薬剤師国家試験の概要をFラン薬剤師が解説する ~全体概要編~

今回は、薬剤師国家試験の概要について、私見で解説します。


日程

試験は例年2月、土日2日間にわたって行われます。年に一度しかありません。国試浪人などというのは、人生の貴重な1年間をムダにすることにつながり、将来の自分に多額の負債を残すことになるので、受験できるのならば一発で受かりましょう。(進学や当該資格を必要としない就職が可能ならば話は別ですが)
1日目の午前に必須問題、1日目午後から2日目にかけて一般問題の試験が行われます。

配点と得点

全345問のうち、90問が択一式の「必須問題」、残りの255問が複数の選択肢から1つないし2つを選ぶ「一般問題」です。さらに一般問題は、理論問題105問と実践問題150問に分かれますが、これらは一緒くたに考えて差し支えないでしょう。必須問題については、「全問題への配点の70%以上で、かつ、構成する各科目の得点がそれぞれ配点の30%以上であること」という足切りがあります。
期待値の高い必須問題で得点を稼ぐに越したことはないのですが、あまりそれに固執しすぎなくても良いと思います。なぜなら、必須問題は単に知っているか否かというだけの薬の知識を問う問題の比率が高いのに対し、一般問題には、常識的に考えたり論理的に考えたりして解決できる問題がある程度存在するためです。
では、要の取捨選択についてですが、まずは知識のみを問われているか否かを見極めます。そうであれば、考えたところでどーにもならないので、とにかく時間をかけずに回答するとこです。そうでない場合でも、学歴によって絶対にクリアできない壁があるため、無理なら諦めて塗り絵するしかないです。いずれにせよ、取れない問題はコラテラルダメージと受け止め、取れる問題に注力して回答時間を有効利用するのがよいでしょう。

ボーダーライン

合格点について、かつては絶対評価で225/345問でしたが、第101回以降は相対評価となっており、合格者数を1万人程度で調整しているようです。薬剤師の供給過多に対して厚労省が今後どう対応してくるかはわかりませんが、第108回を除いてかつての225を超えたことはないので、例年並みの難易度を想定してそこを目標にしておけば当面は問題ないと思います。
逆に、それより上を目指して“国試のプロ”になったところで仕方ないですし、底辺薬学生はもっと他に学ぶべきことがあると思います。

禁忌肢について

選択したらアウトの肢「禁忌肢」について、結論から述べると、あまり神経質にならなくてよいと思います。まず選ぶことはないでしょうし、これまでのところ2ストライクまで許されるよう配慮されています。

まとめ

以上を総括して私が伝えたいのは、国家試験受験に際して「こうでなければならない」という考えに縛られることなく、とりあえず225をクリアできるよう柔軟に対応したら良いのではないかということです。

薬剤師は、司法試験や公認会計士のように、ごく一部の超人しか受からない難関資格ではありません。偏差値の低い大学では“一世一代の大勝負!”みたいな変な空気感があると思いますが、単なる通過点でしかありません。勘違いしないようにしたいです。

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