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4月・5月の記事の予告など


 本年4月の記事の内容の予定は次の通りです。「はてな」は4月20日の記事で掲載を止めますが、ブログそのものは維持して、過去の記事の一部は残しておきます。3月30日、第2問(倫理事例問題)で使う社労士法等の条文を書き出します。いずれ条文の逐条解説をブログに書きますが、まずは条文を丸暗記するつもりで、紙に印刷して壁に貼るとか、スマホやタブレットに保存して、時々見るようにしてください。

3月30日(土)  第2問(倫理事例問題)で使う法令の条文

4月 6日(土)  ザックリとした話(その1)

4月13日(土)  ザックリとした話(その2)

4月20日(土)  基本書の紹介

<はてなにnoteを引用するのは、ここまで>

4月27日(土)  第1回過去問の解説(その1)

4月29日(月・祝)第1回過去問の解説(その2)

5月 4日(土)  第1回過去問の解説(その3)

5月11日(土)  第2回過去問の解説(その1)

5月18日(土)  第2回過去問の解説(その2)

5月25日(土)  第2回過去問の解説(その3)

6月 1日(土)  第2回過去問の解説(その4)

 第1回と第2回の過去問の解説が終わったら「最近の過去問の構造の分析と攻略方法」を、その後に「第1問の過去問解説集」、「第2問の過去問解説集」を(いずれも有料で)記事にしたいと考えています。(昨年までの蓄積がなく一から書く)民法の総則と不法行為の解説は、以上の原稿がすべて完成してから書き始めます。第1問のオリジナル問題集は、基礎編と応用編に分けて、前者は無料、後者は有料にと考えています。以上、すべて現時点での考えであり、予告なく私の事情で変更になることがあるとご承知おきください。

 これで、基本書を中心とする夏休みまでの受験勉強の予定を立ててください。4月から11月の試験本番まで、頑張って勉強しましょう。

 <前回の記事で頭出しした「実践法学入門」の特徴について書きます。>

富永晃一他著『ケースで学ぶ 実践への法学入門 考え方を身につける』(中央経済社 2022年4月25日 第2版第1刷発行)

(注)この本の目次の概略は次のとおりです。

イントロダクション

第1章 法とは何か?―――法源、三権分立、法解釈学など

第2章 法の構造―――――条文の構造・各部の呼称、条文からルールを読み取るなど

第3章 法の適用(1)法的三段論法―――規範の定立、あてはめ、結論など

第4章 法の適用(2)解釈――――目的論的解釈、文理解釈、論理的解釈、拡張解釈、縮小解釈、類推解釈、反対解釈など

第5章 判例、学説、行政解釈―――裁判所の解釈、行政解釈、学説、判決の構造、審級関係と最高裁判決の読み方など

第6章 法分野の外観―――公法、民事法、刑事法、労働法、行政法など

第7章 調査と発表――――発表資料の作り方、調査の進め方など

第8章 判例の読み方、調べ方――――判決文・決定文、判例評釈を読むなど

第9章 判例の射程って何だろう―――判例・条文を探す、事実関係を理解する、法律の条文を理解する、争点を理解する、結論と理由付けを整理する、判決の射程など

第10章  解釈の限界はどこまでか考えて見よう―――当罰性の検討、構成要件該当性の検討、立法と罪刑法定主義

第11章  論述問題を解いてみる

第12章  総合問題を解いてみる

 この本に書かれていて、特定社会保険労務士試験の受験勉強に役立つ情報(用語の解説など)として、次のようなものがあります(順不同)。

・条文の各部分の呼称

・六法

.・法律の解釈方法(目的論的解釈、文理解釈、論理的解釈、拡張解釈、縮小解釈、類推解釈、反対解釈など)

・民事法の視点

・労働法の視点

・判例の読み方・調べ方・射程

・法的三段論法

・事実認定

・主張事実

 初学者にとっては、知らない法律用語と法概念がたくさん出ていることと推測します。知らないこと・分らないことは、法律学小辞典5(先で紹介します。)で調べてください。それだけで本書を読む前の準備運動になります。判例の話がやっと第8章で登場しています。誤解をおそれずに簡単に言ってしまうと、第7章まで勉強しないと判例を読んでも理解できませんよと著者が言っていると言うことだと思います。初学者が、いきなり判例百選など買っても(読みこなせないから)無意味だと私は考えています。その実例を後日紹介します。

 紛争を法的に解決するには法的三段論法を用いること、パワハラによる損害賠償請求は民法の不法行為に基づくこと、懲戒事由と懲罰について就業規則に規定しなければならないのは刑法の罪刑法定主義の要請によること、不当解雇のときに用いられる解雇権濫用法理は最高裁判例によって確立された法理(労働契約法の規定の根拠になっている)であり最高裁判例は法源の1つであることなどを理解する前提となる情報が、基礎から応用に向かって順番に書かれています。事例として特定社会保険労務士試験と同じ個別労働紛争を扱っているので、受験生には馴染のあるテーマに沿って勉強できると思いますから、まずはこの本を熟読していただくと、受験勉強の基礎知識が身につくものと思います。

 第3章の法的三段論法は、特定社会保険労務士試験の第1問(紛争事例問題)・第2問(倫理事例問題)の両方を解くための基本となる手法(テクニック)ですから、よく読んで理解してください。また、過去問や練習問題を解く際に迷ったら、ここに戻って、基本から検討し直してみてください。

 ブログの記事で過去問の解説をしながら、(他の基本書とともに)適宜、該当箇所を引用していきます。民法、労働法などは別途基本書を挙げましたが、刑法、憲法などはこの本の記載程度で十分だと考えています。民訴法に関しては、対象範囲が狭いので、私が解説を記事に書きますから、基本書を読む必要はないものと思いますが、勉強をしたい方はご自由にどうぞ。

余談ですが、実は、上述の実践法学入門のはしがきに、次の文章を発見して驚きました。

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「慶應義塾大学の森戸英幸教授からは、本書のご推薦をいただきました。なじみやすく、わかりやすく、高度な内容を押さえ、しかも読んで面白い労働法入門書である『プレップ労働法』は、本書が目指したい1つの目標です。その著者でもある森戸先生からのご推薦を頂戴し、大変嬉しく存じ、また感謝を申し上げます。」

(注)太字の本は、森戸秀幸著「プレップ労働法[第7版]」(弘文堂2023(令和5)年1月30日第7版第1刷発行)です。

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 実際に、実践法学入門の帯紙(通称、腰巻)には、森戸教授の推薦文が次のように書かれています。一部抜粋します。

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 「この本の主人公である松本君。ブラック企業でもまれながらも、法学のおかげでひとつひとつの問題を解決し、成長していく。彼はそう、この本を読み終えた、これからの君。」

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 これら2冊の本は、再受験のためにもう一度受験勉強の仕方を一から見直す方にも、初受験でゼロから受験勉強をはじめる方にも、何度も読み返して、内容を理解していただきたいと考えています。ここ数年の特定社会保険労務士試験は、どんどん難易度が上がって来ていて、過去問を2~3回解いたら合格できた10年ぐらい前とは様変わりしているので、基本を大切にしていただきたいと思います。

追伸

 実践法学入門P185の最後に、「労働法について学び始めたい方に。最初の1冊として森戸英幸『プレップ労働法(第6版)』(弘文堂、2019)」と記載されています。蛇足ながら、第6版と書かれているのは、第7版が2023年1月に発行されているからだと思います。



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