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ありがとうは先送りにしない

自分の人生なんて、いつ、どんなふうに終わるかわからない。

なので、「ありがとう」を伝えることは先送りにしないように意識している。

もともと職場でも報・連・相を徹底させられた世代だし、幼少期も夏休みなどに祖父母のところに遊びに行ったあとはすぐにお礼の手紙を書くようにとわりと厳しかった気がする。

それと小学生の頃に仲良かった友達のおばあちゃんの言葉で「行動してもらったことは、行動で返せ」というのも妙に納得して、胸に落ちたことを覚えている。

最期のとき、念を押すように「ありがとう」を言うならきっと息子たちに、そしておっとに言いたいだろうなと思う。

でももしかしたら、息子たちには「ごめん」かもなぁ。

母の葬儀のとき、棺の中の母に最後にかけた言葉は「もう少し分かり合いたかったね」だった。

母は私に何を伝えたかっただろう。
認知症になってから10年、もやもやする意識のなかで伝えたいことがあったんだろうか。最後の数年、「あーあー」としか言えない自分をもどかしく感じただろうか。
だとしたら、それは…辛かったやろうなぁ。

そうなるとやはり、「ありがとう」は先送りせず言いたいと思ったときに伝えよう。

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