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【AoE2:DE】アップデート99311 バランス調整 他【和訳と感想】

 今回は23年12月12日に実装されたアップデート99311の内容を見ていきます。

 この記事はPUP公開時に作成され、アップデート配信時に加筆修正して正式なパッチノートとしています。

原文:Age of Empires II: Definitive Edition – Update 99311

 追記事項は次の通りです。

転向の仕様
ドロモンの弱体化
アルメニアの強化
インカ、ペルシア、日本の弱体化
新UI
その他のゲームプレイ



■アイコンパック(DLC)

 ついにAOE2にもスキン系のDLC(課金要素)が来ました。プレイヤーアイコンがアニメーションのものになるユニークなアイコンを入手できます。

■バランス調整

・全体

聖職者の転向
聖職者の転向確率:25%から40%に上昇
転向完了までの時間:4~10秒から5~9秒に変更
(運営メモ:この変更は平均転向時間を同じに保ちながら、乱数による変動を減らし、転向完了までの時間の一貫性を高めることが目標です。転向自体の強さをそのままに、不公平感を減らすことが目的です。)

 AOE2における代表的な運要素が転向だったのですが、それが少しマイルドになりました。80%の確率で、5~7秒の間に転向が完了するようになります。
 確率的には同等でも、4秒の即転向パターンが削除されたのは、使用感が変わりそうです。

 また、転向についての抵抗が運営から次のように発表されました。これは今回のパッチで調整された後の物のようです。

斥候系:最小転向時間+3/最大変更時間+1 転向抵抗+2
船:+2/+2
チュートンボーナス:+3/+1
ベンガルの象:+3/+1
第一回十字軍:+4/+4

 転向の仕様はややこしいので、抵抗を持っているユニットだけを把握しておけば十分でしょう。

帰依
神殿の新テクノロジー
コスト:100F 150G
城主の時代 全文明で使用可能
転向耐性+1/+1 (敵の聖職者が転向するのが15%難しくなる)
信仰の前段階

信仰
コスト:750F 1000G から 550F 750Gに減少
転向耐性+4/+4に低下(献身と合わせて以前までの信仰と同等)

 緊急性の高いケースが多い信仰ですが、高くて研究できず、結局騎兵を選択する場合は多かった印象です。それが少し緩和されます。
 城主からすべての文明で安く転向対策ができるのも嬉しいポイントです。弓騎兵系UUや騎士に適性がある文明は多少強化されたことになります。
 あと地味ですが、アステカの聖職者もHPが増えるので強化です。 

ドロモン:
全ての弾丸が均等にダメージを与えるようになった
ダメージ:50から8に減少
対建物:135から34に減少
対兵器:20から2に減少
対城:0から9に上昇
対壁:0から15に上昇
弾丸の拡散範囲が増加した
生産時間が50秒から65秒に増加

 見た目通りの攻撃になりました。この調整による対建物ダメージの総量に変化は無く、一方でユニットに対するダメージは20%程度低下するとのことです。

 新たに生産速度がガクッと落ちました。キャノンガレオンに対する優位性の一つだったので、結構影響がありそうな変更に見えます。

重騎士:研究時間が100秒から80秒に低下
ラバの荷車:
ユニットより低い優先度でターゲットされるようになった
建造コストが20F 100Wから20F 80Wに低下

 重騎士の弱点の一つ、研究時間が低下します。20秒は結構大きく見えます。特にブルゴーニュは嬉しいのではないでしょうか。

 新たにラバの荷車の建造コストが20W減少しました。
 ラバの荷車は暗黒進化において大きなディスアドバンテージになっていたので、これで少し調整された形になります。しかし2つ建てると進化コストが実質+40Fというのは変わっていません。
 逆にアルメニアの海がますます強くなったのはどうでしょうか。

・アルメニア

ガレーボーナス:
ドロモンも追加の弾丸を発射する
ガレーボーナスによる副次弾のグラフィックが矢になった
ラバの荷車の技術ボーナス:効果上昇量が25%から40%に変更
両のこぎり(帝王斧)削除
キリキア艦隊(城主UT):爆破工作船の爆破範囲が+33%から+20%に減少

 せっかくの新文明なのにいまいちパッとしない印象だったアルメニアに強化が入りました。斧、鋸は+20%ではなく+28%に、採掘系は+15%から+21%になります。
 両のこぎりが没収されたので最終的な木材の生産量は落ちますが、全体的な経済出力は上がっているように見えます。
 
 今回ドロモンの仕様が変更され、これは実質攻撃力1.2倍となります。使う機会がきたら迷わず選択しましょう。

 

・ベンガル

(EL)ラサ:弓騎兵アーマーが0から1に上昇
(EL)ラサ:近接モードで20%の範囲ダメージを与える

 話題に上がらなかったラサに強化が入りました。
 何とも言えない貧弱さが使われない理由の一つではあったと思うので、有利に働きそうです。
 ユニークな性能を持つUUですが、槍散に弱く、かと言って騎馬や射手と戦えるかといったらそうでもなく、速度も1.3と最低で、他の射程騎馬UUと比べて微妙UU筆頭になってしまっているので、これで活躍して欲しいところです。

・ボヘミア

戦闘馬車:
HPが180から160に低下
メインの弾丸のダメージが11から10に低下
(精鋭)戦闘馬車:生産時間が21秒から26秒に増加

 強化を受けて滅茶苦茶強くなってしまった戦闘馬車が、調整されるようです。城主からのラッシュが強い使われ方だったので、これで少し落ち着くかもしれません。

・中国

町の中心ボーナス:人口+10 視界+5から、人口+15 視界+7に上昇

 強力な文明である一方で、序盤内政の難易度の高さによって初心者と上級者にピック率に差が生まれてしまう文明でしたが、それを緩和する目的がありそうです。難易度低下のために何か弱体化もセットにしてバランスをとらなかったのは驚きです。
 地味に城主以降の内政拡大でも効果を実感できそうです。

・ジョージア

建物修理ボーナス:50%から25%に低下
(EL)モナスパ:追加ダメージのバグ修正

 強かった修理ボーナスが25%になりました。修理費が安くなること自体が強力なので、おそらくまだ強いとは思います。

・ヒンドゥスタン

町の人割引ボーナス:-5%~20%から、-8%~23%に上昇

 暗黒時代では47.5から46に、帝王では40から38.5になります。グーラムが帰ってきて十分強文明になったとは思いますが、これでさらにピックする理由が増えたのではないかと思います。

 最近定番の19人進化をする場合、暗黒で15人町の人を生産すると考えても60Fの削減となり、これはイタリアの進化ボーナス (75F) に迫る量になります。
 城主からのブームがより一層強くなったとも言えます。

・フン

タルカン:移動速度が1.35から1.4に上昇
フンは遊牧系マップで、初期の町の中心が完成すると、ユニークな斥候馬を得る

 中騎兵のくくりにしては遅かったタルカンが、1.4の移動速度を手に入れました。高い遠距離防御を活かして弓騎兵対策に使われることもありましたが、1.4あれば弓騎兵やマングダイと同等の早さになるので、一方的に引き撃ちされることもなくなります。

 家壁の防御力が評価されたり、近衛騎士一強環境が見直され続けた結果、最近ではいまいち選ぶ理由がなかったフンですが、この新ボーナスによって、遊牧系マップでマストピックとなるかもしれません。

 斥候馬はステップやメガランダムの一部のマップで斥候の代わりとして与えられるユニットです。
 攻撃ができないことを除けば斥候とほぼ同等の能力(移動1.2 視界4 鹿寄せ不可)を持っていて、それが遊牧系マップで1体得られるボーナスです。

TC建造完了と共に馬がポップする

 遊牧ではマップの開拓が大きな課題となります。敵陣地との距離はゲーム全体にかかわる重要な要素ですが、遊牧では城主中盤になっても陣地周りが未開拓ということはざらにあります。
 暗黒の時代に限って考えても、マップの仕様変更によって羊が手に入りづらくなった関係で、町の人を斥候に出すのも一般的な戦略となっています。

 フンは文明ボーナスによって海内政の展開が遅れるため、遊牧ではあえてピックすることはありません。しかしこのボーナスによって安定してイノシシや敵の町の中心を見つけられると考えれば、大きなアドバンテージとなるでしょう。内政拡大するにしても、遷都するにしても、地形の把握は役立ちます。
 もともと機動力と攻撃力が高い軍を編成できるフンは遊牧適性が低くはないので、このボーナスは(強すぎるかもしれませんが)良さそうです。

・インカ

軍事ボーナス:軍事ユニットの食料削減率が15~30%から、10~25%に低下
(エリート)カマヤック:生産コストが65F 30G から60F 30Gに低下

 特大バフによって南米文明のトップになるかどうかという扱いをされていたインカに弱体調整が入りました。
 まだ十分強そうです。

・日本

弓騎兵ボーナス:散兵に対して影響しなくなった

 多少散兵がいても当たれないこともなかったのですが、さすがに弱体化しました。ただ、コスパが悪く散兵にぶつけ続ける運用をするはずもなかったので、そこまで影響はなさそうです。

・朝鮮

(強化)亀甲船:範囲攻撃能力を獲得

 対地能力が多少あがりそうです。
 ただ亀甲船は発射タイミングが少し掴みづらく使いにくいところがあるので、利用する機会が来るかどうかは不明です。

・ペルシア

サヴァール:
対射手が+3から+2に減少
アップグレード時間が150秒から160秒に増加
金ボーナス:削除

 リワーク大成功のペルシアのメインユニットであるサヴァールが弱体化します。
 影響はあまりなさそうです。

 と、PUP時には書いたのですが、正式リリースで金ボーナスが削除されました。さすがにすべての強力な主力ユニットが金を生み出すのは強すぎ、ケシクの立つ瀬がなかったので、極端な調整にも見えますが妥当のようにも思えます。

 とはいえ、スムーズな立ち上がりと帝王軍の完成が強みとして健在なので、まだまだ強い文明なのではないでしょうか。

・ポーランド

フォルワルク:木材コストが125Wから100Wに減少

 調整後平凡な扱いをうけているポーランドに微バフです。序盤内政に何か特別なことを気にしなくてよくなったのは大きいかもしれません。

・ポルトガル

(EL)オルガン砲:
攻撃力が7(9) から 6(8) に減少
対歩兵、対散兵が+1から+2に増加

 騎馬に少しだけ弱くなるような調整です。
 リワーク後のオルガン砲は、溜まると手が付けられなくなっていましたが、これで少しマシになるかもしれません。

・ヴァイキング

首長:戦闘神官を倒した時に正しくゴールドが得られるようになった

■新UI

 オプションから拡張ステータス表示にチェックを入れると、ユニットの現在の能力が表示されるようになります。

両のこ有りのブリトン、無しのケルト、アルメニアの作業速度が見れる

 リロード速度、移動速度、攻撃範囲、自動回復速度、作業速度、ユニットのオーラが表示され、近接攻撃と遠距離攻撃の区別がつくようになりました。是非オンにしておきましょう。

■その他(抜粋)

門:建設が完了する前に閉めることができるようになった
鹿:移動するまでの停止時間の一貫性が向上した
ラバの荷車:衝突判定が変わって回避しやすくなった
MOD:新しいバージョンで始める際にMODを解除しなくなった

■まとめ

 バランス調整以外では、門が建造前にロックできるようになったり、鹿の挙動が変わったり、新UIが追加されたりと、プレイアビリティも改善されるました。

 運営の、高頻度のアップデートを実施するとの宣言通り、12月もアプデをしてくれるようでありがたく思います。
 聖職者強すぎ問題や移動経路理不尽すぎ問題など、プレイヤーの声にしっかりと耳を傾け、改善しようとしてくれるのも嬉しいですね。

 今後の展望としても"開発がかなり進んだコンテンツがある"、"24年は忙しい年になる"と言っていますので、まだまだ期待できそうです。

 MODの更新はもうしばらくお待ちください。

 それでは今回は以上です。ここまでお読みくださりありがとうございました。面白かった、役に立ったという方は"スキ"ボタンのクリックやフォロー、サポートなどよろしくお願いします!

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