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あなたを愛してくこと


こんばんは、のりです。
今回の小松未歩ラジオは
あなたを愛してくこと
1、2位を争うくらいに好きな曲です。
歌詞の世界観や年齢を考えるのは初めてです。
基本的にハッピーラブラブバラードはアレルギー反応出ちゃうんですけど、この曲はイントロのピアノの爽やかさや、主人公の明るさがシュワっとしてて、なんか好きなんですよ
ラムネみたいな
今回も掌編小説形式でいきます。
気に入ってくれたら嬉しいです。


あなたを愛してくこと


「ねぇ、あんたって、どーゆー子がタイプなの?」
『は?何急に。お前と正反対のタイプ』
「ひっどーい!何その言い方!」
『お前も昔は可愛かったのになぁ…』
「はぁ!?どーゆー意味よ!」

こんな会話をしたのはいつの時だっけ。
隣のクラスの女子に頼まれて、幼なじみのあいつに好きな子のタイプを聞いた時、あいつは面倒くさそうにこう答えた。

何故かそれからやけに
気になって
気になって

高校生になって、あいつは県内1番の高校へ。
私は地元の普通の高校へ。
最寄り駅は同じだけど、ホームが違う。
電車を待ってる時、時々見かけた。
中学までの学ランと違い、ブレザーは悔しいくらいにカッコよく見えた。
放課には本ばかり読んで、地味で大人しかったやつが、無口でクールなんて呼ばれたりして。

どうか誰も。
誰もあいつがかっこいいことに、気付きませんように。
願いながら知ってた。
あいつが地味に、密かにモテてること。

高校を卒業して、私は地元の工場に就職。
あいつは県外の大学に進学し一人暮らしを始めた。
いい口実だと思った。

「ねぇ、○○県に遊びに行きたい!あんたの大学ある所!案内してよ!」
『やだよ、そんなに知らないし』
「ねぇお願い!どうしても行きたいの!」
『なんでそんなに来たがるの?何もないよ?』

「…あんたが好きだからだよ」

『え?』
「あ、もし振るんなら、振る前に1回だけデートして。今度の土曜日!だからさ…」

明るく取り繕うとしたけど言葉にならなかった。
変な沈黙が続いた。
困ってる。
あーもういい。冗談だよって言おう。

『1回だけっていうのは…嫌だ』
「あーごめん冗だ…ん?」
『土曜日な。また連絡する』

これ、私、喜んでいいやつ?
喜んでいいやつだよね?

土曜日の朝。
スカートとか履いてみた。
知らない街。たくさんの人。
最寄りなんかより大きな駅。
約束の時間より30分も前に電車は着いた。
待った?待ってないよ!
そんなやり取りするのかな。
なんだか恋人みたいじゃない?
改札出たとこで待ち合わせだよね。
どこで待ってたらわかるかな。私は周りを見渡した。

彼はいつものように、本を読みながら、そこに佇んでた。

早すぎじゃない?
いつからそこにいるの?
私のこと、めっちゃ好きじゃん。
ニヤける唇を噛みしめ、私は彼の元へ走り出した。


解釈。
幼なじみの男女。
実は両想いでしたオチ。
特徴的な一部の歌詞だけ解釈書いていきます。

☆過去は過去で今は今 嫉妬してるだけじゃ
昔好きな人のタイプを聞いた時、お前と正反対のタイプだと、昔は可愛かったのにと言われた
昔の自分に嫉妬

☆コンコースに映る影を掻き分け走った
彼の事しか頭にないのですれ違う人が見えてない、影に例えた?

☆嫌がらず答え探して
両想い?とも取れる発言をしてるのにはっきりしたことを言わない彼。
ちゃんと返事をして欲しい彼女。

☆奔放な素振り見せるけど本当は揺れてる
裏を読んでよ  肝心なことはあなたから
茶化して平気なフリしてるけどけっこう傷ついてるんですよ?わかってます?
誤魔化さないで、付き合おうって言われたいんです!

あー可愛い。
私は中学からの男子2人と今でもしょっちゅう会いますが、こんな劇的なことにはならないですね。現実なんてそんなもん。
某いかつい公務員なんかは、中学までは色白で小柄で細かったのに今は・・・。みたいな。
あーあ昔は可愛かったのになぁって、そんなことを思い出しました笑
この2人はそのまま上手くいって結婚してほしいなって思いますね。
読んでくれてありがとうございました。