俯瞰｜駒形拓海

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＃54　駒形拓海
出身高校：県立千葉高校
ポジション：MF
フィジカルとインテリジェンスの両面に長けたMF。休部から復帰後もポテンシャルを遺憾無く発揮し、A、B両カテゴリーで活躍した。

駒形拓海からのラストメッセージ

　4年間ア式での活動を通して思ったことはサッカーがすべてじゃないということです。もちろん、サッカーをしてて楽しかったし、いい仲間とも出会うことができてうれしかったですが、ア式だけの生活になってしまったという後悔も正直あります。これを読んでくれているみなさんには、今一度大学生活で何をすべきか、何がしたいのかを考えてほしいと思います。

　自分たちは幼稚園のころからサッカーをしていて常にサッカーが生活の中心だったので、大学生になる前からサッカー部に入ることしか考えていませんでした。言い訳になるかもしれませんが、自分たちの代は入学当初からコロナの影響で大学にも行けない、バイトもできない、友達も作れない、という状況だったのでしばらくの間は自分が思い描く大学生活を送れませんでした。そこで唯一本格的な活動が始まったのがア式だったので、ア式が大学生活の中心になっていました。ア式は頻繁に活動するので、どうしてもア式中心の生活になってしまったのだと思います。そのせいか、ア式以外のコミュニティを広げることができず、大学生になってもサッカーしかしていない状況に陥ってしまいました。3年生の冬あたりからいいバイト先にも巡り合えるなどア式以外の私生活も充実するようになりましたが、今振り返るともっといろんな経験を積んでおくべきだったと思います。大学生なら、いつでも好きな時間に好きなことができます。ドライブしたり、旅行したり、留学したり、オールしたり、遊びまくったり、インターンに行ったり…。大学生のうちにしかできないこと、社会人になる前に経験するべきことはいくらでもあります。みなさんにはそういう経験を通して人として成長してほしいと思います。大学生のうちはいくらでも失敗してもいいと思っています。むしろ、社会人になる前にどういうことをしたらいけないのか、どういうことをしたら自分の成長につながるのか、をよく理解するためにいっぱい失敗するべきだと思います。そのためにも、みなさんには今の自分を見つめなおし、将来を見据えた行動をとってほしいと思います。

　自分はア式から離れた経験があるのでこういうことに気づけました。みなさんの中にはア式での生活に不満を抱えていたり、もやもやしていたりする人もいると思います。自分もそういう時期があり一度休部しましたが、結局ア式の活動やア式の仲間がいいなと思ったので復帰しました。そう思えたのはア式から距離を置いたからです。よくいわれることですが、失って初めて気づくこともあります。今すぐア式をやめろと言いたいわけでは決してないですが、そういう人たちの背中を押すようなメッセージになればうれしいです。

駒形拓海