マガジンのカバー画像

ファームエイジ これまでの実績

12
【放牧の専門家集団】ファームエイジ㈱が過去に取り組んだ事業などをまとめています。
運営しているクリエイター

#ヒグマ

知床五湖の電気柵がつなぐ、ヒグマと人の共生関係

クマ用電気柵への挑戦「ヒグマの生息する知床五湖に電気柵を」という話が立ち上がったのは、確か2004年(平成16年)のことだったと記憶しています。環境省からの依頼でした。 人間が知床の自然の中に入っていけるような遊歩道をこれからつくりたい。そのためには、ヒグマが登ってこられないような仕組みが必要である、というわけです。 ここでのテーマはあくまで、「観光客の安全」と「ヒグマとの共生」。 排除のためではなく、なるべくヒグマのあるがままの姿を守りながら、それを安心して観察できるだけ

旭山動物園に電気柵を 動物を見つめる者同士の結びつき

はじめに 私が訪れた頃、1994年(平成6年)の旭山動物園は、こう言ってしまってはなんですが、ほぼ壊滅状態でした。  その最も大きな原因は、エキノコックス症です。 経営難に加えて人気動物の病死、風評被害と悪い事態が続くわけですから、園にとって一番のピンチだったのではないかと思います。すべてを払拭して立て直すには、園の動物たちを野生のキタキツネから守る必要がありました。 この「キツネを園内に入れない」対策の一つとして、電気柵の設置をご提案させていただいたところから、ファー