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【AoE2:DE】アップデート87863 バランス調整【和訳と感想】

 今回は6月に公開されたバランス調整についての、和訳と感想を書いていきます。

 先月の超大型アプデに続く大きなバランス調整パッチなので、しっかりと確認していきましょう。

原文:Age of Empires II: Definitive Edition – Update 87863

※23年6月28日に加筆修正しました。

■バランス調整

・全体

(強化)破城槌:
移動速度が0.5から0.6に上昇 
駐留人数が一律6人になった
ヘビースコーピオン:HPが50から55に増加

 移動速度が上がったのは、使用感に大きな変化が出そうです。投石機が0.6なので、多少はマイクロで大砲や投石機の攻撃を避けられるようになったという感じです。
 駐留人数の上昇は、歩兵文明で恩恵があるかもしれません。もう少し駐留周りの操作が便利になって欲しいところです。

 ヘビースコーピオンが少しだけ固くなりました。
 スコーピオンは全文明使う場面がありますが、ヘビースコーピオンを使う文明は限られているので兵器文明の強化と見ていいでしょう。前回アップグレードコストが下がったのと合わせて、使いやすいユニットになっています。

(EL)バトルエレファント:
視界が4(5)から7(8)に増加
アップグレードコストが1200F 900G から 1100F 700Gに減少

 最近影が薄くなっているバトルエレファントに強化が入りました。
 HD時代にアップグレードコストが大きく上昇して近衛騎士並みになったのですが、ここにきて少し安くなりました。象文明は増えたのにあまり見なかったので、活躍度合い的にもいい塩梅ではないでしょうか。
 象の視界増加は、お供の射撃部隊を投石機から守るのに役立つかもしれません。

神聖:コストが120Gから175Gに上昇

 聖職者の重要性が上がった今の環境では、神聖の威力も高くなっていました。ちょっと研究を躊躇するような額になりました。

刺し網:効果が20%に減少
簗:対建物ダメージを受けるようになった。
金(石)の掘削:研究コストが200F 150W から175F 75Wに減少

 刺し網がナーフされ、海を取っているアドバンテージが少しだけ減少します。
 一方で金石の研究の二段階目はかなり安くなりました。
 前までは研究してもしなくても良い技術でしたが、その理由の一つがコストにあったので、これで金の掘削は積極的に研究しても良くなりそうです。
 ただ、金と石の研究は1段階目からそこまで優先度は高くありません。

・ベンガル

(EL)ラサ戦車:近接モード時、対散兵ボーナスを持たなくなった

 近接モードのラサが弱体化です。
 ラサは今まで近接モードになると、文明ボーナスによって対散兵+2のボーナスを持っていたのですが、どうやら意図しない仕様だったようです。
 特殊能力持ちの割に使いづらさのあるユニットなので、なにか強化が来て欲しいところです。

・ボヘミア

戦闘ワゴン:フレームディレイが30から20に減少した

 フレームディレイとは、立ち止まってから射撃に移るまでのフレーム数で、引き撃ちや押し撃ちに影響します。例えば弓騎兵のFDは35、重石弓射手のFDは20に設定されています。
 戦闘ワゴンは射程の関係で攻撃の間に移動が挟まることが多いので、少しだけ扱いづらさが軽減されそうです。

・ブリトン

ギャンベゾン獲得

 ブリトンの剣士は盤面がぐちゃぐちゃになった時に頼りになるので、地味に嬉しい強化です。
 先のアプデで特大ナーフをされて以降影が薄くなったブリトンですが、他と比較して特別弱いというわけではありません。今後長剣剣士につなげるプレイも出てくるかもしれません。

・ブルガリア

下馬したコニク:防御力が0/0から2/1に上昇
下馬したELコニク:防御力が0/1から2/2に上昇

 いるかどうか分からなかった徒歩コニクが防御力を手に入れました。突撃して倒されたときに、残った兵が何かしらの仕事をする機会が増えるかもしれません。
 ブルガリアはコニクを使っていきたい文明ですので、この強化は少し嬉しい事でしょう。

・ビルマ

ELアランバイ:攻撃力が15から14に減少
(EL)アランバイ:化学の影響を正しく受けるようになった
マニプル騎兵:
ハウダーと入れ替えで城主に移動
コストが400F 400Gから300F 300Gに減少
効果が対射手+5から+4に減少

 いろいろ書いてありますが強化と捉えて良いでしょう。
 ビルマでアランバイを使う選択肢を取った場合、城主中盤以降は確実に散兵が沢山出てきます。そこをマニプル騎兵で狩りに行くムーブができれば、大きなアドバンテージを持って帝王に入ることができるでしょう。
 ゲーム終盤まで恩恵がある内容なので、研究する判断をしやすいのも嬉しいポイントです。

・ビザンティン

ギリシャ火:デュロモイも範囲ダメージを得る
砲台:25%の範囲ダメージを与えるようになり、味方にダメージを与えなくなった

 砲台は120の射撃ダメージを与える弾を射出します。この説明が文字通りならば、ギリシャ火を入れた砲台は範囲0.5に30ダメージを与えることになります。
 通常の砲台は処理速度があまり早くないユニットで使用時には工夫がいりますが、ビザンティンの場合は殲滅力がそこそこありそうです。
 新たな武器として積極的に使っていきたい性能に見えます。

・中国

技術コスト削減ボーナス:削減率が10/15/20%から5/10/15%に減少

 強い中国にナーフが来ました。先のアプデでも中国のスペックをどうにかしたい雰囲気を出していましたが、これはちょうどいい弱体化に見えます。

・フランク

木の実ボーナス:採集速度が+15%から+10%に低下

 ブリトンがナーフされたのでフランクもという感じでしょうか。
 微々たる変化に見えますが、フランクは現状そこまで暴れている感じではないので、弱体化するのであればこれくらいかなという感じはします。

・ヒンドゥスタン

組合削除
大幹道:
コストが400F 400Wから250F 200Wに低下
取引手数料を10%に引き下げる
(EL)グーラム:
攻撃力が8(10)から9(11)に上昇
HPが55(65)から60(70)に上昇

 リワーク後強かったのが、すぐにボコボコにナーフされて最近は息をしてませんでした。今回は強化が来ました。

 なかなか大きな強化に見えます。
 城主技術の大幹道がこのコストで手数料10%+金収集10%上昇は、城主UTの中でも最上位クラスの性能と言って良さそうです。
 ヒンドゥスタンは金の掘削(金技術2段階目)も研究でき、そちらも今回のパッチで値下げされます。城主UTは影が薄いので、忘れずに研究して有利に進めましょう。
 ちなみにサラセンの取引手数料は5%なので、組合とサラセンの中間になります。組合(コスト300 F 200G)は手数料を30%から15%に下げる帝王技術です。

 グーラムは登場当初は猛威を振るっていましたが、弱体パッチでHPが10低くなってからは全く使われなくなりました。脆くなったのが使われなくなった理由なので、HP+5、攻撃+1という今回の強化で復権しそうです。
 グーラム、大幹道、シャタニ砲撃手という城を中心にした大きなシナジーが生まれている、なかなか珍しい文明になりました。

・イタリア

大盾:コストが300F 150Gから200W 150Gに変更

 研究しづらかった技術が値下げされました。弓鎧2が150F 150Gなのでまだ微妙です。
 

・朝鮮

木材ボーナス:射手と歩兵の木材コスト-50%、軍船の木材コスト-20%に変更
(強化)戦車:基本コストが200W 60Gに変更
(精鋭)亀甲船:包囲攻撃技術の影響を受ける

 いまいち戦車以外でどう戦っていけばいいのか分からなかった朝鮮に強化が入りました。
 槍散射手ががっつり安くなったので、畑を圧迫することなく軍拡することができるようになりました。城主でずいぶん動きやすくなっていそうです。
 塔の自動アップや投石ボーナスがあるので、防御的な前衛文明として採用される日が来るかもしれません。

・マジャール

チームボーナス:射手視界+2から弓騎兵の生産速度+25%に変更

 とんでもないチームボーナスが来ました。マジャールのメインウェポンの一つである弓騎兵が素早く生産できるようになります。
 重弓騎兵を研究するまで、弓騎兵は34秒という長い生産時間によって城主で使いづらくなっていますが、それが緩和されることになります。
 マジャールは騎馬も弓騎兵もどちらも行けて、チーム戦の場合はスイッチも視野に入れつつ暗黒のうちにプランを確認しておきましょう。弓騎兵を使う時も騎馬技術は腐りません。

・マレー

ギャンベゾン削除

 場合によって大暴れしていたので、妥当な調整のように見えます。

・マリ

金ボーナス:15%から10%に低下

 最強の文明ボーナスが弱体化しました。計20%で妥当なラインだと思います。

・ペルシア

(EL)エレファント:視界が4(5)から7(8)に増加
Developer Note: "Let's talk about the elephant in the room: changes are on the horizon for Persians"(開発メモ:"部屋の中の象"について話し合いましょう。ペルシアの変化は目前だ。)

 エレファントの視界アップ自体はともかく、開発のこじゃれた一言が気になったので載せておきます。
 " The elephant in the room"というのは、誰もが気が付く違和感を意図的に無視しているような問題や状況について言及する時に使われる慣用句です。

 ペルシアは多くの文明Tierリストで最下位に位置するような文明で、にもかかわらず長らく放置されてきたことを、UUに引っ掛けているのでしょう。
 近々リワークレベルの大きなバフがあるかもしれません。

・ポルトガル

フェイトリア:コストが250G 250S から350G 300Sに増加

 インチキのようなゲームメイクを抑制するための調整です。
 細い内政で帝王に入ってそのまま何とかするというのはポルトガルの一つの戦術ですが、フェイトリアのコストが城と同レベルになりました。
 正直何か別の仕様になって、(他の文明固有建造物のように)ポルトガルであれば必ず建てるような、納得感ある建物になって欲しいところですが、まだリリース当初の路線で行くようです。

・ローマ

ガレー船攻撃ボーナス:削除
大型ガレー防御ボーナス:ガレー船系とドロモンの防御 +1/+1に変更
バリスタ:
ガレー船系の攻撃速度上昇から、ガレー船系の攻撃力+2に変更
(EL)百人隊長:歩兵と隊列を組む時後ろにつくようになった
ローマがランクで使えるようになった

 領主城主の海戦が弱体化しました。海マップでは領主序盤に大きなアドバンテージを取る文明かと思いきや、そうではなかったようです。
 これからローマがランクで解禁されるということで、どんな戦法が生まれるのか楽しみです。

 ちなみに、日本語版の東ローマというのは明らかな誤訳です。普通にビザンティンのことを指す言葉になるので、気になる人は日本語修正MODをお使いください。

・スラブ

篤信:削除
新ボーナス:聖職者の移動速度+20%

 篤信はコスト140G 50秒、移動速度15%アップなので、これはかなり強いボーナスです。聖職者を使うなら是非研究したい技術なのも強力です。
 箱競争にかなり有利になる上、スラブはギャンベゾンまで無料で研究できて兵器が安いので、歩兵+兵器のお供にも良いでしょう。
 どのマップでも文明評価が上がる可能性があるボーナスに見えます。

・トルコ

イェニチェリ:射程が8から7に減少(ELは変更なし)

 イェニチェリは命中50%とはいえ聖職者を除けば城主でもっとも射程が長いユニットだったのですが、これで投石機と同じ射程になりました。
 トルコは閉じたマップだと結構人気がある文明という印象でしたが、城主の圧力が少し減るのは嬉しいところです。

・ベトナム

新ボーナス:経済技術の研究が100%速くなった
近衛散兵:アップグレードコストが300W 450G から300W 300Gに低下

 かつて最弱候補の一角だったベトナムが、ちょっとずつちょっとずつ強くなっています。

■マップ調整

・アラビア

プレイヤー陣地の森に池が生成されなくなった
プレイヤー陣地の森はオープンになるように変更された
動物資源がプレイヤーから遠ざかった

 アラビアがさらに過酷なマップになったようです。運営は囲う環境に満足していないのかもしれません。

■まとめ

 バランス調整だけ抜粋して取り上げましたが、ほかにも大量のバグ修正やRORの調整も含まれているので、興味がある方はソース先で確認してみてください。

 ボリュームあるバランス調整が立て続けにきて驚いています。運営が大きな情熱を持ってアップデートをしてくれるというのは、嬉しい反面、どこにそんな余力があるのかという気もしています。また新しいDLCでも出すのでしょうか。

 今年はE3がなく、6月の発表はなさそうですが、8月下旬には何かあるかもしれません。個人的にはそろそろAOM:REが気になってます。

 それでは今回は以上です。ここまでお読みくださりありがとうございました。面白かった、役に立ったという方は"スキ"ボタンのクリックやフォロー、サポートなどよろしくお願いします!

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