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〇〇✖️〇〇 地域の人材を活かした取り組み

てごナースきたひろは

「〇〇✖️〇〇をよく思いつくよね

それって特技なんじゃない?」

としばしば言われます

今回はその1事例を紹介します

2021.5.北広島町某病院の病棟で新型コロナウイルスクラスター発生

患者、看護師、他スタッフの集団感染が確認された。患者は転院、看護師は感染病院へ入院となった。当然、病棟は保健所の指導の元、厳重な感染対策を開始した。病棟をゾーニングするなど初めての体験である。通常業務を行いながらの感染対策、ゾーニング、部屋替えなど慌しく経過する。スタッフは13名中4名が入院治療となり欠員である。残りのスタッフで日勤、夜勤を回さないといけない。急遽の勤務変化で夜勤を連続でする者もいた。感染対策の中、限られた人数での業務でスタッフは神経を擦り減らした。日に日に疲労の色が濃くなってきた。

てごナース動きます

そんな状況を知った私は何か支援が出来ないかといてもたってもいられなくなった。看護師なので臨時職員として助っ人に行こうかとも考えた。現実的に私の出来ることは何か自問自答する。新型コロナウイルスクラスター発生病棟。欠員での業務。想像するだけで疲労困憊なのは分かる。当然、毎日の残業だ。日勤で疲労困憊で残業して帰宅してからすること。スタッフは主に女性で主婦なのだからやることは決まっている。夕食の支度だ。あるスタッフは帰宅途中で食材を買うのも疲れていて出来ないと聞いた。当然、家では家族が帰りを待っている。

「夕飯の差し入れ!」「お好み焼きじゃ!」てごナースはひらめいた。家に帰って食べる物があるだけでも助かるはず。早速、知り合いの女性Aさんに連絡をとった。Aさんは私がてごナースきたひろを立ち上げてから賛同して下さった理解者の1人である。Aさんが「趣味はお好み焼き作り」ということを私は知っていたのだ。何度かご馳走になって、そのクオリティの高さも経験済み。

〇〇✖️〇〇

Aさんは自宅にお好み焼き部屋を自作している。鉄板は一度に五枚は焼ける大きさだ。私も何度か見学したことがあるが、その腕前は素人ではない。使う材料もプロ仕様だ。キャベツは自家製。お好み焼き作りが好き過ぎて、スーパーの惣菜売り場のお好み焼き担当を希望して3年働いたキャリアがある。週に一回は焼かないとストレスが溜まるという趣味。あくまで趣味。なので材料費などは全て自腹だ。「だって自分の趣味でしょ、趣味はお金がかかるもんだからね」Aさんは言う。今回の私の依頼の趣旨を伝えると二つ返事でOKしてくれた。自分の趣味がみんなの役に立つなら、自分も嬉しいと。元々介護士さんなので病院の大変さには理解があるし、話が早くフットワークが軽い。こうしてクラスター発生病棟✖️お好み焼きという企画が始まった。そうと決まれば話しは早い、Aさんが「いつ何枚必要?」と聞いてくれる。そして「1人1枚とか面倒くさいから家族分持ち帰りしたらどう?」とやはりAさんも主婦なので主婦の気持ちは分かる。勤務の都合があるから、みんなに渡らないと不公平にのる。24枚✖️2日分 計48枚の無償提供を申し出てくれた。

48枚配達

知り合いのスタッフに連絡を取り事情を説明した。師長に連絡して企画を受け入れてもらった。あくまで個人の趣味と善意なので食べるのは自己責任とすることは確認した。Aさんは毎週月曜日と水曜日がお好み焼き作りデーなので、それに合わせて作ってもらった。配達は私の担当だ。Aさん宅からお好み焼きを受け取り月曜日24枚、水曜日24枚、ともに夕方の仕事終わりのタイミングで病院に届けた。お好み焼き24枚入りの段ボールを師長に手渡す時に「遠慮なく家族分まで持ち帰って下さい」と伝えた。スタッフ皆喜んで持ち帰ったと聞いた。中には美味しすぎて「どこのお好み焼き屋のですか?」「お店のでしょ」と言う感想のスタッフもいたそうだ。普段、お好み焼きは食べない4歳の子供がペロっと食べたなど、家族の反応も上々だったようだ。またAさんの支援が嬉し過ぎて涙を流しながら食べたスタッフもいた。それくらい緊張感、緊迫感のクラスター発生病棟での勤務で精神的にも疲弊していたのであろう。クタクタになって帰宅して美味しいお好み焼きが食べられた。家族分も夕飯を作らなくて済んだ。涙が流れるのも無理は無い話しだ。後日、スタッフの代表者からAさんにお礼のお手紙が届いた。Aさんは「コロナでよくテレビで看護師さんの支援を食べ物でしているのを見てたけど、まさか自分がするとは思わなかった。私こそ嬉しい経験が出来たよ」と言ってくれた。

地域人材の活用 天邪鬼だから・・。

今回のクラスター発生病棟は私の妻の勤務先であった。そして、Aさんも知り合いで趣味特技お好み焼き作りというパーソナルデータが頭に入っていた。こうして直接は知らない両者を〇〇✖️〇〇で繋げての企画は実現した。思い立ったら即行動の私の行動パターン。何か困ってる人がいたらどうにかならないかとグルグル頭を回転させ捻り出す。自分の手には負えないことでも協力者に相談してみる。これが「私が〇〇✖️〇〇が特異能力、行動力がハンパない。」と言われる理由なのかもしれない。しんどい、辛い、下を向きたくなる。だったらこうしてやる! 天邪鬼だから仕方ない。                 そんな時こそ美味いモノ食べたら少しは軽減するでしょ。  終わり






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