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【2020.05.21】もう少し「言葉にしない状態」に浸りたいので、書くのはまたの機会にとっておこうと思う。

「今日は冷やし中華」

もう昨日から、そう心に決めていた。

それなのにこの寒さよ。久しぶりに今朝は「布団から出たくない」と思ってしまった。薄手の掛け布団に変えてしまったので、もうミノムシ状態である。

掛け布団は、重ければ重いほど嬉しい派だ。今日はダンベルでも乗せて寝ようかな。


そう、冷やし中華だ。

子どものころは、実はこの冷やし中華という食べものが好きではなかった。何がと言われると言葉にならないのだけど、お昼ご飯で出てくると「あぁ、今日は冷やし中華か......」と小さくがっかりしていた。

本当に、なんで好きじゃなかったのかわからない。

5月に入って少しあたたかくなってきたので、だいぶ早い「冷やし中華はじめました」を自主開催した。大した期待をしていたわけではなく、「まあ、ちょっと暑いしね。いいんじゃない。どれどれ」くらいの気持ちで。


まあ、はまりましたね。冷やし中華、はまりました。冷やし中華、はまりましたを、はじめました。

今月に入ってからもう、1,2,3,4......7回食べている。

たいていはお昼に、からしで鼻をつんつんさせながら午後に向けてパワーを充電している。からしと組み合わせる術を編み出した人を褒めたたえたい。

そんな愛すべき冷やし中華を、昨日の夕方に突如、とんでもなく食べたい衝動に襲われた。冷蔵庫を開けると、3玉入っているパックが残り1玉になっており、「食べておくれ」と言わんばかりにぽつんとこちらを見ていた。

がしかし、昨晩はオンライン株主総会があり、開催までに作っている時間がないことに気づく。でもこの空腹では耐えられない。

仕方なく別のもので済ませ、「明日に取っておこう」となったのだった。そして、その「明日に取っておこう」の「明日」が、今日なのである。


なのに、この寒さよ。

さすがに冷やし中華の日ではない。でも食べたい。でも寒い。でもでもどうしても食べたい......あぁ......

そうして最後に思いついた手段が、湯舟に入り、身体をあたためてから冷やし中華を食べる、というものだった。

執念である。

今日もまた、からしで鼻をつんつんさせながら、かつて冷やし中華が好きではなかった子どものころの自分を思い出し、こんな言葉を贈りたいと思った。


大丈夫。焦らないで。
あなたはちゃんと、好きになれる。
冷し中華を。


昨日でこの日記も50日になった。

節目を迎えると「もういいんじゃないか」と気が緩むもので、実はさっきこうしてnoteを立ち上げてから思ってしまったのだった。


あぁ、書きたくねぇ。今日は、書きたくねぇ。


「誰か代わりに半分くらい埋めてくれないかな~」と、そもそもの目的を失った考えまで浮かぶ始末。そうして思いついた苦肉の策が、

「そうだ、冷やし中華のことで半分くらい埋めよう」

だった。半分どころか1,000字くらい埋められたよ。まったくなんの洞察もない内容で。冷やし中華の魅力すらも書いていない。

いったい夜の貴重な時間を使って何をやっているのだろう、と思うね。

そういえば昔、弟が国語のテストで「上記の文章を読んで感じたことを100字以内で書きなさい」みたいな設問に対して、こんなふうに答えていたのを思い出した。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~(90字本文引用)と書いてあった。

中身のない兄弟......


今日は本当はもっと良い話があったのだけど、もう少し「言葉にしない状態」に浸りたいので、またの機会にとっておこうと思う。

「言葉にする」というのは、無秩序に広がったクッキーの生地を●とか★とかのきれいな型で繰り抜くようなものだと思っている。そうして他者が初めて「●だ」「★だ」と理解できるようになる。けれど同時に、その周囲にあった外側の生地の存在は切り捨てられてしまう。

言葉にする前の思考や感覚は、型でわかりやすく繰り抜いてしまう前の「全体」だ。無秩序でつかみどころがないのだけど、そのときにしかない豊かさもある。「言葉にしてしまうと大切なものがこぼれ落ちそう」というあの感覚は、ここにあると思う。

それでも人は言葉にしようとする。こぼれ落ちてしまう感情や想いがあるとわかりながら。

だからこそ、そうしてでも選び抜いた言葉には、覚悟と力が宿る。

編集とは、著者のそういう断腸の覚悟に寄り添う仕事なのだと思っている。そうしてでも伝えたいことに寄り添う、そんな役目をもらっているからには、こちらもそれなりの覚悟で挑まなければならない。

冷やし中華のことなんか書いてる場合じゃないよ、まったく。

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