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【始まりは、わら縄製造業。商品の高品質力とスピード感で、創業100年企業を目指す】

会社情報:松浦産業株式会社
 1932年創業。荷造り紐、紙袋用把手などの製造・販売メーカー。本社を香川県に構え、国内産の紙袋の把手のシェア率60%を占める。「~私たちは幸せを運んでいる~」を経営理念に、荷造り紐、紙袋用把手の他、プラスチック成型品、企業の販促品、感染症対策商品等、幅広い商品ラインナップを持つ。日本パッケージングコンテストでは3度の受賞歴があり、プレスリリースアワード2021において、独自開発商品「タックハンドル」が初代パブリック賞を受賞した。

国内産紐の製造会社は日本でたったの数社。創業90年続く秘訣

 荷造り紐の大分類は3種類あり、「テープ」「ロープ」「レコード巻」と区分されます。日本国内製造で、3種類を製造しているのは、数社しかなく、そのうちの1社が「松浦産業株式会社」です。その他は、ベトナムや中国などの輸入品が多数を占めています。

 弊社は、わら縄からスタートした会社ではありますが、国内で初めて、「エコマーク」を取得した環境に優しい紐、「生分解」の紐を作りました。近年、脚光を浴びている「SDGs活動」を企業として、いち早く取り組んでおりましたので、時代を先駆ける構想には、自信があります。

 荷造り紐の事業だけでは潰れていく、主軸の事業を中心とし、軸足を少しずつずらしていくことによって、経営を安定させてきました。時代の流れに合わせて、最初は模倣からさらに改良し進化させ特許を取得し、いち早く市場に売り出し挑戦し続けてきたことが創業以来90年生き残ることができた理由です。

 外部環境の変化が速い現代において、「コロナ蔓延」、「脱プラスチック」、「持ち帰り袋の有料化」、「原材料費の高騰」、業界を取り巻く環境は今までで最も厳しいかもしれません、どのように対策していくのかが、これからの課題でもあり、挑戦していきたい部分です。

ニッチ商品「タックハンドル」の誕生から見る、商品開発への想い

 コロナ渦で営業自粛などにより、主力商品であった紙袋の「把手」の売上が半減しました。この窮地の中、ダンボールに貼るシールタイプの把手「タックハンドル」が、家飲みの増加や、ステイホーム下でのDIY、家電の購入の増加により売り上げを支えました。

 1989(平成元)年に酒類販売免許制度の許可基準が大幅に緩和され、スーパーで、ビールのケース売りがスタートしました。ケースの底面を抱えてレジまで運ぶしかなかったお客さんの為に、大手ビールメーカーから開発依頼があり、直接ダンボールにシールで貼る把手を開発しました。

 さらに、当時、持ち帰り用の資材として使用されていたタックハンドルに、商品名、会社名などを印刷する手法を開発し、企業の販促を兼ねた商品として販売することも可能となりました。

 これらは、取引しているお客さんの多くは東京にいるため、社長を初め営業は、先だって、世の中の流れや、流行している物、販売されている物を把握することができたことが、松浦産業株式会社の商品開発のアイデアが生まれた源となっています。

お客様の為に最善の商品を最速のスピードで提供するという、心構え

 中小企業ならではの、決定権の速さが強みであり、常に時代に先駆けて、商品開発と販売戦略を考えてきました。新商品開発においては、半年間というスピードで販売に向けて動いています。社長からのアイデアであったとしても、社員同士本音で徹底して議論し合い、商品開発を行うことでお客様の需要に合わせた商品を、提供することができています。

 プラスチック成形物はお客様それぞれオーダーメイドで製造しています。お客様が要求されているものを提供するために、お客様からのご要望には「最速で行動する」という事を大事にしています。企業理念を前提に、自社開発製品においても、仕入れ製品においても、結果的にお客様に「幸せ」が運ばれている状況を目指しています。

時代の変化に合わせ、歴代進化してきた代表の価値観

 企業理念に、「私たちは、幸せを運んでいる」を掲げています。松浦産業株式会社では、企業理念は変わらずとも、価値観は時代に合わせて進化していくことが必要だと考えております。創業時代は、お客さんへ「信頼を積み重ねていくこと」、二代目は「勢いのある時代に沿って、会社を大きくしていくこと」という考えを会社へ浸透してきました。

 創業者である、祖父の価値観は、「信用の蓄積、人材の蓄積、顧客の蓄積」積小為大であり、現社長である父の価値観は、「経済的に安定的に迅速に提供すること」です。

 企業として、考え方や手法は時代に合わせて、少しずつ変化しています。現代は、コンセプトを明確にデザインし、SDGs活動も含め社会貢献にも取り組んでいきたいと考えています。三代目として社長に就任した際には、自分なりに企業理念の浸透に関してさらに尽力していきます。

100年企業へ向けて、次期社長としての考えるミッション

 為替変動の激しい現代に置いて、国内産の成形品は需要が高まっていくと考えております。世間では、環境問題の影響で、「脱プラスチック」が注目を浴びていますが、「プラスチックでしかできない事」と、「プラスチック以外でもできる事」を明確に区別し、「プラスチックでしかできない事」を行う事が重要です。

 デザイン業界に、「ロングライフデザイン」という考え方があります。意味は、昔から長く作られ続け、人々の暮らしの中で使われてきた物の価値を再発見するという取り組みです。(引用:https://www.nhk.jp/p/ts/E1XN86K6YE/episode/te/J7G9V3K48Z/

 松浦産業株式会社では、独自のとらえ方として、捨てる事がもったいないほどの、デザイン性がある商品を開発する事が大切で、大事に長期に渡り、使用していただく事ができると考えています。「ロングライフプラスチック」(プラスチック製品のロングライフデザインの考え方)達成することで、結果的に廃棄物を減らすことになり、地球環境に優しいです。機能性や洗練されたデザイン性で、他社商品との差別化に力を入れていきます。

 今後、100年企業を目指すうえで、現時点では、売上の大半を占める、「紙袋の把手屋さん」という認知だと思います。2022年、90周年を迎えた老舗企業を、100年企業へと繋ぐ為に、会社としての認知度を上げていくことも必要です。スティーブ・ジョブスも言うように「いくら素晴らしいものを作っても、伝えていなければないのと同じ」です。今後は、広報活動に重点を置き、メディアへの露出を拡大することで、世間での市場価値を高めていきます。

 将来的には、松浦産業という「紐屋さんがいる」「紙袋の把手屋さんがいる」、「販促屋さんがいる」、「成形屋さんがいる」様々な角度で、自社を知っていただけるような状態になるまで、認知度の向上を図ることがミッションです。

【御紹介企業様】
会社名:松浦産業株式会社
代表者:取締役副社長 松浦英樹
本社住所:〒765-0012 香川県善通寺市上吉田町270番地1
資本金:8,000万円
従業員数:従業員数, 46人(うち正社員以外 14人、女性 13人)
ホームページはこちら(https://www.matsuura-sangyo.co.jp/)


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