投資詐欺師が謳う高配当の出どころとは？

一体どうしたら、投資詐欺の被害に遭わずに済むのでしょうか。

実は、金融の専門家といえども
特別なルートがあるわけではなく、
詐欺会社の銀行口座を覗くといったことはできません。
投資詐欺を見破る上で、重要なヒントとなるのは、
彼らが公言している“リターン”です。
 
長年、金融業界で活動している者であれば、
高額なリターンを出し続けられないことを知っています。
しかし一般の方々は、詐欺師の口車に乗せられて、
「プロなら、高いリターンを出し続けることができるかも」
と思ってしまうのです。
 
通常は、高過ぎる配当や、
エージェントに支払っている報酬金額などを聞けば、
到底、何年も払い続けられる額ではないことがわかります。
たとえ投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏でさえ、
平均利回りは20％ほどだと言いますから、
基本的に年利20％以上を出し続けられる投資などない、
と肝に銘じておくべきでしょう。
 
もし、投資で高いリターンを出せないのに、
高配当を実現している投資案件があるのだとしたら、
考えられるのは「そもそも運用していないのではないか？」
ということです。
 
運用しない以上、お金は増えませんから、
後は新規客を募るしかありません。
要は、新しく会員になった人たちから集めたお金を
既存客への配当金に回すのです。
 
投資家は最初、エージェントの話を聞いても半信半疑で、
おそるおそる出資をします。
ところが、実際に高額な配当金を受け取ると、
すっかり信じてどんどんお金を投じます。
さらに、知人なども紹介して、
ドツボにハマってしまうのです。
 
詐欺師たちは、このようにして
お金を集められるだけ集め、ある日突然、出金を停止します。
慌てる投資家に対しては、あれこれ言い訳を並べて、
自分たちは残りのお金を持って高跳びします。
そしてまた別の場所で、
新たな詐欺商品を組成し、犠牲者を募るのです。
 
詐欺師は狡猾な上に、頭が良いのは確かです。
とはいえ、騙される人がいなければ、
彼らとて詐欺を続けることはできません。
だから私たちは、マネーリテラシーを身につけ、
彼ら以上に賢くならなくてはならないのです。
 
【参考文献】
PRESIDENT Online：2021年9月5日、他

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