ラブレター
【1】
あなたへ
拝啓 寒くなりましたね。どうしていますか?
突然、手紙を書きたいと思い立って、あなたが読んでいるこの手紙を今、書いています。
あなたと出会ったのは、桜が咲き誇り、咲き狂う季節でした。
正直。
桜の花びらがあなたの肩に舞い落ちた瞬間、一目惚れでした。
あなたの背の高さ。指の美しさ。あなたの声。
私にとって、毎日の終わりにかけてあなたと過ごす時間が、本当に貴重で、愛すべき時間でした。
いっぱいケンカをしましたね。
あなたのことが大好きだった。だけど、強がって、あなたに素っ気なくしたかもしれません。
私はあまのじゃくで、
あなたを思えば思うほど、あなたに弱さを見せられない、と思いました。
だけど。あなたが青春のすべてでした。
あなたは知らないと思うけど。
あなたに彼女ができた時、悲しくて淋しかったけど、悔しくはなかった。あなたが幸せだったらよかったから。
あれから長い月日を経て、私は今、ここにいます。
もう一度会えるのならば、
私はあなたのバイクの後ろに乗って、街の匂いを感じながら、生きている今を
そして
あなたを。
抱きしめたいのです。
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