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駆け出しジュエラー、今の想い

早いもので、2020年8月に起業して一年足らずの今、私の想いを徒然なるまま述べさせて頂きます。

コロナ禍をきっかけに脱サラし、起業したのが昨年の夏。 この一年足らず、お陰様で数多くのお客様やお取引様との素晴らしい出会いに恵まれ、お仕事をさせて頂ける喜びを噛みしめております。

起業当初、お客様への発送一つをとっても、何か間違いがあってはいけないと何度も確認し、慣れない梱包に手間取り、万一配送中に何か破損等あってはいけぬとあらゆる可能性を考え、一つのお荷物をつくるのに一時間かかることもございました。 発送を済ませた後も「お客様に気に入って頂けなかったらどうしよう」と不安に駆られ、眠れぬ夜を過ごしたことも、幾度となくありました。

しかしながら、本当に有難く幸いなことに、これまでご縁をいただいた皆様からは、お気に召して頂いた、感謝して頂けている旨のお声ばかりをいただいております。 たいへん光栄なことこのうえないです。

起業するに際し覚悟していたクレーム案件は、現時点未だ一度も経験がございません。 (勿論、今後ある可能性は覚悟しております)

お客様のお喜びのお声は本当に嬉しく有難いものばかりで、このお仕事を始めて本当に良かったと、心の糧となっております。

カラーダイヤモンドを通じたお客様とやり取りは、時には関東圏で商談やミネショ等で実際にお客様とお会いできる機会もございますが、大半は、対面することのない日本各地の皆様との交流です。 しかし、カラーダイヤモンドを通じ皆様にお喜び頂ける経験は、私にとってひじょうに大きな幸せであり、ご縁を結んでいただく皆様には、心から感謝を申し上げる次第です。

実は、ほんの数日前の出来事ですが、私のお客様がお亡くなりになられていたことを知りました。 そのお客様は、昨年私のnoteをお読み頂いたことからカラーダイヤ、特にピンクにご興味を抱かれ、時折当店のピンクについてご質問、ご相談等、定期的に丁寧なDMをくださっていました。

「お客様の運命のピンクダイヤをご紹介したい」私の想いと裏腹に、なかなかお客様のご納得いくピンクダイヤのご紹介が適わずにいましたが、先月ようやくお客様のお眼鏡にかなうピンクダイヤが見つかり、ご購入を決定されました。 たいへんお喜びのご様子で私も嬉しく思っておりましたが、先日、お取引の途中で、ご連絡が途絶えました。理由なくキャンセルされるお客様でないと、その後DMを送信させて頂くも既読がつかずお客様のTwitterも更新が止まっているご様子でした。 このご時世の体調不良等の可能性を考え、ご連絡先は頂戴していましたのでお電話させて頂くと、お客様のご家族の方が出られ、先日突然のことでお亡くなりになられたと・・。

予想だにせぬ事態に頭の中は真っ白になり鳥肌を立てながら、ご家族の方へお取引経緯をご説明し、お客様ご不在のご家族へご入金を促し石を送る選択肢などありえぬ私はキャンセルを申し出、既にお客様より一部いただいていたご入金はご家族様へ返金を済ませました。

ご家族様にしてみれば、お会いしたことのない私の悲しみなど、比べようのないものであることはわかっております。

しかし、悲しいのです。 何とも、心から悲しくて、悲しいのに、お客様からいただいたDMを、何度も読み返してしまうのです。 お会いしたことがなくても、私のnoteをきっかけにピンクダイヤにご興味をいただき、理想とするピンクダイヤを探し求められご相談を受け、写真のやり取りを複数回させて頂きました。そうした中、ようやく、お気に召して頂けたダイヤが見つかり、「初めてのピンクダイヤモンド」のお迎えを、心からたいへんお喜びになっていらっしゃるご様子でした。 そのピンクダイヤモンドをお客様に、お届けすることができなかったことが今、私は何とも悲しく、やるせなく、残念で、心から悔やまれるのです。

お会いしたことなく、DMのやり取りのみでもお客様とは「心のやり取り」をさせていただきました。お客様のお声から、私は励みと喜びをいただき、ピンクダイヤのご購入を喜び、お迎えを心待ちにされていらっしゃったお客様へのお届けを、私もとても楽しみにしておりました。

残念ながら、もう既読がつくことのないお客様のDMですが、私の気持ちを整理するため、お客様へ感謝の想いを送らせて頂きました。 本来ならばお客様にお納めする筈であった石は、現時点、私は販売するつもりはありません。 私のなかで「〇様の石」として、手元に大切に保管させて頂く考えです。

このような対応は、販売者としては「甘ちゃん」かもしれません。 石に、商品にそのような思いを込めるのは、販売者としては失格なのでしょう。 わかっています。 しかし、私は私のやり方で、今後もお客様と向き合っていく次第です。

お客様との楽しい出会いがある一方、販売者であるということは、このような悲しい別れもあることを、この度、知る運びとなりました。

まだまだ未熟者ではございますが、これからもご縁をいただくお客様へお喜び頂ける販売者を目指し、精進してまいります。

今後とも、何卒宜しくお願い申し上げます。

私の長年の夢、それは、自分で仕入れた良質なカラーダイヤモンドを、シンプルで使いやすいジュエリーに仕立て、お値打ちにカラーダイヤモンドファンへお届けすることです。よろしければ、ご支援頂けますと幸いです。