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【ドイツ事情】バスタブにつかるのは稀 #254

※ 音声はコチラ↓ stand.fm で平日の毎朝7時に配信しています。

Hallo zusammen!
Mein Name ist Hiromi Shirai.
『白井博士のドイツ語講座』へようこそ。
白井宏美です。

毎週水曜日はドイツ事情について、私の体験も踏まえてお話しています。

先週は「ドイツ人は謙遜しない?」というテーマでお話をしました。

今日は「バスタブにつかるのは稀」というテーマでお話します。

私が初めてドイツへ行ったのは学生の時で、ハイデルベルク大学の夏季語学研修に参加しました。

その時に滞在したのはハイデルベルク大学の学生さんが夏休みの間留守にする下宿でした。
3階建ての建物で各階に共同シャワー室がありましたがバスタブはありませんでした。
シャワーも15分ぐらいたつとお湯がなくなり水が出てきてしまうので、急いでシャンプーしなくてはならなかったんです。

次にドイツへ行った時はホームステイでした。裕福な家庭で豪邸でしたが、16歳と17歳の娘さんたちの部屋と私の部屋がある2階にはシャワーがあるだけでした。
ご夫妻の寝室近くにバスルームがありバスタブもありましたが、ホストマザーだけが月に1~2回バスタブにお湯をはって入っていました。
半年ほどホームステイしていましたが、娘さんたちがそのバスタブを使うこはありませんでした。

その次のホームステイ先ではご夫妻だけの家庭でしたが、やはり私の部屋がある1階はシャワーだけで、2階のバスタブはホストマザーだけが、やはり月に1~2回お湯をはって入っていました。

その後、ハノーファー大学に4年間在籍していた際は大学のゲストハウスに滞在していましたが、バスタブはなくシャワー室だけでした。

このように、学生の下宿アパート、一般的な家、豪邸、大学のゲストハウスといろいろ住んでみることができましたが、バスタブにつかる機会は一度もなかったのです。

しかし、ドイツではなにも珍しいことではなく、そもそもバスタブがない家も多いですし、バスタブがあってもお湯をはって入るのは稀なのです。シャワーだって毎日浴びることはありません。週に2~3回でしょうか。

私は日本のお風呂が恋しくて恋しくてしかたなかったのですが、ドイツが独特なのではなく、日本のように毎日たっぷりのお湯をはってお風呂に入れる国は他にはなかなかないようです。

理由は、水道設備、水道代、水質、気候、文化、習慣の違いなどがあります。

以前、お話したようにドイツは硬水ですから肌や髪を洗うとダメージが大きいことがあります。
また、夏でも湿気が少なくカラッとしていますので、汗をかきにくく髪がベタっとすることがないので毎日シャワーを浴びなくても平気なのでしょう。

水道代も高いので節水が身についています。

日本ではお風呂は体を清潔にするだけではなく、疲れを癒すためだったり、親と小さい子供が一緒に入って歌を歌ったり、おもちゃで遊んだりする家族コミュニケーションの時間になっていたりしますが、ドイツではそういう考え方や習慣がありません。

そして、なんといっても日本のお風呂のように便利ではないのです。

バスタブにお湯をはってもすぐ冷めてしまいます。
お湯はり、保温、追い炊きなどなど、全て自動で行われる日本のお風呂とは違いますからね。

そう考えると、日本が世界のなかでも特別で、私たちは贅沢に慣れてしまっているのかもしれません。

皆さんはどう思われますか?

それでは、このあとも素敵な1日を!
Einen schönen Tag noch!
Tschüs!


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