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2022/01/28「わたしはあなたになりたい」

世の中には様々な「賞」がある。そんな賞が……!?と驚くような賞や、誰もが聞いたことのあるような賞もある。

わたしも今まで様々な「賞」を与えてきた。ザッと調べただけでも、「顔が好きで賞」(『戦国無双5』の松永久秀、黒田官兵衛が受賞)、「今日も一日生活を頑張ったで賞」(わたしが受賞)、「ベストオブなにも考えていないで賞」(『FGO』のサポートを全部カレスコにした際にわたしが受賞)などがある。

ただ、今日に関してはそんなくだらない賞ではなく、こちら。

本屋大賞。今回のノミネート作品は以下の通り。

『赤と青とエスキース』青山美智子
『硝子の塔の殺人』知念実希人
『黒牢城』米澤穂信

『残月記』小田雅久仁
『スモールワールズ』一穂ミチ
『正欲』朝井リョウ
『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬
『星を掬う』町田そのこ
『夜が明ける』西加奈子
『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成

2022年本屋大賞ノミネート作

太字で示した作品は既読作品。この中の『硝子の塔の殺人』に関しては昨日聴読をし、読了改め聴了した。

元々このミスで9位にランクインしており、いつか読みたいな~と思っていたのだが聴読の再開、本屋大賞ノミネートなどの後押しがあり今回ようやく手に取った。

『硝子の塔の殺人』に関してはいろいろとふせったーを活用しつつツイッターで感想を書いていたのだが、この作品はあらゆるすべてで「構造」を察してしまう怖さがあるので中々大きな声でツイートするのは憚られる。そのため日記でもなんだかつかみ所のない感想になってしまっているのだが、ミステリーファンであればあるほど、古典的作品を読んでいれば読んでいるほどに楽しく読める作品だと思う。

わたしはそこまで古典と呼ばれるものを読んできてはいないので、あ~タイトルは知ってるな……くらいの温度感で通過してしまったものもあるが、それでも充分に楽しめた。そもそも本格ミステリーと呼ばれるジャンルが文学の世界においてはまだ年若いジャンルのため今でも現役の作家が多い中、作家での言及がバシバシ飛んでくる作風にはちょっと手に汗握った。別の意味で……。

もちろんこき下ろしているわけではなく、本格ミステリーを醸成させた先駆者たちへのラブレター的な役割も担っていることは疑いようもないのだが、こう、ビビるよね、目の前にラブレターがあると考えると……。わたしは外野という立ち場から身勝手にも「綾辻行人になりたい」という願いを持ちミステリー作家を志した若者たちに思いを馳せてしまった。

直木賞の時にも同じようなことを書いたが、既読作品の中から本屋大賞が出ればいいなあとついつい考えてしまうが、今回はどうなるんだろうか。なんとなくだが逆張り書店員たちは『黒牢城』には投票しない気がするが(悪口ではないです)、果たして。

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