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【2023年ジャズ】Alive at the Village Vanguard / Fred Hersch & Esperanza Spalding

目を閉じると、かつてやっていたジャズクラブを思い出します...。

こじんまりとした広さにほどよく人が入っている。久しぶりの再会をよろこぶ声、世間話を交わす者、飲み物のオーダーにうなずくウエイター。徐々に明かりが落とされ、客席のテーブルライトが映える。客席後方から静かにステージに向かうアーティスト。

着席するやいなや弾き始めるピアノ。挨拶もなくボーカルが乗ってくる。ささやき声や食器の音はまだ残っている。2コーラス目になると客席の目と耳はステージに向けられ、やがて1曲目が終わり一瞬の静寂のあと拍手。

ステージと客席はそんなに距離がないので、アーティストの息遣いもピアノの打鍵音も聞こえてきそう。緩急自在で豊かな歌声と小粋に絡むピアノが、あたたまってくる客席の熱気と合わさって会場全体がひとかたまりになる。

本来ベースも達者なEsperanza Spalding(エスペランサ・スポルディング)が、ヴォーカルに徹して空間と時間を満たしてくれます。灯りを落として、はじまりはチェット・ベイカーの歌声で知られるガーシュインのスタンダード「But Not For Me」。

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