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「『すずめの戸締まり』感想回」2024年4月5日

履修登録の最終確認をした。自分を客観的に見た時にどんな状況なのか、紙に書き出して整理するなどして、どう過ごせばいい感じの大学生ライフになるのか考えてみた。

でもこれ、もう普通に忙しくなりそう。耐えられるかな、受験期ですら大して頑張れなかった私が、ここに来ていきなりちゃんと整った日々を過ごせるとは思えないんだよな。自分に対する信頼があまりにない。逆に自信ある。

やっぱさ、何よりも学校が遠すぎる。大学図書館にもっと気軽に行かせてくれ!そういや高校も予備校も、遠かったからな。近かったら頑張れたのかな。たられば~。


ローソンで買ったまるでメロンパンみたいなシュー。おいこれ美味すぎるぞ?どうしちゃったんだ。


金ローで『すずめの戸締まり』を見た。初見です。

※以下『すずめの戸締まり』のネタバレを含みます。

まず、新海誠の映画には「これが見たくて見に来たんだよな~」って人のために作られてるみたいなところがある。この映画もそうだった。綺麗な映像、ボーイミーツガール、日本を襲う未曽有の大災害、あとなんだ、会話のテンポと、いい感じに主人公をフォローしてくれる気のいいサブキャラ等々…

でも私がこの映画の中で一番心が動いたのは劇中で地震速報のアラーム音が鳴った時だった。心が動いたっていうか、ただ普通にビビった。あんなん映画館で観てた時に鳴りでもしたらみんな携帯出しちゃうよ。ああいう音を劇中でデカい音で流していいものなのか…ちゃんとした批判も全然できそう。

映画の中身については、全体的な印象として、テンションがちぐはぐだなぁってちょっと思った。最初主人公の一人の草太がイスにされるところでウケた。そんな急にトイストーリーみたいな…しかもこのイスがめちゃめちゃ動く。ピクサー始まった?

あとそれから、芹澤っていう見た目の割にやたら気が利いて都合のいい男が登場するんだけど、そいつがオープンカーで走ってる時にちょい昔の歌謡曲を流してて、そのシーンのセンスだけ他のシーンから浮いててこれも面白かった。ここでそういう雰囲気をぶち込むんですか!?って感じじゃなかった?見てるときはそう思ったんだよな。

むしろ、そういうちぐはぐな感じのおかげで最後まで見れたとこあるかも。

ストーリーについては、正直そんなに深みを感じることはできなかった。主人公の女の子、鈴芽のトラウマティックな過去とそれに起因する停滞した生が、草太との出会いと旅の中で受け入れられ、動き始める…的な解釈を私はしたけれど、どうなんですかね。

それ自体はいいんだけれど、描かれ方が観念的すぎるというか、想像力豊かすぎるというか、美麗グラフィックすぎるというか…なかなか言葉にするのは難しいけれど、そういう「~すぎる」さでかえってわかんなくなっちゃってたかも。向き不向きの問題かな。

てか、この映画が東日本大震災をこんなフィーチャーした映画だって知らなかった。序盤も序盤でそれを匂わせるシーンは振り返れば確かにあったけど、明確に示されたのは映画のラスト3分の1くらい?私もそこで初めて標準語を喋る主人公や序盤の雪の描写の辻褄が合った。

さっきからちょっと不満めいたことばっか言って申し訳ないけど、東日本大震災をこの物語の核に置いちゃってることには流石に「ど、どうなんだ…?」という気持ちは隠せない。穿った見方だけど、あの震災を単に日本人共通のシリアスな話題としてだけ消費してるように見えちゃうところではある。

私自身は震災の被災者ではないし、被害があったところから随分離れたところに住み続けてるけど、地元には実際に被災して住んでいた場所がなくなってこっちに移り住んできた、私と同学年の人がいるのを知ってる。当然その人にとって東北の地が特別であることも知ってる。

そんなところも想像して、単なる人間である主人公たちが超自然的でフィクショナルな活躍をして、それによってたくさんの人が亡くなってしまうような大地震が起こるのを物理的に止められるとか止められないとか、そういう話をしてる場合なのかなぁと思ってしまう。

災害や事故にまつわる個人の物語は特に、それが終わってから紡がれるものであるしかないと私は思ったりする。それはいつ誰に起こるかわからない偶然のもので、解釈によってしか語れないから。加えて、こと「地震」についての物語(=人の生き様と言っていい)はここ日本では実際にたくさんのものが積み重ねられてきている。だからこそ、この映画にもその部分の厚みがほしかった。(客は求めてないかもだけど)

つまりですね、新海誠映画が扱うには「地震」はあまりにリアルすぎたってことに尽きるのかもしれない。流星が落ちるとか東京が沈没するとか、それくらいがちょうどいいんじゃないかな。今度はそういう映画を作るといいと思います。

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