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極東書店ニュースNo.728 日本人著者・編者 日本関連テーマ 注目タイトル

極東書店ニュースONLINE、2024年7月22日に新着書誌情報を追加いたしました(No.728)。その中から日本人著者・日本関連テーマの注目タイトルをご紹介いたします。全て予約注文可能です!

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17世紀ローマへの日本の使節団-伊達政宗のコスモポリタンな夢


Lucchese, Kathryn M., A Japanese Mission to Seventeenth-Century Rome: Date Masamune's Cosmopolitan Dream. (New Studies in Modern Japan) 230 pp. 2024 (Lexington Books, US) <728-177>

主要人物に関する論考、詳細なオリジナル地図、そしてこれまで英訳されたことのないイタリアとラテン語の現代資料から描かれた物語を通して、欧米ではあまり知られていない慶長遣欧使節団(1616-1620年)を紹介した1冊。

著者は、使節団が太平洋、ニュースペイン、大西洋を横断し、スペインとイタリアを巡り、ローマで凱旋パレードを行った後、仙台に戻るまでの長い道のりを描いていています。日本史、グローバルヒストリー、キリスト教の歴史などに関心を持つ研究者に。


大住康之編 構造変化、市場集中、不平等-マルチ・セクター分析


Osumi, Yasuyuki (ed.), Structural Change, Market Concentration, and Inequality: A Multi-Sector Analysis. 150 pp. 2024 (Springer, GW) <728-213>

日本の産業におけるICTやその労働力、不平等の拡大、AIや市場集中などの分析に関する論考が集められております。

所得格差の拡大と労働分配率の低下のメカニズムを、マクロ経済学、成長、技術、労働市場の観点から明らかにし、構造変化の影響、人工知能の進歩、市場集中の現象が不平等と労働分配のダイナミクスに与える影響という3つの研究テーマを理論と実証の両面から取り上げています。


鳥居昭夫著 ハイリスクなプロジェクトにおける意思決定


Torii, Akio, Decision-making in High-Risk Projects. 108 pp. 2024 (Springer,  GW) <728-216>

原子力発電に伴うリスクの大きさが社会的に認識される中で、危険な原子力発電事業が十分なリスク評価なしに進められる様々な要因を明らかにし、体系的に確認した1冊です。

電力会社による規制の掌握の可能性、電力会社が早期警告の兆候を隠す可能性、軽微な事故さえも許容しない過剰な安全性への社会的要求、責任の曖昧さといった制度的要因を、経済モデル分析によって厳密に検証、技術開発において一般的なアプローチである試行錯誤が、なぜ原子力では特に困難なのかを論じています。


梶谷懐編 中国におけるイノベーション促進政策と制度改革


Kajitani, Kai (ed.), Innovation Promotion Policies and Institutional Reform in China. (Kobe University Monograph Series in Social Science Research) 156 pp. 2024 (Springer, GW) <728-242>

本書は、中国の新産業分野におけるイノベーションの背後にある政治経済、特に法の支配がない中での政策や政府規制の影響を、政治学や法学の知見を活用しながら、多角的に解明することを目指しています。

貴州省のビッグデータ産業振興政策、「輸入代替デジタル化」政策、政府の知的財産権戦略などを検証することで、中国政府の産業政策がどの程度イノベーションを刺激してきたかを実証的に明らかにし、デジタル・プラットフォーム企業に対する独占禁止法の導入や知的財産権裁判制度の整備など、中国における「法の支配」をめぐる問題を詳細に検討、そして産業指導資金が地域金融部門の効率性に与える影響や、地方債発行が地域間の資源配分の有効性に与える影響など、産業政策において地方政府が果たす役割に焦点を当てています。


紺野登著 構想力


Konno, Noboru, Koso-ryoku: Conceptualizing Capability: For Innovation and Management in the Age of Para-existence. X, 200 pp. 2024 (Springer, GW) <728-399>

本書は、イノベーション時代を生き抜くために最も重要な能力である「構想力」について考察しています。

認知と現実の境界を越えて概念を形成し、イノベーションを推進する人間の根源的な能力である「形成的概念化能力」を、イノベーションとマネジメントのための中核的な知識方法論として提唱。西洋哲学における想像力に関する伝統的な研究が、東洋的思考法に基づく知識創造理論と組み合わされ、この
「構想力」をイノベーション・マネジメントの中核に据えるべきであると主張し、現代の課題を乗り切るための洞察と原則を提示した1冊です。


池上重輔他著 断固たる日本-企業の復活を築くリーダー


Ikegami, Jusuke J. J. / Singh, Harbir / Useem, Michael, Resolute Japan: The Leaders Forging a Corporate Resurgence. 176 pp. 2024 (Wharton School Pr., US) <728-422>

日本の新しいリーダーシップ・モデルが、いかに日本のトップ企業を変革し、ビジネス成功のための新しいパラダイムを生み出したかを明らかにした1冊。

日立製作所、ホンダ、三菱自動車、日産自動車、NTT、パナソニックなど、日本で最も影響力のある大企業のCEOや経営幹部100人以上とのインタビューから得た知見を紹介し、日本企業を見事な復活へと導いた新しいリーダーシップ・モデルを明らかにしています。


村山眞維編 移行期における日本の法曹


Murayama, Masayuki (ed.), The Japanese Legal Profession in Transition. (Economics, Law, and Institutions in Asia Pacific) 200 pp. 2024 (Springer, GW) <728-504>

本書は日本の法曹のキャリアへの、ジェンダーや法社会学の要素の影響などを考察したタイトル。2018~19年及び2021年の国家的サーベイと、個々の弁護士へのインタビューによる質的データをもとに議論が展開されています。

流動化する日本の法曹界の最新の姿と、変化する弁護士業務に対する世間の見方を示しており、日本の法曹、弁護士などの法の専門家、法社会学に関心を持つ人にお勧めいたします。


浅田正彦、玉田大編 ウクライナにおける戦争と国際法


Asada, Masahiko / Tamada, Dai (eds.), The War in Ukraine and International Law. 246 pp. 2024 (Springer, GW) <728-758>

ウクライナにおける戦争について、伝統的な国際法である開戦法規や国際刑事法、中立法などだけでなく、対ロシア経済制裁から生じた経済制裁やWTO、国際投資法などの比較的新しい問題視点からも考察を加えた新刊。

開戦から2年以上が経過し、国際法上の問題が複数発生、その解決に取り組む必要があり、その上基本的な国際法上の義務が遵守されず、基本的な国際ルールがまったく無視されているために国際法秩序そのものが脅威にさらされている現状を分析しています。国際法研究者にお勧めのタイトルです。


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