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【ドイツ事情】助け上手、助けられ上手 #175

※ 音声はコチラ↓ stand.fm で平日の毎朝7時に配信しています。

Hallo zusammen!
Mein Name ist Hiromi Shirai.
『白井博士のドイツ語講座』へようこそ。
白井宏美です。

毎週水曜日はドイツ事情について私の体験も踏まえてお話しています。

先週の第170回では「食器洗剤の泡を洗い流さない!」というテーマでお話しました。

今日は、ドイツでは「助け上手、助けられ上手」というテーマでお話します。

ドイツで驚いたのは、男性がよく手を貸してくださることです。

たとえば、大き目のキャリーバッグを持って、駅の階段を上がろうとしていたら、後ろから来た男性が上まで持って上がってくださったり、

列車の中で荷物を網棚に乗せようとしたら、近くの男性がひょいと手を貸してくださったりということがよくあります。

それが、とても自然でスムーズで素早いんですよね。

また、バスや路面電車にベビーカーと一緒に乗ろうとする女性がいれば、入口近くにいる男性数人がパッと動いてベビーカーをサッと乗せるのも何度も見ました。

日本人男性は本来優しいのですが、恥ずかしがりやなのか、コミュニケーションが苦手なのか、こういう行動を起こすことに躊躇したり、見て見ぬふりをしたりしますよね。

あとは社会の仕組みや考え方にもよるかと思います。

ドイツでは、電車などで席をゆずるのは、お年寄りだけではなく女性など自分より弱い人全般に対してという考え方がされています。
ゆずるほうも躊躇することなくサッと声をかけて立ちますし、ゆずられるほうもお礼を言ってサッと座ります。

日本では、席をゆずられて「あ~とうとう年寄りに見られるようになってしまった」とショックを受けたという話をよく聞きます。

先日も、電車の中で若い女性が「どうぞ」と言って席を立ったのに、年配の男性はムッとした表情で「いい、いい。」と言って座らなかったので、次の駅までずっとその席は空いたままでした。席をゆずった人も気まずいですよね。

こんなふうに断られることがあると、ゆずるほうも勇気が必要になってしまったり、「すぐに降りますから」などの言葉を付け加えて気を遣わなければなりません。

「お年寄り」にではなく「自分より弱い状態の人」には席をゆずるというドイツ的思考のほうが、お互い楽なのではないでしょうか。

もう少し、日本でも助け上手、助けられ上手になりたいものです。

皆さんはどう思われますか?

明日は祝日ですので、次は金曜日に!
Bis Freitag.
Tschüs!


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