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ちりめん本の書影・書誌研究の集大成

ミュラー=モースベルガー 『ちりめん本 長谷川武次郎・弘文社・西宮與作 文献目録』第2版 私家版 全3冊 2020年 ザルガンス、ミューレホルン刊
 Mueller-Mosberger, Franziska A., Chirimen-Bon. Hasegawa Takejiro, Kobunsha, Y. Nishinomiya. Druckzeugnisse eines innovativen japanischen Unternehmers der Meiji-Zeit. 3 Baende. 2. Aufl. Druckerei: Goeldi Druck, Sargans, Einband: Baumgartner Kartonage, Muehlehorn. 2020. ISBN 978-3-033-07922-9 <R20-296>
Second edition, Oblong 23,5x34cm, volume 1: 354pp, supplement (20pp.), volume 2: 411pp, volume 3: 410pp, Original spiral bound.
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「ちりめん本」とは明治の出版人、長谷川武次郎(1853-1938?)が出版した、クレープ上に細かく皺を寄せた和紙からなる絵入りの和装本です。明治中期から昭和30~40年代頃まで出版されました。タイトルの多くは桃太郎や猿蟹合戦などの昔噺が採用されておりました。

当初は小学校の教科書や外国語学習を目的に作成され、茶色表紙に平紙で刷られた地味な作りでしたが、その後、ちりめん加工され、外国人向けの日本土産や、海外出版社と提携した輸出品として成功をおさめました。そのことから、長谷川武次郎は、日本の文化を海外へ発信した先駆的な出版人として評価されております。

本書は、スイスのちりめん本蒐集家のミュラー=モースベルガー女史が自身のコレクションと自身が所有していないタイトルの情報を丹念に調べ上げ、それらを纏めた文献目録です。総タイトル数は1150を超え、全ての頁はカラー刷りとなっております。1つのタイトルに表紙や奥付など特徴をとらえた写真を2~3枚収録しております。

一つとして同じタイトルは収録されておりません。ちりめん本は同じタイトルでも様々な言語の版が存在し、出版年、出版地、デザインをとっても微妙な違いが見て取れます。ちりめん本がいつからいつまで出版され、何種類あるのか、その全容は未だ分かっておりません。本書の刊行により、知られざるちりめん本の出版史が少しでも明らかになることを願います。

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