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【2020.07.12】25年経って。

ボスニア・ヘルツェゴヴィナ東部、スレブレニツァで起きた虐殺から、昨日で25年。

大学時代にこの歴史を学び、ずっと心にひっかかり続けて10年。去年10月にこの地を訪れた。

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記事に写っている共同墓地にある石碑には、まだ人数が定まらない被害者の数字が、「...」という留保を付けて記されていた。ここにまた、9名が加わったということ。

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墓地の向かいにある、オランダ軍の基地になっていた元バッテリー工場には、過去の写真がいくつも展示されていた。そのなかにあった、両手をめいっぱい広げられなければ届かないほどの棺桶を抱えているボシュニャク人(ムスリム)の女性の写真があった。

僕はこれを一生忘れない。

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この訪問を含めた旧ユーゴの旅のこと、帰国してすぐにちゃんと書いておけばよかった。あのニュースを見て、心が一気に戻った気がする。


私たちは決して飽くことなく、お前たちを追い詰め続ける。常に私たちの誰かがお前を追い詰める。それが私たちの権利で義務なので

遺族団体代表の言葉。案内してくれたガイドの方の言葉の端々にも、同じ国に暮らすセルビア系の人々へも嫌悪感が滲み出ていた。

25年経っても、人々の記憶のなかでは、まだまだ終わっていないことがたくさん残っている。

7月は、僕にとってもまだゆるすことのできない出来事があった月。

たとえ何周年になろうと、終わってなどいないことばかり。

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