的なものを織りたい。
空間を包み込むような大きな作品を作ってみたい。

自分が作りたいものを作れるのは美術大学かなと漠然と思い始めた。
デッサンは描けないが、学士は取得済みだったため、一か八かで武蔵野美術大学の大学院を受験。


運良く一発合格。


しかも、面接の時に持って行った作品(フェルト作品)をいろいろな公募展やコンテストに出してみたら全部入選。
突然、今まで一つも持っていなかった作家としての後ろ盾を3つゲットしてしまった。


この時に一生分の幸運を使ってしまったのかもしれない。


兎にも角にも私は大きな立体的な織物を織るという希望を胸にムサビの門を叩いたのだった。


続く

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