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古河電工、データセンタ向け水冷モジュール製造向上をフィリピンに新設

最近はフィリピンでのデータセンター関連の記事が続いてます。生成AI市場とサプライチェーンの再構築あたりが軸になっている様子です。


■古河電工、データセンタの進化を支える水冷モジュール製造に本格参入

・古河電気工業は、平塚工場とフィリピンのLaguna工場団地内に、データセンタ向け水冷モジュールの新製造工場を設立。この戦略的投資により、「国内拠点における設計開発力の強化とBCPを踏まえた多拠点による生産体制の整備」を実現し、急成長する生成AI市場とデータセンタの高性能化需要に応える体制を構築する。

・新工場の稼働開始は2026年10月を予定しており、水冷モジュールの売上は「2026年度60億円、2027年度250億円」を計画。この積極的な事業展開により、古河電工は「生成AIの普及を支えるデータセンタの進化に貢献」し、通信インフラ分野における自社のポジションを強化する狙いだ。

・新設される製造拠点は、日本の平塚工場が1,911m2、フィリピンのFTL水冷工場が16,406m2の延床面積を有し、「スコープ1・2の温室効果ガス排出量はゼロ」となる環境配慮型の施設。この取り組みは、古河電工の持続可能な製造プロセスへのコミットメントを示すものとなっている。

■知っておきたい!データセンタの冷却技術:空冷から水冷へのシフト

・データセンタの冷却技術は、従来の「ヒートシンクにファンで風を送って放熱する空冷方式」から、「流路を設けたコールドプレートを素子面に搭載して水などの液体を循環させて熱を回収する水冷方式」へとシフトしつつある。この変化は、データセンタの高発熱化に対応するための技術革新の一環だ。

・水冷方式の採用は、「生成AI市場の著しい成長を背景に、データセンタの高発熱化に対応する高性能なヒートシンクへの要求」が高まっていることが主な要因。水冷方式は空冷方式と比較して、より効率的に熱を除去できるため、高性能コンピューティング環境に適している。

・古河電工は、「従来の空冷方式に加えて、水冷方式によるソリューションについても研究開発を行っている」ことを明らかにした。この取り組みは、データセンタの冷却技術における最新トレンドに対応し、市場ニーズに応える製品開発を推進する同社の戦略を示している。

■環境に配慮した製造拠点:古河電工の再生可能エネルギー100%への取り組み

・古河電工のフィリピン工場(FTL)では、「使用する全ての電力が再生可能エネルギー由来の電力」となっており、新設する製造工場も含めて「スコープ1・2の温室効果ガス排出量はゼロ」を実現。この取り組みは、製造業における環境負荷低減の先進的な事例として注目される。

・日本国内の平塚工場においても、「使用する全ての電力について再生可能エネルギー由来の電力を導入し、スコープ2の温室効果ガス排出量はゼロとなる」計画を発表。これにより、古河電工は国内外の主要拠点で環境に配慮した製造体制を構築することになる。

・この再生可能エネルギー100%への取り組みは、「高性能・差別化製品の提供により、成長著しい通信インフラ分野の発展に貢献」するという古河電工の事業戦略と環境への配慮を両立させるものだ。持続可能な製造プロセスの実現は、今後の企業価値向上と競争力強化につながる重要な要素となるだろう。

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