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2021/09/19「はじまりはおしり」

現在、名古屋市博物館で開催されているムーミンコミックス展に行ってきた。ムーミンの基礎知識はムーミンとスナフキンのキャラデザしかなかったのだが、それでもとても楽しかった。ムーミンの話がはじまる時にムーミンのおしりからはじまるという所謂お約束の部分や、トーべ・ヤンソンが女性であることなどもはじめて知った。

作家の性別の話でいくと、実はつい最近桜庭一樹の性別を知った。

『私の男』を読んだことはあるものの、作家の性別やパーソナルな部分が作品そのものに加点することはないし、個人的には「したくない」という明確な意思がある。

学生の時分にテキスト論を学んでいたこともあるためそう思うのだが、作家論の読み方を必ずしも否定するわけではない。あまりしたくないなと思っているのだが、わたしも作家論的な読み方をしてしまうこともある。同人での話だ。

同人の世界では、書き手と読み手の距離感がとても近い。だからこそ、書き手の人間性に惹かれ作品を読みはじめるという流れがあるし、書き手の人間性に失望して離れたりする。見えてしまう以上、心情的に避けようのないものはあるが、こうした心の動きが自らの中に発生した際にわたしはテキスト論の難しさを感じずにはいられない。

物語に公正であることは難しい。だからこそ、わたしは小説を真摯に信じていきたいと思う。

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