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2021/09/22「証跡を残しましょ〜よ」

木曜は秋分の日らしい。その関係から毎週木曜日発売のヤングジャンプが水曜日発売になっていた。つまりは、こういうことだ。

『少年のアビス』最新話更新である。

連日連夜ツイッターで大騒ぎしているのだが、わたしは峰岸玄が好きだ。それは、彼が田舎のホモソーシャルのボス猿として振舞っているからで、彼をそうさせる田舎という最悪の閉鎖社会が好きだからだ。

少し足を伸ばしたところでこどもが行ける範囲なんて限られている。峰岸玄は、自分を取り巻く環境から、見知らぬ高齢者たちから向けられる「峰岸建設の跡取りである」という視線からは逃れられないのだ。

この要素だけでもかなり好きなキャラクターなのだが、彼の人生には黒瀬夕子が否が応でも付き纏う。恐らくは母性に恵まれた生活ではなかったのだろう。そんなこどもに、黒瀬夕子が操り、そしてひけらかした「母性」はかなり効く。無情なほどに。

わたしのツイッターのヘッダーにも掲げている通り、わたしという一個人に標語をつけるのであれば、それは確実に「ホモソーシャルVSファムファタル」だ。ホモソーシャルは劣位に置く、男社会で譲渡し合う女がいなければ成立しない社会なのだが、男社会で譲渡された女が内側から社会を腐敗させるファムファタルであった場合はどうか? 日々、そんな問いを己に向け続けている。

数日前に『アビス』についてはまとめ記事のようなものを上げているが、幸先よく予想が的中していてよかった。後出しジャンケンにならないように文章化しておくことを今後も怠らないようにしたい。

文章化、と言えばこれについても言及したい。霊媒探偵城塚翡翠シリーズ(シリーズとして語ってもよいのだろうか)の一作目だ。元々Unlimitedの対象となっていたためKindleで読んでいたのだが、なんだか捗らなかったのでその後オーディオブックに切り替えた。

半分ほど読み(聴き)、恐らくこういう話なのだろうな……とあたりをつけていたものが的中したのだが、惜しむらくはそう思った旨をどこにも残していなかったことだ。これでは、当然格好がつかない。

ミステリ読者として格好がつかない行為に「その可能性はすでに考えた」と完全に答えが提示されてから物申すことだ。そんなことを表明したとて、文字や音声に残っていなければ、証明する術はない。なのでわたしも鬼の首を取ったように主張することもできず、もにょもにょとまるで言い訳するように実はトリック……というか、物語の構造はすでに見当がついてました、と小さな挙手をしておくに留めよう。間違っても、レビューサイトで☆2をつけてイキらないように。これはただの自戒であり、実在するレビューは無関係だ。本当だよ。

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