見出し画像

連載小説「光と影」第2章 米国へ 8: 日本食レストランの韓国人

 インディアナポリスは、以前工場が立ち並ぶ工業都市として栄えていた。しかし、現在は閉鎖された工場が置き去りにされている。

 富雄はインディアナポリスを目的地としているわけではなかった。実際はその先のシカゴが当面の目的地ではあった。
 高速を降り市内に入り、車を走らせると、日本食の看板が目についた。富雄はすぐに車をその食堂に駐車させた。もちろん、日本人が経営しているとばかり思っていた。


 中に入ると、東洋系の店員が、席を案内した。富雄は彼を見てすぐに韓国人だとわかった。英語はそれほどうまくはない。アメリカに来て間もない様子であった。

ここから先は

1,154字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?