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赤い薔薇、白い薔薇

 私の友人にカラオケハウスのママがいる。彼女の50歳のバースデーに、いつもの飲み仲間数人で、50本の薔薇の花を贈ろうと話し合った。花屋で買うのとは違って少しは安くつくので、私が仕入れからラッピングまで担当した。一緒に贈る仲間の中に男友達がいて、彼女に贈るのなら「赤い薔薇?白い薔薇?」と相談した。すると「もちろん赤い薔薇。」との答えが返ってきた。私は彼女が白が好きで普段から白い洋服を着てることを知っていただけに迷っていたが、ある意味、彼の彼女に対するイメージが知れた瞬間になった。ふふふ…そうなのね。花束を受け取った時の彼女の満面の笑み。女性はいつだってお花を贈られることが大好きだ。

 私にも、50歳の誕生日(私の場合は日本語で)に、薔薇の花を50本贈ってくれた人がいた。宅配便で届いた大きな箱を開けてびっくりした。白い薔薇が50本。贈り主は娘の旦那さん、私にとってのお婿さんだった。その時見た50本の白い薔薇の美しさと驚きを私は生涯忘れることがないだろう。また、私は白い薔薇であることが嬉しかった。ピンクでも、アソートでもない、真っ白な薔薇。私はこんなに優しい心を持ったお婿さんが愛しかった。けれど、ショックなことに娘達は離婚してしまい、私と彼が会うことは、もう二度とないだろう。
 人は人と出会い、縁を結んでいく。その中で、どんなに大切に思っていても上手くいかない仲もある。予期せぬ事で断ち切れる縁もある。だからこそ、後悔がないように自分に正直に相手と向き合っていきたい。
最期まで『一期一会』で生きていきたいと思う。

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