TRPGの話:処刑人ヨハン
公式シナリオ「救世主の箱庭」お呼びいただきました。
ありがとうございます!!
1.やってみよう!デスゲーム!
遡ること8月。
水面さんからとあるお誘いを頂いたのが始まりでした。
「せつこさん、年末年始にデスゲームするんですが、興味ありませんか」
なにいってんだこいつ。ビビりながらも話を聞く。
なるほど、どうやらTRPGをやろうというお誘いらしい。有難いことだ。
デスゲーム、8ペア16人参加、トーナメントPvP。
いいじゃん!
二つ返事で参戦。根拠のない万能感により「全員殺す……」という気持ちになり、昂っています。
今回やるゲームというのがこちら。
『不思議の国のアリス』でおなじみの不思議の国はすっかり衰退し、自我無き亡者が蔓延る危険な世界と化してしまいました。
そんな世界を救えるのは、異世界から招待された『救世主(=アリス)』だけ。
現代日本、SF、剣と魔法のファンタジー……様々な世界、様々な時代から救世主が集まります。
けれど、どんな人々がいようと、世界を救う手段はただひとつ。
それは 自分以外のすべての救世主を殺す こと。
積極的に殺しあうか。ただただ怯え逃げ惑うか。手を組み、絆を深め合うか。
それらはすべてあなたと、あなたのカード次第。
オシャレじゃ~ん!!
これね、詳細は買った人に、なんですけど、
結構マジで滅茶苦茶に殺し合わせてくる世界観なんですよ。
手を取り合うこともなくはないけど、もうとにかく殺れ、と。
シナリオ以前にこのゲーム自体がデス世界観なんですね。
異世界転生していきなり、童話世界のゆるふわの皮を被ったダークソウルに放り出されるプレイヤー。しかも本来ならば手を取り合いたい同じ異世界転生者(救世主と呼ばれる)たちは当然のようなノリで殺しにかかってくる。
殺すに足る理由も完備されてるんだけど、それ以前に救世主は狂人ばかり。
童話風味の殺伐世界。ときどき化け物、ときどき現地人、ときどき救世主を殺す。戦略と出目の塩梅が絶妙で、出目次第では普通に死ぬ。
興味が出たら買おう。Boothで1600円。
さて改めて。つまりデスゲームをやることになりました。
デスゲームはペアで参加なので、ひとり命運を共にする仲間がいるぜ!
相方はありおりさん。定期更新界隈でそれなりに長い(9年くらい?)お付き合い。よっしゃあよろしくな!死を振りまこうぜ!
ありがたいことに、デスゲーム前にデスゲーム参加者をいくつかのセクションにわけて、チュートリアルも兼ねて公式卓を回してくれることに。
それが今回の卓「救世主の箱庭」というわけです!
三行でまとめる
・Dead or AliCeでデスゲームををやります
・今回はその前に1卓やってみよう
・さあどんなキャラにしようかな!
2.救世主の箱庭とは?
一通の招待状と共に、見知らぬ世界へと招かれたプレイヤーたち。
何もわからないまま、そこに現れる恐ろしい化け物。
そんな化け物から彼らを救ったのは、一人のかわいらしい女の子。
「みんな、ありすのペットになるためにここへきたのよ。
ありすにつくして、まもられながら毎日をすごすの。」
女の子はプレイヤーを助け、そして……捕まえてしまいます。
彼女の庇護のもと……ペットとして、一生を過ごさせるために。
3.そうだ、ゴミ、やろう。
GMは福利厚生が親切なので、各ペアごとに専用部屋を立ててくれました。
ビルドの相談とかができるぜ、やったな。
雑談などにも花が咲きます。
せつことありおりはザコがだーいすき!
方向性決定!ザコ!カス!ゴミ!
せっかく勝てる可能性の方が圧倒的に低いという稀有なセッションなので、負け映えも考えねばなるまいよ。いやもちろん勝つつもりで頑張るんですけど、負けを彩るのも参加者の役目。
でも勝ちたいよね。トーナメントなんだよ、この大会。負けたら終わりだが勝ったらチャンスがある。
いっそそんな死に方とかな(笑)
デスゲームあるあるだよな(笑)
あっ。
方向性が決まりました。
チュートリアルから続投と見せかけて、開始前に喧嘩売って死ぬ奴をやります。
4.三分間クッキング!
ようやくキャラメイクの話です。
今回はデスゲーム。ハンドアウトもない完全自由形。
デスゲームといえば積極的な人がいたり消極的な人がいたり、強い人がいたり弱い人がいたり、仲間を信用する人がいたりしない人がいたり、そんな感じの十色の群像劇だったりとか、パートナーや対戦相手とのマッチング、絡み、そのあたりがキモになるわけですね。
16人いる中でどう動くか。
なので今回は『動き方のイメージ』先行でキャラ案を作ってます。
これは噛ませ犬ロールをするぞと決める前に手癖で描いたラフ。
振る舞い方に重点を置いた設計思想をしているのがわかる。
一番上のやつは3分間で描きました。
我ながらすっげー噛ませっぽいな。すげえ噛ませっぽくできたので、もうこのまま採用します。なにしろ生存率0%のキャラクターをやるんだ。
そのうえ参加卓の「救世主の箱庭」も他の人たちによって同時多発的に開催される。ってことはちょっと変なこともできるぞ。
性格を悪くできる。悪役をやろう。
なにしろこの救世主の箱庭というシナリオ、ほぼ間違いなくペットの屈辱を与えてきた幼女に逆らうストーリーだろうということがわかる。
プライドが高いやつ……絶対馴染むに決まってる!
・煽り耐性皆無男
・ダサさ重視
・地位が高く金がある
・相応以上にプライドが高い
・思いやりがない
こんな感じの振る舞いでいこう。
基本方針は「カッコ悪さを引き立てるためにカッコつけた事をやる」!
とにかく他者をコケにする!自分が高いところに居ると思い込む!
すっげえ態度でかい!自信に満ち溢れているので時折格好良く見える!
これぐらいの塩梅だ。基本はネタキャラ。だけど本人は至って真面目。
よし、決まった!頑張ってヘイトを稼ぐぞー!
5.お前の名前はヨハンだ!
しかし、さて困った。
基本のデザインと振る舞い方を決めたはいいけど、私はまだ君の事を何も知らない。誰だオメエ。
まず、このゲームはそもそもの救世主が異世界転生主人公なのです。なのでベースの世界観すら自由型。でもせっかく童話世界なので、並行童話世界からキャラクターを持ってくるのが無難かな?そんな気がする。キャラクターのイメージもなんとなくファンタジー衣装が似合いそうな感じだし。
童話。ヘンゼルとグレーテルとかどうだ?
ヘンゼルは無実の魔女をハメて、金銀財宝を奪い、手柄とカネを手にした強盗の子供。これでいこう。
ヘンゼルはヨハネスを由来とする名前なので、ちょっともじって
「ヘンゼル(Hänsel) ⇒ハンス(Hans)⇒ヨハネス(Johannes)⇒ヨハン(Johann)」
よし、これで。
よし、お前の名前はヨハンだ!
この間3分。お前は設定すらもカップラーメンの男。
その男も、かつては村に住むごく平凡な信心深い少年だった。
ある日、魔女討伐の手柄を手にしたことを切っ掛けに、その人生は一変する。
狩人としての地位を得た彼は、彼は“極めて効率的な手段”で次々と魔女を捕らえ処刑し、権力と私財を肥やしていった。
「僕に逆らうということは……お前も、魔女だな?」
本名はヨハン・フォルシュトレッカー。
24歳、身長175cm。
生まれは貧しく、理不尽な領主には絶対服従。暴力を受けたり慰み者にされたりしても、笑顔で感謝の言葉を述べなければならない、そんな幼少時代。
強い者は弱い者を従えるという世界の図式を身を以て味わい続けたことで、強くなって弱い者を従えることに拘るようになっていきます。
そんなある日、魔女を斃したことで評価をされてしまったことで、魔女の狩人の立ち位置の人になってしまった少年ヨハン。
その後も魔女の存在をデッチ上げては殺し、デッチ上げては殺し。みんなの嫌われものを魔女に仕立て上げてボコし、過激派の民衆の支持を得て調子こいていく。そうして彼は栄光を手に入れたのでした!
ちなみに彼が「異端審問官」ではなく「処刑人」と呼ばれているのは、彼が正式な教会の人間ではないから。
教会は、いよいよ影響力を強めていくヨハンという男が邪魔でした。彼は成功していた人生の真っ盛りに突如異世界に飛ばされてしまったことを嘆いているのだけど、そのまま元の世界に残っていたら彼は教会に消されていたはずの男だったんですね。
本人はそれを知る由もなく、自らを省みる機会はついぞ与えられぬまま。
さて、本編にいこう。
お行儀よすぎず悪すぎず。ヘイト管理を繊細にやる必要があるぞ。
チュートリアル卓のGMは……あどそんさん?なにィ?誰だ?
初めて聞くぞ。敵か?
ほう、この後の本戦で第一回戦で当たる……ってマジで敵じゃねーか!
てっ……敵にゲームのイロハを叩き込まれる!
このゲーム中に……彼を超えなければ!!!!
6.マナーの悪すぎるPC
牙を剥きだして威嚇するせつこを大人の余裕で躱すGMあどそんさん。
ものっすごくマスタリングが丁寧でテンポもよく福利厚生も豊かで、GMに必要な『邪悪さ』をも兼ね備えているスゴイ人でした。たぶんありとあらゆるすべての事ができる。
本当にありがとうございました。
それに対して、PCはお行儀よく居られたのか?
お上品なロールとやらは果たしてできたのか!
ちなみにこれは戦闘前の予言です。
以下、ネタバレあり。
今回は3人PT。
性格最悪のヨハンを誰か止めてくれる仲間は居るかなー?
仲間①(PCありおり)
太鼓持ち。相手が強者と見るや露骨に擦り寄ってくるクソ女。
仲間②(PCふぐり)
太鼓持ち。なんか調子いいことしか言わないのでイマイチ信用ならない。
あっダメ。ダメそう。
今回の敵。救世主。
この世界に迷い込んだ救世主一行をペットとして飼おうとしたら、ヨハン様に信じられないくらいの猛反発を受けてビビっている。
わけわかんないぐらいキレてるヨハン様。
このヨハンという男、マジで人に媚びることが一切できず、言い換えると結構度胸のキマってる男で、いざ動かしてみると割と直接的な暴力に訴えかける猛犬でした。そして人を貶めて殺してきただけあって、人を貶めることと人を殺すことに躊躇がない。幼女とヨハンの間で揺れるいまいち信用ならない二人の太鼓持ちを、罪をでっちあげて幼女側の心象を最悪に陥れ、強制的にこちら側に引き込むなどということをしました。逆らった敵は皆殺し。
幼女のペットをズタズタに引き裂いて煽るという悪役ムーブをかますヨハン。それに対して正当すぎる怒りを覚える幼女。しかし戦闘では幼女の手札が腐りに腐って試合は一方的な展開に。
ヨハン圧倒的優勢のまま勝利かと思いきやファンブルで武器を落とし、そのまま素手で幼女を昏倒するまでボコして試合終了!
お疲れ様でした。
普通の卓では許されない動きが許されるという、かなり特殊な卓でしか出来ない体験をしました。これがもう本当に楽しかった。そして最低だった。
やはりこのセッションはありすちゃんが勝つべきだったのでは?
余談
ゆふさん作のNPCイラストが信じられないくらい可愛かった。
GM「このタイミングで殺していいですよ」
ぼく「えっ……!? そ、そんな……!」
殺しました。
7.そしてデスゲームへ……
一回戦目。参加者入場。
そこにはヨハンとマキナの姿が。
そして……。
儀式は館にて行われるイベント。
観客たちも救世主たちの殺し合いを見守っています。
一方のヨハン様は、相変わらずのご様子。
とにかく、自分に指図する存在が気に入らない。
彼はデスゲームの儀式に逆らい、進行役のメイドに刺されます。
最後、マキナさんに助けを求めて手を伸ばすも、
マキナさんは生き残るためにヨハン様を見捨てたのです。
ざわめく客席。参加者であるヨハンが退場。
かつてヨハンだった肉塊は、メイド達によってゴミ箱に投げ入れられます。
これは最低の女。こいつと関わるやつはきっと幸せにならない。
これから戦いが始まろうとしていたときに、これはどうなるんだ?
しかしメイドは参加者は必ずペアなのだという。
その時、客席に異変が起こった。
あっ。
ああっ!
ということで、本編は「気弱そうな観客」改め「小鴨チカ」で参戦します。
試合が終わったら、そして余力があったら記事を書いていこうじゃないか!
よろしくお願いします!
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