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【2020.06.03】なんだか、「私、有名人のお友達です」アピールみたいになってしまった。

オフィスまで自転車で1時間弱。「暑くなる前に出よう」と7:30に出発したが、すでにだいぶ暑かった。

信号待ちは日陰を求めてしまう。遠目に見て、横断歩道の近くに日陰がなさそうならば、瞬く青信号や、「そろそろ瞬くんじゃないか」と思う青信号を見抜き、ずっと手前にある日陰で保守的に止まっておく。

そうまでしたくせになかなか赤にならないと、「あれ、いけたんじゃね?」と後悔の念を抱かなくもない。「まだ瞬かないし、いまからこぎ出せば渡れるんじゃね?」と思いこぎ出した瞬間、パチパチと瞬き始める。

監視されている。タイミングをはかって信号を操っている、悪いやつがいる。

そんな妄想も織り交ぜながら、なんだかんだで初夏の朝の自転車は気持ちいい。

気持ちよすぎて、7km地点くらいから猛烈に眠くなった。


かつて日本を自転車で巡る旅をしていたとき、愛知県の岡崎あたりを北西に進む下り坂で、こぎながら数秒寝てしまったことがあった。ハッと気づいたらけっこうなスピードで坂を下っていた。

前日は、朝の5:00から夜中の25:00まで、静岡県の東端にある三島から愛知県の蒲郡まで、20時間くらいかけて一気に静岡を横断していた(ちなみにその前日は箱根越え)。

そんな猛烈な疲れのなかだったので、単調な直線で、しかもこがなくていい下り坂で、すっと意識が持っていかれてしまった。

そこに人気(ひとけ)はなかったけれど、いま思い返すとぞっとする。そのときは、意識が戻ってからすぐに「これはまずい」と思い、近くのコンビニに自転車を止め、駐車場の隅で仮眠を取らせてもらった。


そんな教訓があったので、今日の睡魔はほっぺたを引っ叩いて飛ばした。ほっぺは汗で湿っていたので、「ピチッ」という、なんだか情けない音がした。

「飛び散る汗、赤らむ頬」

とかいったら、なんだか青春っぽい。が、空を見上げると現実は、ちょっと曇った灰色の夏だった。灰夏である。


往復で約24km。

これくらいの距離の自転車による疲れは、とてもちょうどいい。ランと違って骨には衝撃がこないので、怪我につながる痛みはない。前傾になる上半身を支える腕にも、いい感じの負荷がかかる。

過去のあの旅の後も、前腕の肘に近いところの下部に、ちょっと見たことのないわけのわからない筋肉がモリっとついていた。手首も何度か炎症した。

全身をほどよく使えた今日は、よく寝れるといいなと思いつつ、あと500字、何を書こう。


そうだ、今日は嬉しいことがあった。

ちょっと前に破壊的に面白い文章に出会い(顔をほころばせて笑うことを「破顔」という)、「なんだこの筆者は!」と衝撃を受けていたのが、岸田奈美さん。

そんな岸田さんが開催するおもしろい文章コンテストが、キナリ杯。

そのキナリ杯の特別リスペクト賞のひとつである「たらればワンワン賞」に輝いたのが、

ひらめろんぱんさん。間違えた、ひらいめぐみさん。

この賞は前から気になっていた。破壊的に面白い文章を書く岸田さんが選ぶ「おもしろい文章」って、その筆者はどれだけのデストロイヤーなんだろう、と。

ひらいさんが選ばれ、納得してしまった。いろいろな仕事やプロジェクトでご一緒したことがあり、この人が生み出す数々のエピソードや文章には、幾度となく顔も腹筋も呼吸もデストロイされてきた。

(伝説のネタがあるけれど、公の場なので伏せておこ......)

なんだか、「私、有名人のお友達です」アピールみたいになってしまった。でもとにかく、着眼点も感性も表現も、とてもおもしろ素晴らしいので、ひらいさんの文章はぜひ読んでみてくださいね。

受賞おめでとうございます!


ところで、2時間後、1カ月ぶりの『キングダム』連載更新じゃね?

破顔しそう。

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