ダンスゲーム卒業?
大学2年生の頃、「DanceEvolution ARCADE」というダンスゲームにハマっていた。
センサーで体の動きを認識して判定が出る仕組みになっており、いわば「ゲーセンで思いっきり踊る」ことになる。
思えばあの頃は、音ゲーマーのように難関譜面で高得点を出すことではなく、もはや「公共の場で一人踊るという羞恥心により全身の毛穴から汗が吹き出すような感覚」に喜びを見出していた気がする。
あれから10年弱が過ぎ、在りし日のDanceEvolutionはとっくに更新終了。今や過去のゲームと化してしまった。
代わりに、現在は「DANCE aROUND」というゲームがある。おそらく後継機種の位置付けなのだろう、今でも頻繁に新曲が追加されている。
こちらのゲームはDanceEvolutionよりも振り付けが簡素化されているものが多く、曲によっては初見でも難なく楽しめる。
自分も何度か遊んだことがあったが、手応えに欠けるのか、若さを失ったのか…あの頃のように、ゲーセンに足繁く通う気は起きなかった。
そんなある日、Xで面白そうな企画を見つけた。
こちらの主催者さんはDANCE aROUNDの振付参考動画をたくさんアップされており、上記のような参加型「リレー動画」企画も、過去に何度か実施されていた。
そんな中で、今回の企画が我が目を惹いた理由は、ズバリ課題曲だった。
「この2曲、大学生の頃に振付覚えたやつや!今も踊れる!!」
迷う気持ちもあったが、ここはいっそ勢いということで「参加」の意思表示を送った。
…数週間後。平日の仕事帰り。
提出用の動画を撮るために、ゲーセンへと向かった。
筐体の周囲に人がほとんど居ないのは、幸いだった。
極力一発撮りで済ませたかったので、今の自分をフルに出し切る思いで2分×2曲を踊った。
さて、普段ろくに運動もしない、BMI「やや肥満」判定の人間が、4分間も本気で踊ったら一体どうなるだろう?
その結末は、ある意味想定内だった。
足の裏がズキズキと痛くなり、無性に胸が気持ち悪くなった。
ゲーム終了後もすぐに帰ることができず、暫し近くのベンチでうなだれていた。
体力というのは、気付かぬうちに、かくも落ちぶれていくものなのだろうか。
「もう歳みたい」と自らに言い聞かせ、ダンスゲーム卒業を誓った帰路だった。
後日、撮った動画にぼかし加工を施して、主催者さんに送った。
やがて、下記の完成品となって公開された。
随分派手な演出だ…()
こうして他の参加者さんたちを見渡してみると、自分より断然年上と思われる人もいたし、大半がエンジョイ勢と思しき雰囲気だった。
そうだ、別に自分はダンサーでも何でもない。
ちょっと体力的にキツかろうと、振り返って「楽しかった」と思えたら、それでいいんだ。
動画を撮った直後は、自分の踊りを見て「暴れてる感じ」「ターンが惨めすぎる」「体力不足で振りを端折ってる」などと落ち込んでいたが、改めて見返してみると、何だかもう少し認めてあげてもいいような気がしてきた。
「普段運動してない割には、及第点では?」
「思いの外、“やや肥満”らしからぬ動きができているのでは??」
「努力次第では、この歳でも“そこそこダンス上手い人”になれるのでは???」
お目汚し失礼…と思いつつ、実際に送った動画を抜粋したものを貼る。
(0:00〜「Daisuke」、1:23〜「LUV CAN SAVE U」)
また同じような企画に参加するか、またこのゲームで遊ぶかどうかは、正直分からない。
でも、確実に一つ言えることとして…
今回の企画に参加して良かったなぁ、と思っている!
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