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ファームエイジ これまでの実績

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【放牧の専門家集団】ファームエイジ㈱が過去に取り組んだ事業などをまとめています。
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2022年3月の記事一覧

「創地農業21」誕生秘話

私が代表を務める、「創地農業21」という団体があります。 「地球環境に負荷をかけず生活(経営)として成り立つ農業を世の中に広める」ことを使命とし、「グラスファーミングスクール」を主とした取り組みを行っています。 創地農業21は1995年に発足、1996年より活動を開始しました。 発足当時、私は副会長であり、会長を務めていたのはハンバーグレストラン「びっくりドンキー」の親会社である「株式会社アレフ」の創業者、 故・庄司昭夫氏でした。 庄司社長は非常に勉強熱心な方でした。

国内初「エゾシカ対策用電気柵」誕生秘話(後編)

この記事は、先週に書いた「国内初『エゾシカ対策用電気柵』誕生秘話(前編)」の続きとなっています。 まだお読みになっていない方は、よろしければこちらからどうぞ↓ 貢献の実感、目の前の一人から シカ用電気柵の商品化に成功してすぐ、私は車で美幌峠を下っていました。すると、周りを森に囲まれたその場所に、大きな畑があるのが見えました。 「いかにも野生動物の被害に遭っていそうだな」と思った私は、すぐに車を止め、畑の隣の民家へと足を運びました。飛び込み営業です。 応対してくださったご主

国内初「エゾシカ対策用電気柵」誕生秘話(前編)

1985年創業当時、エゾシカによる北海道の農作物の被害額は約1億円と言われていました。 現在(約40億円)と比べるとまだ軽い方だと感じられるかもしれませんが、1980年代といえば、メスジカの狩猟禁止などの鳥獣保護政策が先立ち、シカの個体数が急激に増加し始めていたころ。 農業に携わる人たちが段々と、危機意識を持つようになっていました。 放牧用の電気柵の販売営業に回っていた私も、もちろん例外ではありません。エゾシカ被害は生産者さんの経営、生活に大きく影響します。被害防止のために