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カルドハイム環境のタイヴァー・ケル考①

■はじめに

 カルドハイムの発売まであと数日。
 MTGアリーナではすでに実装されており、極寒の次元を楽しんでいる方も多いかと思います。
 今回はそんなカルドハイム環境で新PWのタイヴァー・ケルを色んなデッキで使い倒してみたのでそのレポートとなります。

■タイヴァー・ケルの能力

 まずタイヴァー・ケルの能力を確認しておきましょう。

タイヴァー・ケル

 初期忠誠度は3とやや低め。奥義をまで3ターンはかかるので、戦場に出す時は奥義を狙うのか盤面維持として使うのかしっかりと考える必要があります。


 常在型能力として自分がコントロールするエルフを黒の1マナクリとして扱うことができるようになります。
 +1はエルフ1体に+1/+1カウンターを置き、アンタップし、ターン終了まで接死を付与。強化とアンタップのタイミングが微妙にちぐはぐなので使うときは注意です。
 0で緑1/1のエルフ戦士トークンを生成。エルフとシナジーを持つカードが盤面にあるときは使っていきたい能力です。
 -6の奥義は紋章。エルフ呪文を唱えるたび2ドローとそのエルフが速攻を持つようになります。

 完全に部族シナジーをメインとしたカードなのでクリーチャーの大半はエルフにしないといけない縛りがありますが、カルドハイムにて多相(全てのクリチャータイプ)を持つカードも実装されているので、思った以上に構築の幅は広いです。
 色も基本は緑かゴルガリ(黒緑)になりますが、多相も含めると一応緑が絡むならどの色でもデッキを組むことはできます。
 今回は緑単、ゴルガリ(黒緑)、セレズニア(白緑)、グルール(赤緑)、シミック(青緑)の5種類デッキを作ってみたので、そちらは後日紹介します。

■タイヴァーデッキで使うカード

 まずクリーチャータイプは基本的にエルフか多相の戦士となります。
 仮面林の結節点というカードで全クリーチャーをエルフにすることもできますが、流石にロマンが過ぎるので現状は試していません。
 とりあえずエルフと多相の戦士の各色クリーチャー数は以下の通り。

・エルフ
 黒 :10枚
 緑 :22枚
 多色:4枚

・多相の戦士
 青 :4枚
 緑 :5枚
 多色:1枚
 無色:1枚


 上記のように八割方黒と緑に集中しています。
 ですので、特にこだわりがなければ黒か緑を中心に組めばそれなりに安定したデッキができあがるはずです。
 あえて白・青・赤を混ぜる場合はフィニッシャーや他に使いたいカードがある場合です。たとえば青なら打ち消しとか。
 ちなみに白と赤は緑を含む多色のエルフが各1枚ずつ存在するだけで多相も少ないので必然的にエルフ以外の採用率が高くなります。


 とりあえず色んなデッキを試してみたところ、どんなデッキでもとりあえず入れておいて損はないカードがこちら。

・スケムファーの報復者

スケムファーの報復者

 2/3/1とアグロに向きで全除去されてもドローに繋げてくれる、継戦能力の高い一枚。
 とにかくドロソが少ないデッキになりがちなのでとても重宝しました。
 ただしフィニッシャーにはならないので、安定してデッキを回すためのパーツといった印象ですね。

・エルフの戦練者

エルフの戦練者

 100%4枚積んどけカード。
 序盤は横展開を支え、終盤は7マナでフィニッシャーになれる。しかも伝説じゃないので横並び可能。もう全部こいつでいいんじゃないかと思わせてくれる強力な一枚です。
 最悪このカードさえあれば試合を決めきれるというパターンも多かったので、どの色を使うにしても確実に採用されるカードです。

・梢の戦術家

梢の戦術家

 4/3/3のエルフロード(自分以外のエルフクリーチャーを+1/+1修正してくれるクリーチャー)。
 セットブースターのカードなのでワイルドカードを使わないと手に入らないのですが、とりあえず2枚ほどあれば十分です。
 ロードとしての役割はもちろんですが、タップで緑3マナが出るのでタイヴァーの+1アンタップ能力と組み合わせると土地+6マナ分の動きができるのでエルフ以外をフィニッシャーとして採用している場合この動きがかなり強力でした。


■エルフ・多相以外のカード


 タイヴァー・ケルは明らかにエルフシナジー以外の使いみちがなさそうなんですが、エルフ・多相以外のカードで有用なカードってあるんでしょうか?

 あるんです。

 MTGは「この色使うならこのカード入れときゃアド」みたいなパワーカードがそこそこ存在するので、メインとなるカードとシナジーが薄くても普通に入れ得なカードがあります。


・巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス

巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス

 カルドハイム次元に突然襲来したファイレクシアンさん。6/6/6トランプル速攻とフィニッシャー並の働きをしてくれますが、今回注目したいのはカウンター2倍の方。
 ヴォリンクレックスが出た後にタイヴァーを出せば忠誠度6で戦場に出ることができるので即奥義が使えるようになるんです。
 もし4T目にタイヴァー、6T目にヴォリンクレックスだったとしても6T目に忠誠度7まで伸ばすことができるので奥義を使いつつ戦場に残ることも可能です。特に黒のエルフを多めに採用したデッキの場合は戦場に出した速攻持ちエルフが即マナクリとしても使えるようになるのでエゲツない展開力となります。


・グレートヘンジ

グレートヘンジ

 エンバレスの宝剣と並んで典型的な「出せば勝ち」な一枚。
 エルフデッキの場合は小粒クリーチャーを横展開する場合が多いので、僻境生まれの保護者を育てて出すのが一番簡単でした。
 グレートヘンジを出したら横展開しつつ雑に殴り勝てます。


・古き神々への束縛

☆古き神々への束縛

 公式カードギャラリーのカード名は束縛、表示されているカードでは拘束、MTGアリーナ上では束縛ともうどっちが正解なのかわからない一枚。翻訳チーム頑張ってください……。
 ヨーリオンスタックスとかで使われることの多いカードですが、タイヴァーデッキの場合は基本的に黒緑で色が合うので入れ得な一枚です。
 土地以外何でも壊せるというのが本当に便利で、メインから採用できるところがいいですね。
 地味に2章の森サーチがあるおかげで「森1枚しかなくてタイヴァー出せない」って状況も解決してくれます。

■まとめ

 本来ならこの後に各デッキの紹介もする予定だったのですが、5デッキの紹介と構築思想、実際の動きまで書くとかなり長くなってしまったのでそちらは別記事でまとめたいと思います。

 とりあえずタイヴァー・ケルをエルフ・多相中心で使い倒してみた感想としてはTier上位に食い込むのは難しいかな、という印象です。強いことには強いのですが、全環境の4Cオムベンチャーやディミーアローグ、上陸グルールみたいに先手でどうしようもなく勝てない盤面を押し付ける、という動きがなかなか難しいですね。
 とはいえランク戦でも5割前後はキープできているので、個人的にはこのままタイヴァーを使い続けていこうと思っています。

 そんな訳で今日はここまで。
 最後までお読みいただきありがとうございました。


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