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キルガーがレンデンバッハを引き継ぐことに

 レンデンバッハというドイツのタンナーが廃業するという記事を以前書いた。
 私の記事の中では比較的読まれているようでどこにそんな需要があるのかと不思議ではあるのだが、この話には続きがあるようなので書きたい。


 廃業するJRレンデンバッハ社の製法と設備とタンニング剤を、同じくドイツにあるキルガーというタンナーが購入し、製造を続けるということが報じられた。
 JRというブランド名も残り、J.R. by Kilgerとして製造されるようだ。

 これにより、レンデンバッハが作っていたオークバークタンニングレザーは存続することになる。
 レンデンバッハ時代と同じように日本に入ってくれば良いが、数量が限定されて入手性が悪くなる可能性があるかもしれない。
 しかし、少なくとも存続するということは喜ばしい。


 ここからは記事内容の要約となる。

 今回のキルガーがレンデンバッハを引き継ぐというのは、レンデンバッハがなくなることで減少する供給量をその他のオークバークタンナー(ベーカー・ガラ・マルティンが挙げられている)で補えるかというと、そうではないという業界全体の事情もあるようだ。

 キルガーは以前オークバークタンニングされたソールを作っていたが、それはもう何十年も前の話で、現在は家具や自動車の内装などの革製品をタンニン鞣しで製造している。今回、そこにオークバークタンニングが戻ってくるということになる。

 レンデンバッハからキルガーに移管されるが、全く同じ製品が出来上がるとは考えにくい。
 過去の例として、ドイツのフロイデンベルグが廃業する時に、ポーランドのワインハイマーが同じレシピと同じ人員で同じ製品を作ろうとしたが、全く同じとはならなかった例もあり、今回も楽観的に考えることはできないだろう。

(トップ画像は https://shoegazing.com/2021/11/23/news-j-r-sole-leather-recipe-sold-to-kilger-tannery/ から引用)

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