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【2020.06.29】退屈の蓋ごときでは抑えきれない創造への衝動は、退屈そのものをも創造の餌食にする。

バレエに関するある本を読んでいて、ふと思い出して久しぶりにこの動画を観た。

2015→2016年の年越しに行われた、東急ジルベスターコンサートにおける『ボレロ』。ダンサーは、この舞台を現役最後の場に選んでくれたバレエの女王、シルヴィ・ギエム。

当時この放送を観ていたとき、事情あってものすごく辛い時期だった。そんなときに、画面のなかに吸い込まれ、号泣し、終わったときには生まれ変わったような気持ちになっていた。

あの感覚は忘れられないし、いま見返しても涙なしには観られない。久しぶりにじっくりと鑑賞して、またしても魔術にかかってしまった。文字通り魔術、これは。

目覚めのような微動が連なり、徐々にエネルギーが高まり、伝染を駆動させ、支配にも似た魔力が生まれる。その支配力は、セビリアの酒場に集った客たち、周囲の男性ダンサーたちだけでなく、画面を易々と越えてこちら側にまで及ぶ。

支配された証拠として、思わず注文してしまった。

とても楽しみ。

気持ちが高じて、熊川哲也Ver.のボレロも観てしまった。

振付も演習もまったく違い、椅子という小道具まで登場する奇抜さ。けれど、これもかなりのインスピレーションを受け取った。

退屈の蓋ごときでは抑えきれない創造への衝動は、退屈そのものをも創造の餌食にする。


バレエはまだ生で観たことがない。ものすごく興味が出てきている。

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