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ザ・クリエイター 創造者

あらすじ:2075年、人間を守るために開発されたはずのAIが、ロサンゼルスで核爆発を引き起こした。人類とAIの存亡をかけた戦争が激化する中、元特殊部隊のジョシュアは、人類を滅亡させる兵器を創り出した「クリエイター」の潜伏先を突き止め、暗殺に向かう。しかしそこにいたのは、超進化型AIの幼い少女アルフィーだった。ジョシュアはある理由から、暗殺対象であるはずのアルフィーを守り抜くことを決意するが……。

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ロボ系SFコンテンツのネタバレも書いてます。あとGS美神の話。
ギャレス監督、来日したこと知らなかったよ!映画センサー仕事して

ローグワンが好きな私+若山富三郎の子連れ狼が好きな私+AKIRAも好きな私 なのでお察しの通りです。いつもの店で餃子半チャー定食頼んだらいつもの味がでてきたので満足。ごちそうさまでした!

映画館へ行く前日、彼女さんに「ビョークとトムヨークとビートルズのやつらはクラスにいても友達になれないakaマジ苦手」という話をしたばかりだったので、作中でレディオヘッド?流れてきた瞬間に笑ってしまった。ディストピアSFにありがちなペシミストな音響ではなく、ポジティブな感じで!とハンスジマーに依頼がいったといだけあって音楽のズレが面白い。主人公とこどもが旅する描写も、ああこれ渋谷のヒカリエだな~とか、あの世界でもオリックス5-0かよとか、中韓訪日客がこぞって買ってく龍角散ダイレクトの広告とか変なツボも。この映画、ハヤカワ文庫で小説版をだしてほしい。

本作、ハヤカワSF文庫やドラえもんや火の鳥のロビ太を覚えているひと、ゲームのデトロイト ビカム ヒューマンをプレイしたことあるひとにとっては「あるある」なので真新しくはない。けれど、AI vs 人間のテーマは人間 vs 人間の置き換えでもあるので、現在進行形でウクライナ進行やガザ・パレスチナ紛争が起きているいま鑑賞することで、感じ方はかわってくるかも。

ニュー・アジアの皿ロボットが、ヒューマノイド型ロボットと人間のこどもたちに「今まで虐げられてきた我々は自由を手にする」とさとし、希望の灯を与える場面がめちゃくちゃ「今」だった。技術が発達して皿ロボットからヒューマノイド型に進化できるのかと思ったら、人間が「寄付」することで、自分と同じ姿のコピーが大量生産されていくという展開も好き。ノマドや車、ロボットのデザイン、新旧入り乱れたうえエクス・マキナっぽさもあって個人的にドストライクでした。死体のデータ抜き取って喋らすとか、えぐいな~って思ってみてたら最後マヤとの邂逅に使われててそれはずるいでしょ監督!と憤慨した(でも結構みんな泣いてた、しゃーない)

米国をはじめとした西欧諸国がアンチAIなのも、米国のハウエル大佐(ザ・ホワイトハウスのCJ・クレッグ報道官!)が血も涙もないのがいい。イギリスのギャレスだからこそ描ける嫌味。


アシモフのロボット3原則ってあるじゃないですか。
第一原則「ロボットは人間に危害を加えてはならない」
第二原則「第一原則に反しない限り、人間の命令に従わなくてはならない」
第三原則「第一、第二原則に反しない限り、自身を守らなければならない」という原則からなり、第一原則が最も優先される。

この概念、崩されることを前提に物語があるんですよね。GS美神のマリアってロボットが私は大好きで、それを思い出した。創造主のドクター・カオスに使えてるヒューマノイド型。元はカオスが想っていた女領主マリアに似せて造られたんだけど、魔法科学で霊魂を合成させた「人工魂」がはいってるから喜怒哀楽も持ち合わせてる。でも、カオス以外にはあんまりみせない。主従関係が信頼関係になり、それがみえない絆になり、最後は創造主は宇宙/神をのぞいたら誰もいないじゃんって話なんですよ。造り手のエゴが積みあがると争いに発展し、バベルの塔は崩れ落ちる。サルが爆弾スイッチおすとことかもう、おまえらの進化論はクソ!ってメッセージがみえて笑ってしまった。

ノマドが落ちた世界で、アルフィーは救世主になるのかもしれない。
どこまでも争いは続くし、差別も消えないけど。

渡辺謙ロボが生き残ってくれて監督のえこひいきを感じました。
ありがとう。

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