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「悪い円安」とドル建養老保険の行方

円安ドル高が止まらない。
1ドル140円の大台に乗ったのは24年ぶり、山一證券などが経営破たんした金融危機以来のことなんだそうだ。
そして「悪い円安」(デメリットの方が多い円安)と呼ばれる現在の状況は、24年前の金融危機前夜の状況と非常によく似ているのだとか。

そんな危険なムードならば、早急に気にすべきは保有株の方なのだろう。
しかし最近の私は、ドル高が財布を直撃中のドル建養老保険のほうがどうも気になってしまう。
独身時代から積み立てているこの養老保険は、60歳まで地道に積み立てて、満期保険金を年金で受け取るつもりでいたのだが・・・。

契約中の養老保険は、月150ドルが2本(計月300ドル)。
1ドル110円前後の頃に積立を開始し、以降多少の円安はあったものの月々の支払いは3万円台に収まっていた。
ところが円安が進んでいる今は、軽く4万円をオーバー。
預金通帳に印字された4万円台の数字を見るたび、払込済にしてしまおうか、それとも解約しようかと思い惑ってしまうのだ。

そんなある日のこと。
久しぶりに保険の担当者から電話がかかってきた。

「現在、かなりの利益が出ていますので解約をご検討されませんか?」

まさかの提案だった。
保険屋が商品の解約を勧めてくるとは。

そこで私は、半信半疑で聞いてみた。
「払込済にするのと解約とではどちらがお得ですか?」
すると
「140円台であれば、解約のほうが利益が大きいでしょう」
と言う。

けして悪い人ではないので、純粋に顧客のためを思って勧めてくれているのかもしれないが、何か事情があるのかもしれない。
だからと言ってこちらが損をするわけではないが・・・。

解約することで手数料が入る、というのはあるだろう。
もしかすると、解約させて別の商品を勧めたいのかもしれない。
或いはドル高のままずっと積み立てた後、長期に渡り円で年金を受け取られると、保険会社にとっては痛手なのだろうか?

ちなみに今の解約試算額はこちら。

払込保険料:約660万円

解約返戻金:約66,000ドル

利息とドルコスト平均法の恩恵で、単純に1ドル100円の平均購入単価。
仮に1ドル140円で解約すると、受取額は円換算920万円、利益は260万円にもなる。(税・手数料無視)
これには相当グラッときた。

しかし巷には140円は通過点に過ぎず、年内150円という噂もある。
さすがにそれをアテには出来ないが、ドルが1円上がるだけで6万6千円の儲けが出ると思うと、今すぐの解約を躊躇してしまう欲まみれの私なのだった。

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