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「&」2巻刊行記念!おかざき真里スペシャルインタビュー!《アンコール掲載》

※2011年5月 FYnetに掲載された記事を修正のうえ再掲したものです。

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おかざき真里先生の大人気連載「&」の2巻が早くも発売!

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【あらすじ】


医療事務として働くかたわら、ネイルサロンをはじめた薫。
男性に触れられるのが苦手、そんな彼女が自ら触れたいと願ったのは、
勤務先の病院の医師・矢飼。
お互いに惹かれつつある2人だが、矢飼の〝過去〟と〝迷い〟が彼の気持ちの邪魔をする。
そしてもう1人、大学の頃より一途に薫を慕う
後輩・シロちゃんの想いも絡まり合ってーーーー。

「ときめいた!」「胸につきささった!」「興奮した!」と、
数々の反響をいただいた矢飼と薫の恋の行方は?
そんな、恋があふれ加速する「&」2巻について
おかざき真里先生の突撃インタビュー!!

編集(以下:編):2巻の発売おめでとうございます。
「&」も早くも連載スタートから1年が経ちました。
振り返ってみていかがですか?

おかざき先生(以下:お):ありがとうございます。あっという間です・・・。まだまだ掴めていない部分があって、でも話はどんどん動いていくし、もっと動かさなきゃいけない気もしているし、毎回あわあわしています。

編:そうなんですね。
編集部としてもこれからの展開は本当に楽しみです!
では次に、2巻の見どころ(読みどころ)を教えて下さい。

お:み、みどころ・・・。
いえもう常に精一杯で。読まれた方に「ここが見ごたえありました」って、(あれば)、教えて頂きたいです・・・。

編:それは編集部も知りたいところです!(笑)
「ここがっ!」というたぎる想いがある方、ぜひ編集部ツイッターアカウントや、メールアドレス(feelyoung.henshu@gmail.com)まで!


編:毎回素敵な扉イラストはため息ものですが、
各回のカラー扉のなかでお気に入りはありますか?

お:扉ではないのですが、「なかったことにします」というひまわりの絵は気に入っています。
へんてこなのが描けました。

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あと、カラーではないのですがNumber.11の扉。
これはスタイリングがすごく好きなある映画に、もしお医者さんが出てきたらどういう感じかな?と思って描きました。

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フィール・ヤング2011年4月号掲載

編:その映画、気になります…。
扉といえば、Number.9の扉絵、ティッシュで形づくられた花がとても綺麗でした。
こちらはどんな経緯で出来上がったのでしょうか?

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フィール・ヤング2011年2月号掲載

お:もともといろんなものを使って絵を描いていましたので、なんとなく。
サプリはものすごく現実的な設定だったので服とかそんなに遊べなかったのですが、「&」はもうちょっと遊んでいいかなーと思いまして。これからも遊びたいです。

編:楽しみにしております!カラー扉は単行本ではモノクロに
転換されてしまうので、ぜひ雑誌でご覧いただきたいですね。
おかざき先生の〝遊び〟をお見逃しなく!
さて、ツイッターをはじめ、反響が大きかったNumber.8。
大きな盛り上がりをみせた回だと思うのですが、おかざき先生はどんな思いで描かれたのでしょうか?

お:あれはもう、ものすごくものすごく自信なかったです。
描いては消し描いては消し。原稿も実は修正だらけです。
あげくに、原稿渡してから「やっぱり後半落とさせてください!」って
担当さまに懇願したりしました。本当申し訳ありませんでした。
こういう展開は最初から決めていたのですが、どういう塩梅でお見せするかものすごく迷ったんです。まったくエロスなしで見せる方法とか・・・
逆にもっとえげつなく見せようか、とか。
あ、百戦錬磨の担当さまに「ネームで照れたのは初めてです」って言っていただけた回でもありました。

編:他の編集スタッフもすごくドキドキしていました!
そんな注目の回もありつつの2巻収録分のお話のなかで
一番思い入れがあるお話などはありますか?あれば理由もお教え下さい。

お:思い入れ・・・毎回どれもあわあわ思い入れている回ばかりですので、
これ!というのは特にないです。

編:なるほど。そのおかざき先生の思い入れをぜひ皆さんビシバシ感じて下さい!
また、「サプリ」連載時より、女子の心をうつ台詞の名手であるおかざき先生。
2巻でお気に入りなどはありますか。

お:「フィーヤン編集部では『私の手取りいくらか知ってる?』でした。男の人に言いたくて言えないことを言ってくれたっ!という意見多数でした。」と言われましたのでこの台詞について。

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&2巻、Number.11より

これはもともとネームにはなくて、もう少しダラッとした台詞とコマワリだったのですが、「この辺で見せ場がガツンとほしいな、大ゴマ入れたいな」と思って入れたシーンです。
なんかね、やりがいとかやる気とか言いますけれども、その前に知ってるんかいな、現実だぞこれはみたいな。
あと気に入っている台詞は「永遠に『このまま』が続くかもしれない不安」です。
この実感は私の中で今までもあったし、これからもあります。
でも「日常」ってある日いきなり崩れるわけで。

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&2巻、Number.11より

それと端っこの言葉ですけれど、矢飼が女子に言う「とっとと仕事するか妊娠でもしてろ!」です。これも元のネームにはなかったの。
アシスタントしてくれている若い女子が、「この台詞、くるわ~」と言いながら消しゴムかけてくれていました 笑。

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&2巻、Number.11より

編:1ページ1回はくる台詞があるといっても過言ではありません!


編:カバーイラストについても少しお聞かせ下さい。
毎回、紋様の元となるイラストをおかざきさんに描き下ろしていただいていますが、今回〝魚〟にした理由などありますか?差し支えなければお教え下さい。

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お:これは、デザイナーさんと次どうしましょうか的なやり取りをしていて
なんとなく浮かびました。私がよくモチーフにしていますね。

編:〝魚〟はおかざき作品で多く見かけるので勝手に最終巻かな?なんて思っておりました。(笑)
そして、質問はいきなり飛びますが、初めて漫画を描いたのはいつですか?

お:ノートに描いたのをクラスのみんなで回覧・・・という意味での漫画は
小学校5年生のころでした。クラスのみんなを出して、「999」のパロディを描いていました、鉛筆で。
商業誌にはじめて描いたのは、16、7の頃だったと思います。
イラストのコンテストに入賞して、入賞者は漫画描いてもらいますみたいな感じで急遽道具をそろえた記憶が。

編:高校生の頃ですね。その頃も今もネームに悩んだりされることと思いますが、行き詰まった時どうしますか?

お:しょっちゅう行き詰っております。詰まらないネームはない!くらい。
日常なので、もうどうしようもないです。
がんばって「自分は大丈夫このままで大丈夫」と言い聞かせて、一コマ一コマ進めます。

編:そうして一コマ一コマ進めて、作画して、仕上げて……
原稿があがった時に一番最初に思うことは何ですか?

お:「次どうしよう!」です。

編:安堵や解放感より先に次回へに不安なのですね。
そんなふうに積み重ねてこられた漫画家生活も17年目となり、
今後の目標などあれば教えて下さい。
また、デビュー当時と比べて、変わったこと、変わらないことがあればお教え下さい。

お:この前とあるトークイベントでとある方から
「おかざきさんはデビュー直後から「サプリ」に至るまで変わってないですね」と言われてすごくそうだ、と思いました。ずっと同じことを描いているの。
それは「&」に至っても。たぶんとあるひとつの事をずっと描いていくんだと思います。手を変え品を換え。
目標は・・・みなさんに少しでも楽しんで頂ければ。
それと少しでも長く健康で描き続けられれば。
ほそぼそと、描き続けていられればシアワセです。

編:ぜひ末永くよろしくお願い致します。
おかざき先生が今、いちばん欲しいものって何ですか?

お:自信。

編:ズバッと一言ですね。私も欲しいです。(笑)
また、最近新しくハマったものなどあれば教えて下さい。

お:と、とくにないです・・・。

編:お忙しいですものね。いきなりすみません。
作品に度々出てくるなど、麻雀がお好きなおかざきさん。
お母さん業と漫画家業でお忙しいかと思いますが最近はどのくらいの頻度で打たれていますか? また、好きな役があれば教えて下さい。
実は覚えようと思って取り組み始めたばかりなのです…。

お:まったく打てておりません!雀荘なんてもう何年も行っておりません。
どなたか無理やりさらってください。「雀荘にさらわれたい姫」状態です。
好きな役は、役満全般です。でも毎回四暗コウねらいのニコニコ崩れのトイトイのみ、という見も蓋もない展開に。生まれてはじめてやった麻雀で「純正九連宝灯」あがったことだけが自慢です。しかも矢飼のモデルになった人物から 笑。

編:おー!矢飼先生のモデルさん!!いつかお目にかかりたいです!
ではでは、最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

お:読んで頂いてありがとうございます。
私は漫画というのは「作者と読者の共犯関係」でできていくものだと思っております。
がんばって描きますので、漫画が下手な描き手ではありますが、
どうぞご参加くだされば幸甚です。

編:ありがとうございました!
「&」2巻は大好評発売中!!
恋してる方も、最近恋から遠ざかっている方も、というか、全ての女性に読んでいただきたい1冊です!!!(もちろん男性も♡)
よろしくお願い致します。

(取材:2011年4月末)

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