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7歳の願い

『けっこんして
かわいいあかちゃんがうまれますように』

忘れもしない。小学1年生の私が
七夕の短冊に書いた願いだ。

担任の先生は女性の先生だったが、
これを見てどう思っていたのだろうか?私を見て少しだけ困った顔をしてから
にっこり微笑んでくれた。

私は小さな時からお母さんになる事を夢見ていたわけではない。

分からなかった。
七夕に何をお願いしていいのかを。
そもそも七夕に願う事自体がやってはいけない事だった。

とにかく丁寧な字で書いた。

お友達の短冊を見ると
『はやくじてんしゃにのれるようになれますように』
『ぴあののせんせいになりたい』
そう書いてある。

なるほど、そう書くのか、と思った。

欲しいものもなかったし、行きたい場所もなかった。感情が、あまりなかった。
いつも自分だけ人と何か違って、悲しかった。
でもどうして違うのか分からない。
私はクラスのみんなとは違う。
ただ耐えて受け入れるしかなかったように思う。

でも、もし今の私が7歳の私に一言声を掛けてあげられるなら、こう言おう。

『きっと、叶うよ』

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