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金メダルの価値

紆余曲折、オリンピックが粛々と終わり、日本のメダル獲得総数58個、金メダル27個という快挙。

息も付かせずコロナ報道、日本中に一触即発の空気が充満しています。その中でも一際、国民が震撼した悍ましいニュースに目が点になりました。

名古屋市の河村たかし市長が4日に表敬訪問に訪れた東京五輪・ソフトボール女子の後藤希友投手の金メダルを噛んで炎上。

この記事を目にした瞬間、私は爆笑、いや爆撃を全身に喰らったような強烈な笑い、ではなく笑いとは正反対の感情である怒りを発露しました。

なんなんですかこれは、超くだらない。いや違うな、非情に不愉快千万だ。メダル獲得は日本国民の希望、コロナショックで落陽させんと日出ずる国を照らす一筋の光。その御神体を噛むだなんて。私は辛苦のあまり夜8時間くらいしか眠れませんでした。

炎上後、本人が謝罪カンペをダラダラ読み上げてましたが、舌の根も乾かぬうちに「メダルを交換させてくれ」的なことを懇願したそうです。到底、市長の一存とは思えない。

これ、完全なカネで解決パターン。地位と外聞を優先させた下劣な強行手段。選手のことなんて微塵も慮ってはいませんよ。あーめんどくせえことになったな、ってな具合。謝罪の態度ではなかったですし、狐につままれた事態を嘆いて開き直ってる感じに見受けました。本人もまさかだったんでしょうね。名古屋城の金鯱も噛んだそうじゃないですか。品性の欠落が招いた汚点ですね。

後藤選手とチームの方々に失礼なんですよ。何のためにメダル持ってきたんだよって話ですし。市長が真摯に誠意を持って謝罪すりゃ済む話なんですこんなもんは。「金払って交換するから許せ」じゃないんです。

SNSを筆頭に同調現象を誘発させてる連中も同罪だということを肝に銘じるべき。「許せない!」「ふざけるな」「みんなのメダルなのに」的なことを連呼しまくることによりサイバーカスケードが容易に生まれてしまうので。

歪曲した正義が罷り通っていくのは愚かです。選手たちをこんな珍事に巻き込んで、要(かなめ)の部分にスポットが当たらなくなるの馬鹿馬鹿しいでしょう。メダルを獲得した成果より、メダルを噛まれたって印象が色濃く残っちゃうんですから。同調して吠えてる皆さん、結果としてメダルの価値を下げている逆意であることに気付いてるんでしょうか。

そもそも、メダルはみんなが勝ち取ったとか国民のとか軽々しく言ってますけど、市長は含まれないんかいっていうね。あいつだって舞い上がってたんです悪気はないんです、少し噛むくらい大目に見てやって下さい。腫れ物どころかバイ菌扱いですからね。テロップで「この後、職員が消毒しました」って書いとけ。

仮にアレ、事前に「噛んでいいですか?」て聞いていたらどうだろう。国民の心証も変わっただろうか。でも選手の女性に対しておっさんが「噛んでいいですか?」は気味悪いし、カメラに向かって聞いてもどうせ「ざわざわ」して終了だし、どちらにせよ叩かれるんだろう。

今回、噛まれて問題になったオリンピックメダル。このメダル自体の価値って大したこと無いんですよ。

金  97000円

銀  55000円

銅  430円

現在ではこれくらい。製作や加工にはそれプラス掛かるんでしょうが、材料などはメダル団体みたいなのがいて、不要な家電や携帯電話などの廃材掻き集めて製作費用節約しようって活動を行ってるんです。実は原材料費はタダみたいなものなんです。当然、これは物質としての価値。メダルとは金銭的に換算するのではなくて、選手たちが一枚のメダルを獲得するまでのストーリーを重んじるべきだと深く考えます。


ってか銅安すぎだろ。

いくらなんでも銅メダルの資産価値が金銀に比べたら劣りすぎる。雲泥の差だ。横にでもいいから金銀のワンポイントで「3位おめでとう」くらい拵えてやってよ頼むよ。

あと金メダルって6gの金メッキを純銀にコーティングしたものらしいんだけど、噛みつかれてメッキを剥がされたのは市長の方だったんだなって。全然うまくないですねハイ。



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