薬剤師国家試験の結果について思うこと

令和6年3月19日、第109回薬剤師国家試験の結果が公表されましたね。
合格率等の情報は、厚生労働省のウェブサイトから確認することができます。

ただし、
周知のとおり、中堅以下の私大においてこれは何の意味も持ちません
極端な話、一人が受験してその一人が合格すれば合格率は100%なわけですから。厚労省が誤っているわけではありませんが、曇りなき眼で実態を知るためには、とにかく文部科学省の情報を参照してください

一昔前と異なり、今はこうして知ることができます。


見かけの合格率を上げるため、大学側が受かる見込みがないと判断した学生には国家試験を受験させないという問題について、妥当な措置であると思われる方もいるでしょう。しかし、実際に下位私大薬学部を経験した立場から、このやり方にはいくらかの弊害があると考えます。詳しくは下のURLから過去の記事をお読みいただきたく存じます。

私としては、少なくとも共用試験を経て実務実習を修了し、モデル・コア・カリキュラムの要件を満たす卒業研究を行ったのならば、国家試験受験の機会は平等に与えられて然るべきと考えています。それで合格率が低かったところで、それがその大学の程度であるということにほかなりません。もちろん、ビジネスとして国試合格率が重要なことは承知していますが、“大学”としての意義を喪失しすぎてはいないでしょうか。

この春、不本意な私立薬学部への進学を予定している方がもしここに辿り着いていたら、今一度自分に問うてください。
本当にその環境を生還できるのか、そもそも薬剤師にこだわる必要があるのか等々…
大学受験で真面目に頑張った人ほど、私大薬学部のやり方は不合理に感じるのではないかと危惧しています。入学金や1年分の学費は大変な額ですが、将来を見据えて損切りと割り切る勇気も必要です。これについては親御さんや恩師とよく相談してほしいと思います。
私は、奈落の底で悲しい思いをする人が一人でも減ることを願っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?