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【TtA】指導者の評価と使い方 前編【ボードゲーム】

 今回もTtA(Through the Ages スルージエイジズ)の記事です。
 上級AIにも安定して勝てるようになってきたので、時代Aと時代Ⅰの指導者について、個人的な評価と使い方を書いていきます。

 評価は次の3段階に分けて行います。個人的な評価ですので、好みやプレイングスキルがもっと高ければ変わってくるかもしれません。

A: 分かりやすい、使いやすい
B: そこそこ使いやすい、失敗する危険もある
C: 分かりにくい、決まりにくい、決まっても微妙

次の略語を使用します。
CA (Civil Action) = 内政アクションポイント上限
MA (Military Action) = 軍事アクションポイント上限
CAP (Civil Action Point) = 内政アクションポイント 軍事も同様

まだ買ってないという人は下記リンクからどうぞ。アプリでも出ています。

時代Aの指導者

指導者一覧A

カエサル: 軍事力+1, MA+1
 毎ターン、政略を2回行える

評価B
 世界遺産を建てようとしているなら、政略で時代Aの歴史イベントを連発すると有利になります。MA+1によって歴史イベントや戦術カードを引きやすいので、軍事経済ともに、チャンスが増える指導者と言えます。歴史イベントを多く回すと無料戦士、無料宗教が来るのも速くなるので、人口は用意しておきましょう。
 来るカードによって手順が固定されてしまう指導者でもあるので、ゲームに慣れていない内は使いにくい指導者です。
 少ないCAで建てられるロードス島の巨人(時代A・33 軍事力+2 船+1)とシナジーがあると考えられます。バルバロッサに繋げるのもありかもしれません。

ホメロス: 幸福+1, 毎ターン軍事用鉱石+1
指導者を交代する時、CAP+1の代わりに世界遺産一つを改善、幸福+1

評価A
 宗教を建てずに済むので、資源と人口に余裕ができます。無料宗教イベントが無くても良いので、安定した立ち回りができるのが嬉しい指導者です。
 幸福がなくて軍拡できない、幸福施設のための資源や市民がない、と言ったことは時代Ⅰによく起こるので、派手さはありませんが優秀な指導者です。
 CAPが1必要ですが、ゲームが終わるまで効果が続くので、ホメロスによる世界遺産改善はできる限りやるべきです。
 幸福が2あれば時代Ⅱの序盤あたりまでは大丈夫なので、芝居(時代Ⅰ劇場・文化2幸福1)を使えます。芝居はミケランジェロ、バッハ、シェイクスピアの起点にできるカードですし、序盤から文化を積み上げられるのは案外強かったりします。

モーゼ: 人口増加に必要な食糧-1

評価B-
 時代Ⅰの終わりまで、安定して人口を供給し続けることができる指導者です。人口が多い場合施設の建設に資源を使いたいので、世界遺産は取らない方がいいかもしれません。
 市民が多いとある程度幸福に融通が利くようになるので、無料戦士が出た時に迷いなく取ることができるのは嬉しい点です。一般的に、世界遺産を建造しない時は時代Aの歴史イベントは利敵になるために起こさない方がいいとされていますが、モーゼの場合は迷わず回してよいでしょう。
 また、市民が余っていると時代Ⅰに起こる疫病(市民-1)やネズミ(食糧没収)といった、軍事力に関わらず起こる地味に厄介な歴史イベントを防御できるのも大きいです。
 良い事ばかりを書きましたが、余った市民をどう使うか、鉱石とのバランスをどう取るか、指導者交代は誰にどんなタイミングで行うかといったことをしっかりと管理する必要があります。時代や食糧の計算がきっちりできるプレイングスキルを持っていないと、有効に使うのは難しくなってきます。

ハンムラビ: 毎ターン、MAP1をCAP1として扱うことができる

評価A-
 CAを増やすのが時代Ⅰの課題であり、多くのプレイヤーが意識することなので、それが無償で使えるのは分かりやすく強い指導者です。
 しかしそうはいっても、時代Ⅱになった時にも4のままではさすがに苦しいので、ピラミッドを獲得できなかったのなら、君主制の研究を目指しましょう。
 CA+1は確かに強いのですが、一方で戦術カードを引けない、歴史イベントを他のプレイヤーに頼るというデメリットもあります。好戦的なプレイヤーがいる場合、愛国や文化遺産などのカードを使って無理矢理軍拡をする場面もでてくるかもしれません。
 一説ではもっとも強い指導者とも言われていますが、個人的には強力な反面、少し使いづらさのあるカードなので評価はA-としました。

アリストテレス: 技術カードを取得する時、研究ポイント+1

評価A
 科学力はどんな場合でも重要なので、特にやりたい戦略がなければ優先していいでしょう。他の指導者と違って、技術を取り始める時に指導者に設定すればいいので1ターン目の融通が利きます。
 研究ポイント+1はなかなか強そうですが、実は時代Ⅰ全体で大体4ポイント増えるというものなので冷静になる必要があります。これによって各段に研究しやすくなるというものではありませんし、研究ポイントを獲得するために技術カードを獲得すると手札が詰まります。
 余分なカードを取ることはやめ、早めに錬金術を研究して、技術を消化していきましょう。
 アリストテレスで研究を稼ごうとすると、時代Ⅰの間指導者を変えないことになります。それでも4ポイントなので、錬金術があってダヴィンチが来ているなら、無理にでも変えた方が得なことが結構あります。もし良い指導者がこないのなら、コロンブスを使うことになります。

アレクサンダー大王: 軍事ユニットの軍事力+1
政略ターンにアレクサンダー大王を人口1に変換することができる

評価B
 分かりやすい軍事指導者ですが、使いやすいかどうかは微妙です。
 侵略を成功させるには、最低でも軍事差が3、つまり自分の軍事力が4無いといけないわけですが、それが戦士2体のみで達成できてしまいます。
 また通常軍事力10を揃えるには、戦士2騎士2に中世軍をつけるというかなり引きが良くないとできない構成と手数が必要ですが、アレクサンダー大王であれば、剣士3と戦術カードで達成できます。
 ただこの戦略を取る場合、確実に侵略を成功させないと経済が回らなくなってしまうので賭けになってきます。
 3ターン目くらいまでで剣士や戦略カードがこない場合は、割り切って時代Ⅰ中盤で黄色トークンに変換してしまいましょう。攻撃にこだわりすぎると取り返しがつかないことになります。もし途中で馬系の戦術カードが出たらチンギスハーンに繋げることができます。
 この指導者も攻略サイトによっては最も強力とされているので、好みが分かれる指導者です。

時代Ⅰの指導者

指導者一覧1

ミケランジェロ: 寺院、劇場、世界遺産が生み出す幸福度につき文化+1
世界遺産を取る時のCA増加無し

評価B+
 状況が限られるので評価はBにしましたが、強力なコンボになる指導者です。
 ミケランジェロ単体では微妙ですが、幸福を生み出す市民が追加で幸福1を生み出す(建築物による幸福二倍)という効果を持つ、サンピエトロ寺院を組み合わせることで、寺院から大量の文化ポイントを手に入れることができます。
 サンピエトロは単体でも強力な世界遺産ですので、とりあえず建てておいて上手く行きそうな状況が整ってからミケランジェロを取る、という形でもいいでしょう。
 遅れると損した気持ちになりますが、時代Ⅱの強力な世界遺産である鉄道やオーシャンライナーを取るときにCAPの消費が抑えられるので、完全に腐ることはありません。このコンボをすると軍事力か科学が遅れがちになるため、万里の長城かカレル大学も出来るなら取っておきたいところです。
 宗教は幸福を生み出すだけで時代Ⅲの技術もないので、できれば育てたくはありませんが、バッハを引くことができれば劇場に変換することができます。仮にバッハを使わなかったとしても十分に逃げ切れる量の文化ポイントを手に入れることができます。ある程度のところでナポレオンに切り替えて防衛しても良いでしょう。

ジャンヌダルク: 寺院、政治形態が生み出す幸福度毎に軍事力+1
政略ターンに次の歴史イベントを見ることができる

評価B-
 神政と組み合わせることを前提とした、少し変わった指導者です。分かりやすいものの、神政と教会がどちらもそこまで強いカードではないため、B-となっています。
 神政、教会1枚、戦士2枚+戦術、ジャンヌダルクで軍事力が8まで伸びます。そこから幸福を伸ばすサンピエトロがあれば10、更に教会がもう1枚あれば、戦士2体でなんと14まで行きます。さすがにそれは机上の空論ですが、8あればぎりぎり1回は侵略を成功させることができます。
 神政が弱いとされているのは、CAが増えないからです。4ではどうしてもきつく、法も研究している余裕がないのでピラミッドが必須です。逆に5あれば最悪最後まで戦えるので、ピラミッドさえとれたら神政ジャンヌを考えても良いでしょう。
 神政ジャンヌをするなら、最低でも2回は侵略を成功させたいところです。狙いは経済獲得もそうですが、相手の発展を遅らせることです。ミケランジェロ同様、育てた寺院はバッハでオペラに変換したいので、時代Ⅲでは軍事がかなり手薄になります。どうにか弱体化させましょう。画像はジャンヌバッハチャップリンの並びで上級AIに勝ったものです。最後に文化戦争でがっつり奪われましたが、何とか逃げ切ることができました。

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レオナルドダヴィンチ: 一つの研究所、書庫はレベル分の研究ポイントを追加で獲得する。
技術を開発するたびに鉱石+1。

評価A
 錬金術が必要ですが、分かりやすく研究ポイントを手に入れることができます。
 哲学では研究ポイントを入手できないので、早めに錬金術を手に入れて君主制を目指しましょう。世界遺産は相性的に万里の長城が良さそうです。
 印刷機を使う戦略は決め打ちをしないとなかなか難しいです。ホメロスと空中庭園から、灌漑を取って人口に余裕を持たせ青銅4の形を取って、印刷機にいく流れなのですが、そんなうまくカードが回ってきません。ただ印刷機を取れれば君主制を研究する理由が一つ減ります。
 この後は研究ポイントが大量に溜まっているならニュートンに繋げることで特殊技術を連打することができます。砲兵が研究しやすいので素直にナポレンに繋げても安定します。

チンギスハーン: 歩兵を騎馬として戦術カードにカウントできる。
軍事力が上位2位の時に文化ポイント+3。

評価C
 戦術カードと組み合わせて使う指導者です。
 万里の長城と相性が良く、剣士と戦術カード重騎士(時代Ⅰ・馬3・軍事力4)が引ければ13まで軍事力を伸ばすことができます。
 試したことはありませんが、古典的軍隊(時代Ⅱ・歩2馬2・軍事力8)が引ければ、万里の長城込みで剣士4体で20まで伸ばせる計算になります。20と言えばナポレオンでそこそこ軍隊を整えた時と同じ量なので、ロマンは有ります。そこそこ稼げれば、大砲を研究して戦術カードを目指すことができるかもしれません。
 強いには強いのですが、他の指導者とシナジーが無く、チンギスハーンを外したときに一気に軍事力が落ちるのが非常に使いづらい点です。なんとか時代Ⅱまでで逃げ切る体制を整えたい指導者です。

コロンブス: コロンブスと引き換えに、手札の植民地カードを直接獲得できる。

評価B
 アリストテレスやモーゼで長引かせすぎた時など、困ったらとりあえずコロンブスを取っておけばチャンスが生まれます。
 コロンブスは一度切りの発動なので、他の指導者と違って、長く設定していないと十分な効果が得られない、手数をロスするという事がありません。
 時代Ⅱの植民地を取ることができれば、経済が一気に楽になります。オススメは人口を増やすカードですが、時代Ⅱのカードはどれも効果が大きいのでどれでも安定します。
 ただせっかくコロンブスにしたのに一生植民地カードを引けないということも珍しくはないので、その点では賭けになります。もしコロンブスで時代Ⅱを長く過ごすなら、ロベスピエールの革命で時代Ⅲの民主主義を狙う流れになります。
 時代Aの指導者が長引きそうな時に安定したプレイを求めるなら、まだコロンブスが場にでていない場合、植民地カードはプレイせずに手札に持っておくのも良いかもしれません。

フリードリヒ1世(バルバロッサ): 
1MAで人口と軍事ユニットの建設ができる。その際、消費食糧鉱石-1。

評価C
 有効に使えたことはありませんが、特性的には植民地獲得に強いので航海術と相性がいい指導者です。時代Aの内から準備していかないと厳しく、空中庭園が良さそうです。もしくはロードス島にして、幸福とMAは神政で稼ぐというのも考えられます。
 灌漑と鉄でガンガン軍隊を作って侵略と合わせて植民地で経済を作っていく必要があります。研究ポイントをどちらかで獲得できないと苦しい展開になるでしょう。
 文化遺産や愛国といった他の指導者では使わないようなカードを有効利用できるかもしれません。植民地を沢山手に入れられたら、時代Ⅲで植民地支配による文化ポイントの歴史イベントは逃さず入れておくようにしましょう。

さいごに

 前後の流れを含め、色々な使い方を考えられるのがTtAの魅力です。まだ思いついていない使い方もあるかもしれません。やりたいことができないもどかしさもありますが、シンプルな要素が生み出す奥深さが好きな人は弱いとされている指導者を使う事にハマると思います。


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