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【2020.04.04】それぞれが持つ半径を侮らない。そこには確実に手が届くのだから。
日記4日目。3日坊主回避!
その次の壁はなんだろう。
4日スポーツ刈り。5日ショート。6日ミディアム。7日ロン毛......
あるいは、4日僧侶。5日和尚。6日親鸞。7日ブッダだろうか。
日記では、書く内容よりも、文量を気にしている。とにかく垂れ流す練習なので、毎回1,500~2,000字くらいは書こうと(だから↑のようなくだらないことを書いて字数を稼いでしまう......)
今日は、前々からやろうかと思っていた企画もようやく始動できた。
これまでコツコツと延べ700冊くらい書き溜めてきた読書レビューをもとに、この家ごもり生活の支えになるのではと感じる豊かな本を紹介していこうと思っている。目標、週1冊以上。
ニーズがあるかわからないけれど、まずは動いてみようと思う。記念すべき1冊目に紹介した『星野道夫著作集1 アラスカ 光と風 他』、本当におすすめの紀行文なので、旅行に行けなくて悶々としている人はぜひ。この記事をシェアしてくださった方のコメント欄に、「星野さんの著作を読んで本当にアラスカに行った」という方がいらっしゃり、やはり星野さんが表現するアラスカのパワーはとんでもねーと痛感。
今日も昨日に引き続き、『ペスト』(カミュ著、新潮社)を読み進める。
いよいよペスト蔓延が深刻化し、オランの街も変容する。ある者は狂い、ある者は責務に基づいた行動を始め、そしてある者は為すすべなく死んでいく。
たまたまオランの街を訪ねていたせいで、ペスト発生により出られなくなり、恋人のもとへ帰れなくなってしまったランベールという人物がいる。なんとか裏のルートを使って脱出を試みるばかりだった彼が、やがて有志の保険隊への参加に名乗り出る心変わりのシーンに、胸が打たれた。
その変容の手前で交わされる会話がとても印象に残っている。
保険隊活動のヒロイズム精神が気に入らず、食ってかかるランベールに対し、医師のリウーは答える。
(前略)今度のことは、ヒロイズムなどという問題じゃないんです。これは誠実さの問題なんです。こんな考え方はあるいは笑われるかもしれませんが、しかしペストと戦う唯一の方法は、誠実さということです(p.245)
ランベールは、さらに食ってかかる。「その誠実さとは、なんなのか?」と。対して、リウーは次のように返答する。
一般にはどういうことか知りませんがね。しかし、僕の場合には、つまり自分の職務を果たすことだと心得ています(p.245)
SNSを開けば、大量のリツイートで拡散される有識者たちの言葉や、アイデアと影響力を持つ人々の素晴らしい行動への称賛が目に入る。大事なことだけれど、おそらく「自分はこの状況に対して何もできていない」といううしろめたさや焦燥感を抱く人たちも少なくない気がする。僕自身もそうだから。
そんな心境だったから、ヒロイズムではなく誠実さを説き、その誠実さとは「自分の職務を果たすこと」だと言ってくれた上記の言葉には、強く励まされた。
僕は「言葉」や「本」の領域で生きている。たとえ自分の行動がクリティカルな解決策とまでは言えなくても、自身の領域でできることをやってみようと思えた。その結果が、上述した本の紹介の取り組みでもある。
今晩20:00から、敬愛するアーティストのKOKIAさんが、Facebookを通じて生歌を配信してくださった。KOKIAさんも「今できる最初の一歩です」と仰っていた。その一歩に耳を澄ませ、歌詞とメロディーと歌声に浸り、僕は心から感動し、確かな元気をもらえた。
それぞれが持つ半径を侮らない。そこには確実に手が届くのだから。
その中で、小さくても良い影響を及ぼしていく。ヒロイズムに焦るよりも大事な誠実さは、そうやって誰もが実践できるのではないかと思う。
この日記を書いている途中で、上で紹介した「星野さんの本を読んでアラスカへ行った」と言っていた方が、追加でこんなコメントをくださった。
この時期、どうしてもネットに行きたがってしまいますが、デジタルデトックスの時間を設けて星野さんの本を開こう。ということを思いつかせてもらえて感謝です
やはり、想いは届く。たとえ小さな半径のなかであっても。
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