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意外とやりがちな「パーセント表記」の間違い

こんにちは、favyのしげさんです。
本日は算数のお話をします。
意外と間違ってるケースが多いんですよね…

お仕事で色々なサービスの資料を拝見したり、プレスリリースを拝見してていつも気になってしまうのが「パーセントの誤用」です。
有名な企業の公式な発表でもたまに間違ってるのを目にします。

実は結構恥ずかしい事だったりしますので、資料を作ったりする際は気をつけてみてください。
マネージャーの皆さんはチームメンバーの資料チェックの際に教えてあげてくださいね。

そもそもパーセントって何だっけ?

パーセントとは百分率、つまり「全体を100とした時にいくつに当たるか」を表す、割合の単位です。

スマホの普及率調査を100人に実施した時、持っている人が20人であれば20%、40人であれば40%です。

また、昨年100万円だった売上が今年は80万円だった場合、今年の売上は昨年の80%という事になります。
この数値は「昨対」などと呼ばれる事が多いです。
今年の売上が110万円だった場合は、「昨対110%」と表現します。

よくある誤用①昨対の表記

先に答えを言ってしまいますが、「比較した時の比率」と「増減の比率」を混同しちゃってる故に起こる間違いです。

昨年の売上が100万円だったのに対して今年が150万円だった場合、パーセントを使わずに表現すると「1.5倍になった」「1.5倍に増えた」となります。
※ちなみに「1.5倍増えた」はこの文脈では文法的におかしいので注意しましょう。

話を戻して、150万円になったことをパーセントで表すとどうなるでしょう?

まずは「比較」から見ていきましょう。
100万円と110万円を比較すると110%ですので、100万円と150万円を比較すると「150%」(=150万÷100万)です。
「前年比150%を達成」というような使い方をします。

次に「増加率」、つまりどれだけ増えたか?を見てみます。
100万円が110万円になった場合、増えた金額は10万円、比率としては「10%増えた」(=10万÷100万)という事になります。
150万円になった場合は50万円アップ、増加率は「50%増」(=50万÷100万)です。

この「対比」と「増加率」の表記を混同してしまっているケースが非常に多いです。
100万円が150万円になった場合の表記として、どれが正しくてどれが間違っているか選んでみてください。

・50万円増
・150万円に増
・150万円増

これは多分全員正解でしょう。3つ目が間違いですね。
では次です。

・昨対50%増
・昨対150%に増
・昨対150%増

上と同じ並びにしたので、ご理解いただけたんじゃないでしょうか?こちらも3つ目が間違いですね。150%増えると2.5倍になった事になります。

「対比」と「増加率」を混同しないように注意しましょう。


よくある誤用②比率の変化

もう一つの、非常によく見かける間違いが「%と%の差分を%で表記しちゃう」というものです。
残念ながら、大手企業の公式なリリース文などでもたまにこの間違いを見かけます。

例えば、あるサービスの普及率を調査した結果のデータがあるとしましょう。わかりやすいように、回答数を1,000名として考えてみます。

昨年4月に調査した時は1,000名中100名が使っていましたが、今年4月の調査では150名に増えていました。
100名→150名、つまり1.5倍に増えたという事ですね。
昨年同月比で150%(=150÷100)の実績、増加率としては50%(=50÷100)増えたという言い方が出来ます。

注意して欲しいのは、これはあくまで人数の増減を%で表した表現だということです。

では、人数ではなく比率で見てみましょう。
この場合、10%→15%に増加していますので、引き算して「5%増えた」と言いたくなってしまいます。
しかし実際には1.5倍になっているわけですから、「◯%増えた」と言いたい場合は「50%増えた」(=50÷100)と言うのが正解です。
ちなみに「5%増えた」だと、100名が105名(=100×1.05)になった事になります。

どうしてもこの「5」という値を使って表現したい場合は、「ポイント」という単位を使います。耳慣れない方もいるかもしれませんが、それだけ多くの人が誤用している証拠だと思ってください。
「5ポイント増えて15%になった」というような使い方をします。

全然違う意味になってしまうので注意しましょう。

ちょっぴり小難しく言うと

バリバリに文系な私が数学(というか算数)的な事を言いますが、「%」はあくまでも割合を表す単位です。
割合を出すには割算をしなければなりませんし、割算をするには分母と分子が必要です。
そして、割合を表す「%」の数値は分母にも分子にもなれません。
また、「%」は割算の結果にしか使えない単位なので、引き算の結果を「%」で表す事はできません。

最後に

最後までお読みいただきありがとうございます。
自分の中でモヤモヤしていた事をアウトプットできて、ちょっとスッキリしました。
私の説明に誤りがありましたらご指摘ください。

実はワイドショーなどでも間違って使われているんですよね。消費税が上がった時とか。
8%が10%になった時によくこの間違いを見かけました。

細かい事なのかもしれませんが、実態を正しく理解したり説明するには、結構大事な考え方なんじゃないかって思います。

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