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「ヴイアライヴ発表会」に対する批判について考える

なつをです。

今回は、「PROJECT IM@S vα-liv(ヴイアライヴ)発表会」に対する批判・意見・疑問などについて考えていこうと思います。
限られた情報から私の想像で補ってお話しするため、事実とは異なる可能性もございますのでご理解ください。
また、「中の人」などメタ的な話にも言及しますので、読む際にはご注意ください。
主に否定的・批判的な内容について話すので、「ヴイアライヴ」が好きな方は特にご注意ください。

前回は発表会について振り返りながら感想などを書いたので、よろしければご覧ください。

「PROJECT IM@S vα-liv(ヴイアライヴ)発表会」の配信はこちらからご覧ください。

『アイマス』である必要性

「ヴイアライヴ」は「PROJECT IM@S」名義でスタートした新規プロジェクトで、「ライバー活動からアイドルデビューを目指す『タレント展開』特化型プロジェクト」と銘打たれています。
『アイマス』の新しいコンテンツ、そしてアイドル育成・輩出機関としての役割に加えて、「"MR"-MORE RE@LITY-プロジェクト」(MRプロジェクト)の切り込み隊長としても期待されるプロジェクトです。
「MRプロジェクト」は2023年2月に移行した「PROJECT IM@S 3.0 VISION」の施策の一つで、『アイマス』シリーズのアイドルたちの活動の可能性を広げるべくゲームの領域に閉じない活動を目的としています。
「ヴイアライヴ」はその中でも「タレント活動」の分野で活躍していくことを目的としており、このプロジェクトで得られた知見は他の『アイマス』シリーズにも活かされていくことになると思います。
このようなノウハウは他のIPでも得られますが(「ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」も配信活動を行っている)、「『アイマス』がタレント活動をしている」というキャンペーンとしての役割も含まれていると考えられます。

既存のブランドに新加入する可能性

問題のスライド

次のスライドが配信で紹介され、「デビューしたアイドルが既存のブランドに新しく加わるのではないか」などの憶測が飛び交っています。

先に私の結論を申しますと、その可能性はありません。

問題のスライドでは、「ヴイアライヴ」から「THE IDOLM@STER」シリーズに「タレント展開の拡大」という矢印が示されており、これが憶測を呼んだと思われます。
このスライドを額面通りに捉えるならば、「ヴイアライヴ」からアイドルデビューをすると新しいプロダクションに加入することになる、と受け取れます。

勝股Pの発言

次に、そのような可能性があることを示唆するような発言があったかを確かめるため、このときの勝股Pの発言を抜粋して紹介します。

勝股P:
 アイドル候補生はまずはすでに活躍しているアイドルプロダクションの先輩アイドルの皆さんに肩を並べられるように配信活動からアイドルデビューを目指してまいります。
 そしてもちろん、見事デビューした暁には実際にアイドルとしてタレント活動を行っていく予定でございます。
 今回まずは3名からスタートしますが、ここから輩出したアイドルたちによっていずれは各ブランドに並ぶ「THE IDOLM@STER」の冠をつけられるほどのアイドルグループを作ること、そしてこの「ヴイアライヴ」自体も次世代のアイドルを誕生させられる、いわばアイマスにおける公式の研修生制度のようなものになっていければと思っております。
 ということで今回かなり特殊な立ち位置にはなるんですけれどもこのプロジェクトを通して、皆さんに新鮮な楽しみをお届けしながら、このシリーズに対しても新しい可能性を何か提案できるような、そういったシリーズにとっても良いプロジェクトになりたいなと思っております。

PROJECT IM@S vα-liv(ヴイアライヴ)発表会(10:22~11:12)

「ここから輩出したアイドルたちによっていずれは各ブランドに並ぶ『THE IDOLM@STER』の冠をつけられるほどのアイドルグループを作る」とあるように、「ヴイアライヴ」からデビューしたアイドルたちによる新しいブランドを作ると言及しています。
あえて無理やり曲解するならば、「(同じプロダクションに入って)『先輩アイドルの皆さんに肩を並べられるように』」と言えなくもないですが、かなり苦しいですね。

「オーディション」の主催

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、「オーディション」のルール説明の際にも根拠となるものが示されています。
次のスライドの右上をご覧ください。

「アイドル育成公開オーディション」は、アイドル候補生たちがデビューしたときに加入する新しいプロダクション主催となっています。
要するに、この新しいプロダクションが「アイドル候補生を育成しながら公開オーディションを行い、新しいアイドルを獲得する」という設定なわけです。

ただ、「公開オーディション」という言葉に引っかかっている方もいるかもしれないので、ご説明します。
「公開オーディション」には、「一般的にはクローズドな場で行われるものをテレビ番組などで視聴できるようにエンタメ化したオーディション(視聴者に公開)」「様々な事務所にスカウトの機会が与えられたオーディション(事務所に公開)」の2つの意味が考えられる(業界的には、「一般に告知され、条件を満たせば誰でも参加できるオーディション(参加者に公開)」のことを指すと思われるが、ここでは当てはまらないので除外)。
私は前者の意味であると考えていますが、後者でも意味は通ります。

後者の場合、「765プロ」などの事務所がスカウトとして参加するということになるため、既存の事務所から新しくアイドルがデビューする可能性が出てきます。
しかし、このオーディションのルールを踏まえると、後者の意味である可能性は低くなります。
2024年2月の最終審査で設定された審査基準をクリアすることでアイドルへ昇格となりデビューすることができます。
この最終審査でアイドル候補生がそれぞれクリアできれば、全員でデビューが可能になります。
言い換えれば、最終審査をクリアしたアイドル候補生全員を必ずデビューさせなければいけないわけです。
これを可能とするのは、主催である新しいプロダクションだけでしょう。
また、育成をしながらオーディションを行っていく形式であるため、主催が育てたのにも関わらず他事務所がかっさらってしまうのは許さないと思います。

メタ的な話

ここまで長々と論じてきましたが、「ヴイアライヴ」から既存のブランドに加入するとなると世界観が壊れてしまいますので、普通に考えてあり得ない話です。
アイドル候補生たちに「中の人」というものは存在しないので、CVを担当する声優さんたちによるライブやイベントへの参加もできません。

「タレント展開の拡大」

話が戻りますが、問題のスライドにある「タレント展開の拡大」とは何なのかについてもお話しします。
先にも述べましたが、「ヴイアライヴ」は「MRプロジェクト」の切り込み隊長です。
「ヴイアライヴ」での「タレント活動」が成功すれば、「THE IDOLM@STER」シリーズでも新しい活動の場が拓かれるのです。
先輩アイドルが「公式レッスン番組」に特別講師として登場したり、一緒にレッスンを受けてくれるかもしれません(野々原茜ちゃんが配信活動の極意をレクチャーしてくれるかも)。

スタッフィングへの不安

バンダイナムコエンターテインメント

原作のバンダイナムコエンターテインメントについては、ミライアカリの件が不安の一つとして挙げられています。
ミライアカリは同じバンダイナムコグループのバンダイナムコミュージックライブが運営するレーベル「GOOM STUDIO」に所属していましたが、2023年3月31日に引退をしました。
その引退理由が話題となっており、「運営との価値観のズレが原因」だったそうです。
また、この運営がやりたかったことが「ヴイアライヴ」でやりたいことなのではないか、という話もあります。
この件については、同グループではありますが会社は違いますし、私もミライアカリについては詳しく知らないので取り上げるのはここまでにとどめておきます(もしかしたら今後、詳しく調べてお話しするかもしれません)。

もう一つは「アイドルマスター SideM GROWING STARS」(サイスタ)の件でしょう。
「ヴイアライヴ」の発表会が配信される10日前(2023年4月4日)に「サイスタ」が同年7月31日をもってサービス終了することが発表されました。
「サイスタ」終了の理由は明かされていませんが、タイミングも相まって「ヴイアライヴ」に怒りの矛先が向いています。
「サイスタ」と直接の関係があるとは思いたくありませんが、「ヴイアライヴ」を非難する理由にしてほしくはありません。

Activ8

制作のActiv8キズナアイの制作会社で、2020年からは分社化したKizuna AI株式会社にキズナアイが所属しています。
キズナアイ関連では、分裂騒動などによる運営への不信感があるようです。
こちらに関しても私は詳しくないので、これ以上は言及しません。

アイドル候補生≠「VTuber」

これは非常に大切なことなので、次の機会にメインテーマとしてお話しします。
簡単にどういうことかと言いますと、アイドル候補生たちは「バーチャルYouTuber」でもいわゆる「VTuber」でもありません。
さらに、「バーチャル」な存在でもありません。
配信において、「バーチャル」「VTuber」という言葉は一度も使われませんでした(間違っていたら教えてください)。
「VTuber」に関連した批判が多くあったため、次回このあたりの認識を正していこうと思います(あくまで私の考えですが)。

「中の人」

こちらも同様に次回語りますが、「中の人」はいないというスタンスです。

システムについて

オーディション形式

「ヴイアライヴ」はこれまでの『アイマス』シリーズとは異なり、アイドルデビューを目的とした「オーディション」をコンテンツの主軸に置きました。

「公開オーディション」(前者の意)はエンタメとして日本でも何十年も前からテレビ番組などで親しまれており、最近ではリアリティーショーとして人気を博しています。
近年の「公開オーディション」では視聴者も推しの参加者を応援できる視聴者投票など参加型の形式が含まれていることも珍しくなく、視聴者を夢中にさせる一因になっています。
また、オーディションの段階から公開することで、デビュー前に広く周知しファンを早期に獲得することができます。
しかし、このようなオーディションを含むリアリティーショーは様々な深刻な問題(出演者への誹謗中傷など)を抱えているため、不安視している方もいらっしゃると思います。

「ヴイアライヴ」は一般的なオーディションと違って合格者の人数設定はなく、頑張れば全員がデビューできるので競争要素は少なく「達成型」のシステムになっています(競争要素としては、成績に応じて新しい活動の場が与えられます)。
アイドル候補生たちを過度に競わせるのではなく、視聴者が協力してくれれば問題なくデビューできるはずです。
「MORE RE@LITY」とは言うものの、悪い意味での「リアリティー」の部分が出ないことを願うばかりです。
私たちも言動には十二分に注意しましょう。

シビアなルール

頑張れば全員がデビューできると何度も申しておりますが、もちろん最終審査をクリアできなければそこで活動終了となってしまいます。
人気を得られなければ首を切られるというのは、特に今の『アイマス』には似つかわしくないと思っている方が多いようです(私も同じです)。

逆に出来レースで全員デビューは決まっているのではと考える方もいるようですが、コンテンツとして面白くできればそれでも良いかと思います。

プロジェクト自体の終了

アイドル候補生たちだけでなく「ヴイアライヴ」のプロジェクトも評価の対象となっており、投票で十分な支持が得られなければプロジェクトは終了します。
「最初から失敗を想定」「責任逃れ」などの批判の声があり、運営の覚悟に疑問を感じます。
本当に覚悟を決めるのならば、アイドル候補生たちのためにもどんなにコケても続けていくと宣言してほしいと思います。

投票機能

4月現在、プロジェクトへの支持投票と「FIRST IMPRESSION」をテーマとするアイドル候補生たちへの投票が行われています。
オンライン投票でよくあることですが、不正な投票や「ネットのおもちゃ」にされる危険性があります。
「4月の投票」についての免責事項では、「投票は一人一回まで」「複数端末を使用して投票することは禁止」となっています。
しかし、「投票行為」(投票のボタンを押すこと)に対して「IPアドレス」「端末」「バンダイナムコID」による制限は今のところ掛けられていないようです。
「端末」の制限はありませんが、「ブラウザ」では制限されているようで、キャッシュをクリアしても投票は保存されています。
また、投票に「バンダイナムコID」でログインする必要はありません。
「投票行為」をしたその時には投票数に「+1」されて表示されますが、実際には加算されておらず投票数に反映されないようです(別端末で投票しても投票数は変わりませんでした)。
恐らく、「投票」は「IPアドレス」で制限されているのではないかと思います。

免責事項はきちんと守りましょう(ごめんなさい)。

ここで、現在の投票状況を見てみましょう。
アイドル候補生たちへの投票数に比べて、プロジェクトへの投票数がかなり少ないですね。
「支持率」は約23%といったところでしょうか。

2023年4月22日16時 時点

集金要素

「集金」と少しいやらしい言葉を使いましたが、視聴者がお金を使う要素があるかどうかはとても重要なことです。
「支援機能」がそれに当たるのではないかと推測している方もいますが、今のところは分かりません。

「配信活動」と言えば、「スーパーチャット」は欠かせないと思います。
発表会の配信後に行われた質疑応答では、「スーパーチャットはできるか」という質問に、勝股Pは「難しいところではありますが、収益化の基準などもありますし、そういったところを踏まえて、配信を楽しめる要素というのは拡張できるように目指していきたいと思っています」と答えています。
また、ほかのマネタイズについては「グッズやデジタルコンテンツや音楽など、マルチIPを目指し多角的に行っていきたいと考えています」と答えています。

発表会終了後の勝股Pとアイドル候補生3人へのインタビュー内容については、こちらをご覧ください。

こちらのインタビューについても、別の機会にnoteで紹介しようと思います。

まとめ

「ヴイアライヴ発表会」に寄せられたチャットやコメントを参考に私なりに考えてみました。
もちろん否定的な意見だけでなく、「期待」や「応援」のコメントもちゃんとあります。
しかし、「ヴイアライヴ」が問題・課題を抱えているというのも事実です。
これから「ヴイアライヴ」の運営がどのように誠意をもって応えていくのか、試されるところだと思います。

「アイドル候補生はVTuberなのか」「中の人はいるのか」については、(おそらく)次回の投稿で詳しくお話しします。

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